hiyamizu's blog

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「なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?」を読んだ

2008年09月08日 | 読書2

瀧口範子著「なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか? -世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣-」2008年7月、プレジデント社発行を読んだ。

宣伝文句はこうだ。
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Google、iPod、YouTube、セカンドライフ……。これらがすべて「シリコンバレー生まれ」なのは偶然ではない。「やってみましょう、ダメならばやりなおしましょう」という、
単純・前向き・執拗な姿勢で物事に取り組みつづける「懲りない」イノベーターたちの存在が、この町を特別な場所にしている。世界中から集まった天才技術者、世界を魅了するビジョナリー経営者、そして社会変革に燃える億万長者たちの日常を、Google創業者と同じ研究室に在籍したジャーナリストがレポートする。
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シリコンバレーのあこがれの先端企業の実情、有名な成功者の考え方、シリコンバレー地域の生活を紹介している。個々の話はすでに日本でもいろいろ紹介されている場合が多いが、あらためてまとめて読むと、旧態然とした日本がますます絶望的になる。

とくに技術そのものについての記述は浅く、技術を知る本ではない。企業方針、実情、天才的な個人を深く分析している本でもない。シリコンバレーを広く浅く、しかし実際の生活に即し、また直接、有名人に触れて、その実情の一面を紹介している本だ。



著者は、上智大学外国語学部卒。1996~98年フルブライト奨学生として、スタンフォード大学工学部コンピュータ・サイエンス学科にて客員研究員。
シリコンバレー在住のジャーナリスト。テクノロジー、ビジネス、建築・デザイン、文化、社会一般に関する記事を新聞、雑誌に幅広く寄稿。
瀧口範子「シリコンバレー通信」:



第1章 毎日がイノベーション
第2章 合理と、正義と、情熱の人びと
第3章 描かれざる格差
第4章 新しい市民社会をデザインする
第5章 メディア、ジャーナリズムの未来
第6章 日本人が知らないグーグルの素顔
第7章 正念場のアップル、マイクロソフト、ヤフー



私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)
IT技術開発の実際の環境に興味ある人にはお勧めだ。技術の内容にはとくに触れていないので、どんな技術レベルの人でも読める。



題名の「なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?」は、「さおだけ屋の何とかの二番煎じで、疑問を持たせてあざとく売らんがためのもので、この本の内容を表していない。
日本ではゴミをかなり細かく分別して出すところが多い。一方、パルアルトでは分別せずに何でもかでも一緒くたに大きな入れ物に入れてゴミ出しし、施設の自動分別機と一部手作業で分別する方式を採用している。シリコンバレーのメインテーマとは関係ない題名だ。



以下、たまたまひっかかった話をご紹介。

アップルのステーブ・ジョブズといえば、(誰にでも嫌われる、いかにも嫌味な性格との話が聞こえてくるが、)プレゼンはやっぱりうまい。
彼はプレゼンの準備をトコトン詰める。ひとりで歩きながら話し、スクリーンを使って説明し、製品を必ず自分自身で使ってデモし、最後には関連会社の重鎮を登場させる。
「 I have some good news for you 今日はちょっといい話があるんだ」で始まり、「今日発表するのは四つです」、「・・・と、ここまでは二つめの発表。すると次は三つめです」。最後に、「今日発表した四つは・・」と復習する。分かりやすく、インパクトがある。


ジョン・ギルモア John Gilmoreのホームページが面白い。

オサマ・ビン・ラディンの写真があって、「I’M STILL FREE. WHAT ABOUT YOU? 私はまだ自由にやっているけど、あなたはどう?」と皮肉に書いてある。私も飛行機に乗るたびに、まったく一方的な人権無視の検査にブッシュの顔を思い出し腹が立つ。
ビン・ラディンの写真の脇には「Suspected Terrorist」と書いてあるバッチの写真があるが、彼はこのバッチをつけて搭乗を拒否されたことがあるという。いかにも怪しげな風体で、お金持ちなのに、面白いオヤジ。


シリコンバレーには教育熱心な人が多いので、学校のレベルの高いところは不動産価格も高い。この小学校の生徒の成績の平均指数(API)は不動産会社から提供されている。
そういえば、私は、バンクーバーで、土地の価値を上げるために、各人、家、庭、周辺をきれいに保つし、近所にもそう強いると聞いた。また、良い学校のある区域は不動産価格が高い。先進国では共通の話なのだろう。日本でも県毎の学校の成績比較が問題になった。







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