hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

新しいことを思いつくには

2007年01月08日 | 会社生活

思いがけないときに新しいアイデアを思いつくことがある。フランスの数学者ポアンカレが旅先で乗合馬車に乗ろうとしてステップに足をかけた瞬間に重要なヒントがひらめいた。その後、兵役などで解法を進めることができなかったが、大通りを横切るときにさらに進展させるアイデアが生まれ、難問を解決したという。

ポアンカレとは比べるべくもないが、かくゆう私も、大昔に工学の研究をしていて、現象を解明するために作り上げた方程式の解き方が、考えても、考えてもわからず、何ヶ月もかけた仕事が一歩も進まなくなった。あれもこれもと試みてもどれも行き詰まってしまう。一週間ほどそんな状態のままで苦しんでいたある日、机の上の数式と天井を眺めるのにあきて、トイレに行った。小さいほうを終えなんだか身体の力がぬけた瞬間、アイデアがひらめいた。なんのことはない、もう一度微分すればよいのだ。急いで席に戻り、一気に解が求められる形に変形できた。私の場合は、新規性といってもたいしたものでなく、優秀な人ならあっという間に解ける課題であっただろう。こういった例は多くの人が経験しているのではないだろうか。

このように、大なり小なり難問にぶつかった時の長い停滞のあとのふとした瞬間にアイデアが浮かぶことがある。ポアンカレは「突如として啓示を受けることがある。しかしそれは無意識下で思索的研究がずっと継続していたことを示していることだ」といっている。
どうしてこんなことが起こるかと言うと、苦しんで、突き詰めて考えて、脳に大きな負荷をかけ続けていると、考えるのを中断して何かリラックスした瞬間に、負荷を受けていた脳の二つの神経回路がつながり、今までにない新しい考えが生まれるのではないだろうか。
偶然ではない。考えて、考えて、考え抜いているから、何かの拍子にアイデアが出てくるのだろう。
また、どこでアイデアが浮かんでくるかわからないので、ベッド、トイレ、居間などどこにでもメモを置いておき、すぐ書けるようにしておく必要がある。

平凡な結論であるが、いろいろな角度から難問にアプローチして、徹底的にそれぞれの道を追及し、突き詰めていくと、突然ブレークスルーが起こり、道が開け、問題解決に至ることがある。もちろんそれでも解決しないこともあるが、少なくとも難問であればあるほど、そうしない限り、解決策は得られないのだろう。


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