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“男のためのガーデニング”改め

『岩屋古墳 岩屋不動』~滋賀県 蒲生郡 竜王町~

2020-03-04 18:30:00 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 世界遺産に登録された「百舌鳥・古市古墳群」や「高松塚古墳」・「キトラ古墳」などには及ばないものの、滋賀県にも多くの古墳が残されています。
滋賀県の古墳は湖南・湖東・湖西・湖北と県内の全域で確認されており、広い範囲で古墳文化が根付いていた地といえます。

竜王町の周辺にも幾つかの古墳や古墳群が確認されていて、その中の一つの「不動岩屋古墳」には古墳跡の石室内に江戸時代に彫られた「不動明王石仏」が祀ってあります。
大型のショッピングセンターと向き合う場所にあるため何度も通ったことのある道ですが、こんな場所に古墳があったとはこれまで気付かなかった。



鳥居は正面と裏側の2カ所にあり、駐車場から入る時は裏側の鳥居から入ることになる。
鳥居を越えた辺りから響くように読経が聞こえてきたが、それは岩屋の中で読教されている声。



鳥居の先には「護摩堂」があるが、ここにあるのは屋根のみであり、奥にある古墳と岩屋不動で護摩法要などの時の参拝場所と思われる。
しばらく護摩堂にいると、先にお参りされていた方が“お先に。”と声を掛けて去っていかれましたので、さっそく岩屋古墳へと向かう。



岩屋古墳は全長36m前方後円墳で、後円部19m・前方部23mと大きな古墳ではないもの、6世紀頃に築造されたものと推定されています。
石室は後円部にあり、長さ5m・幅2m~2.5m・高さが2.4mとなっており、不動明王は奥の壁の一枚岩に彫られているという。



こういう場所に来ると、人は巨石やドルメンに対して畏怖する気持ちが湧いてくるのがよく分かる。
格子の奥の不動妙石仏は祭壇の格子の隙間越しにしか見えないが、さほど広くはない石室の中は線香の煙が漂い、ビシッとした空気に満ちている。



不動明王が祀られている場所では時々ここのような張り詰めた空気の場所があるのだけれど、これは不動明王の持つ力というより、信仰されている方々の気が満ちているといった方がいいのでしょう。
祭壇の前に座り、線香を焚いて手を合わせましたが、自然とそうしたくなる雰囲気がここにはあります。





境内には石仏が安置されていて“第49番札所 浄土寺”の石碑があります。
この一帯では「薬師山 四国八十八ヵ所霊場」が昭和12年に開山されており、巡礼道となっているようです。
この霊場巡りは山の中を通って約2時間の道中になるといい、信者・行者の参詣が絶えることはないといいます。



最後に正面側の鳥居へと向かう。
鳥居はショッピングモールと向かい合うような位置にあるが、鳥居を結界としてまさしく知る人ぞ知る異空間となっている。



岩屋古墳の石室内は張り詰めた空気と共に、厳しく律するような雰囲気があります。
不動明王と向き合うのはやはりこのような神秘的な場所が良いのかと感じてしまう。



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