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“男のためのガーデニング”改め

紅葉の山本山の念性岩を目指せ!①~長浜市湖北町山本~

2021-11-26 06:17:54 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 オオワシの飛来地として有名な山本山(標高324m)は別名:朝日山・田中山・白山と呼ばれ、琵琶湖のどこから見ても姿が見えることから見当山とも呼ばれている。
琵琶湖の湖周道路を走行する際に、湖南の三上山・湖東の伊吹山・湖北の山本山は現在地の見当を付けるにはとても役に立つ山です。

山本山は伝承の時代、第9代天皇・開化天皇の皇子・彦坐命の4世の孫が「綏靖、安寧、懿徳」の3帝(第2、3、4代天皇)を祀られたと伝承されているようです。
麓に祀られる「朝日山神社」の由緒では、天孫瓊々杵尊が高天原から豊葦原へ朝日山を目標として御降臨されたとあり、朝日山(山本山)近江高天原とする説にもなっているようです。



平安時代末期には山本源氏義経が山本山城を築城して当地を治めたとされますが、源平争乱の時に平知盛らに攻められ落城したという。
戦国時代になると浅井氏の小谷城の支城となり、浅井氏の家臣阿閉氏の本拠となったものの、織田信長の浅井氏攻めにより木下藤吉郎により攻められたが守りきり、翌年信長に降伏して開城したとされます。



朝日山神社は明治5年に、最澄が山頂に白山比売神を勧請したとされる白山神社と、山本源氏が奉斎していた源氏の守護神・八幡宮を合祀し、綏靖・安寧・懿徳の3帝をも合せ祀ったといいます。
湖北地方の古来の神への信仰と白山信仰・天台密教が混在して融合していった一端が伺われます。



このような経緯から朝日山神社には「綏靖・安寧・懿徳」と「応神天皇」「白山比咩命」の5柱が御祭神として祀られ、境内には鹿の像など奉納品が多くあることから、地元での信仰の篤さが感じられます。
境内には何本かの御神木がありますが、もっとも見事なのは本殿の横にあるスギの巨樹で、環境省のDBに登録されている3本のスギの中で幹周4.5m・樹高25mのスギがこの樹のことかと考えられます。



朝日山神社の隣にある朝日小学校の校舎横から山本山へ登ることになりますが、数十m登ると道の脇にたくさんの石仏が見えてきます。
その先には真言宗泉湧寺派の寺院「常楽寺」があり、寺院は山本源氏・山本義経の祈願所だったといい、かつては七堂伽藍を有する寺院だったとされます。





前置きが長くなりましたが、ここからが登山の始まりです。
今回どうしても見てみたいのは「念性岩」という巨石で、詳しいことは分からないのですが信仰の対象になっている巨巌です。
湖北の山には獣除けの柵と“クマ出没注意”の看板が多く、山本山も例にもれませんが、今回は熊鈴をぶら下げてきたのでちょっと心強い。



ちょうど時期が良かったのでしょう、登山道の各所に色づいた紅葉が見え、秋の山登りの心地よさを感じることが出来ました。
登るにつれて小学校の生徒たちのにぎやかな声が聞こえなくなり、時々聞こえる小鳥の声と垣間見える小鳥の姿に心が和む。



山本山の紅葉は登るにつれて落葉していってしまいますが、中腹域は今が見頃だったのではないでしょうか。
最初の方は道も緩やかな登りで、樹木の隙間から見える田園風景も少しずつ下に見えるようになる。



とはいえ、山本山の山道はただひたすら九十九折の登りが続き、アップダウンもない登りのため段々と息が上がってくる。
途中で熊鈴の音が聞こえてきたと思ったら、地元の方と思われる方が下山されてきてこの日最初に出会った人になりました。



息が上がってきた頃、目の前には絶景の紅葉の場所があり、ここで一息いれる。
この日の登山道ではこの場所の紅葉が一番綺麗で、いい時期に登ったなぁと運の良さを感じます。



道の途中に「念性岩」への分岐がありましたが、まずは頂上まで登って帰りに寄ることにして山頂近くの二の丸跡を目指します。
山頂付近は山城があっただけあって広い広場のようになっており、休憩するのは最適の場所でした。



また山本山からは西には琵琶湖、東には伊吹山や湖北の山々が望め、眺望もいいですね。
朝の時間帯は東側は陽の光が強いため風景が見にくいですが、西側には琵琶湖がすぐ近くに望めます。



少しモヤがかかっていましたので鮮明には見えませんが、水鳥公園の向こうには竹生島がぼんやりと見えます。



角度を変えると尾上港とその向こうに葛篭尾崎が見えます。
見慣れた風景でも高所から眺めると随分と印象が異なりますね。



二の丸跡には少しだけ小高くなった小山があり、そこが山本山の山頂になります。
小山を駆け上がってみると何枚かの山頂表示がかかっていました。



山頂の小山の上には山本山の二等三角点。
三角点は測量のために設置されているものだといい、二等三角点の設置間隔は役8キロで全国に約5000点あるといわれています。



さて、それでは分岐点まで下山して「念性岩」へと向かうことにします。
途中の道で2~3組の登山者に出会いましたが、おそらく山本山から賤ヶ岳へ縦走して、余呉湖方面まで行かれる方なのでしょう。
「念性岩」は後編に続く...。



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