藤正 巌著「キャンピングカーで悠々セカンドライフ」2008年7月、文藝春秋発行を読んだ。
著者は元東大医学部教授で、マイクロマシンの提唱者。定年が近づいてからキャンピングカーを持つ生活を始めた。
この本は、キャンピングカーの購入から、おずおずと遠出し、宿泊し、都内でも、日常でも使い始める経緯の話や、キャンピングカーそのもの、利用法を初心者向けに説明する。文章は平易で論理的。
キャンピングカーは温泉などへの日帰旅行や、夏の避暑地、冬の避寒地でのキャンプと、移動別荘として使うだけのイメージがある。しかし、駐車場が空いている休日に街に出掛けたり、自宅の駐車場で離れとして使ったりできるという。車でありながら、もう一つの自宅なのだ。実際に持ってみないとわからない色々な楽しみ方が紹介される。
非常に大きな車というイメージがあるが、日本で標準的なキャンピングカーは、幅2m、長さ5mで床面積はフルサイズの乗用車と同じなので、運転に関しては乗用車と同じだ。ただし、車の全高は3mと大きいし、燃費は良くてもリッター 6 km程度だ。
エネルギー源はガソリンの他3種あり、水の供給と排出方法もいろいろあり、これらの使い分けが複雑だ。出発前の準備も手間がかかりそう。
私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)
著者は第2の人生を迎える中高年こそ、キャンピングカーを持つよう薦める。いまや中高年にとっては、キャンピングカーは自由の象徴だ。別荘を購入するよりは安上がりという。
私は、ほぼ500万円、中古でも200万円はするというキャンピングカーは買えないし、無理して買っても通常使う車のほかに置けるような駐車場が確保できない。私と同じような人はせめてよだれを出しながらこの本を楽しむと良い。
以下、いくつか抜き出す(ただし、文章は簡単化した)。
犬を飼いたいが旅行に出かけにくくなると悩み、犬を乗せても寝泊りできるキャンピングカーを購入した。
一般のキャンパーは必ずと言っていいほどバーベキューをするが、キャンピングカーの人達は毎日のことなのでキッチンを使った日常の食事をする。
キャンピングカーを買う人は、数年前までは子供連れが多かったが、最近は定年近辺の人が多い。