きのう2日の読売新聞の朝刊社会面に、「大野一雄さん死去」とあったので、エッ!? と声を上げてしまった。大野八一雄七段が!? と驚いた直後、名前に何か足りないような…という気持ちと、大野七段がこんなに大きく扱われるだろうか、という疑念が同時によぎり、よく見直したら、まったくの別人だった。こんなうっかりをするとは、大野七段に申し訳が立たない。
ちなみに新聞の大野さんは、日本のダンス「舞踏」の創始者で、享年103歳の大往生。将棋の大野七段は、その半分の年齢にも満たぬ51歳の若手である。「大野教室」には行かないが、まだまだ対局をガンバッテください。今回はたいへん失礼いたしました。
3月26日のLPSA金曜サロンは、1部(午後2時~6時)が神田真由美女流二段、2部(午後4時30分~8時30分)が、石橋幸緒天河の担当だった。
この時期、ウチでは急に仕事の発注が殺到し、この日は雰囲気的に仕事をせざるを得ない?状況で、夕方まで仕事をして、駒込サロンへ向かった。
石橋天河は、この月の7日に中井広恵女流六段から天河位を奪取、他の棋戦でも勝ち星を稼いでおり、絶好調であった。
しかしこちらも対石橋天河戦は、平手だとここまで3勝4敗と大健闘している。石橋天河は指導対局ではいい意味で手を抜いてくれる。下手の実力を最大限に引き出してくれる。今回も文字どおり、シタテにシタテに出て、何とか足元を掬うつもりであった。
対局開始。☗7六歩☖8四歩☗2六歩☖8五歩から、結果的には相横歩取りになり、超急戦となった。☗4六角に☖7三角が石橋天河の工夫。しかし私も森内俊之-羽生善治の名人戦を踏襲したつもりだったので、指せると読んでいた。
しかしこれが似て非なる局面だったようで、私がやや指しにくくなった。以下数手進んだ局面を記す。
上手・石橋天河:1一香、1三歩、2一桂、3一銀、3二金、4三歩、5一王、5三歩、6一金、6三歩、6九角、7一銀、7四歩、7九飛、8五桂、9一香、9三歩 持駒:歩
下手・一公:1七歩、1九香、2九桂、3七歩、3九銀、4七歩、4九金、5七歩、6八玉、6七歩、8七銀、8八金、8九桂、9七歩、9九香 持駒:飛、角、歩5
石橋天河の☖7九飛に、☗5八玉と立つ。ここで☗6九飛なら穏やかだが、☖7五飛成☗7六歩☖2六竜☗2八歩の局面は、飛車を自陣に打たされたうえ、次の☖5五角が受けづらく、指しきれなかった。しかし☖7五飛成には☗7三角もあり、意外と下手も指せたかもしれない。
本譜☗5八玉に、石橋天河は☖6九角。私は☗6八玉。ここで☖8七角成なら、☗7九玉と飛車を取って、耐えていると思った。ところが――。
上の局面からの指し手。
☖7八角成!☗同銀☖4九飛成☗5九飛☖5八金 まで、44手で石橋天河の勝ち。
☖7八角成の只捨てを完全に見落としていた。これには☗7八同金が最善だと思うが、動揺した私は、☗8九桂を守ろうと、☗7八同銀と取ってしまう。いつだったか、高嶋政伸出演の2時間ドラマで、将棋の場面が出てきたとき「☗7八銀、☗8八金」の局面が現れ、私は「ふつうはこの金銀の並びは出てこない」とバッサリ斬ったのだが、本局はまさにこの形が出てきてしまった。
以下は☖4九飛成☗5九飛に☖5八金と打たれて、無残な投了。読みの量が圧倒的に違い、まるで将棋にならなかった。
ちなみにこの2週間前の松尾香織女流初段との指導対局は、38手で戦意喪失の投了。今回はほぼ受けなしの負けで、44手終了は、指導対局2番目の短手数だった。
前週で4本目のサイン扇子がコンプリートになったので、石橋天河に完了記念の落款押印をお願いしたのだが、
「中井さんに勝ってないからダメ」
と、扇子も受け取ってもらえない始末。まったくもって、さんざんな1日だった。
ちなみに新聞の大野さんは、日本のダンス「舞踏」の創始者で、享年103歳の大往生。将棋の大野七段は、その半分の年齢にも満たぬ51歳の若手である。「大野教室」には行かないが、まだまだ対局をガンバッテください。今回はたいへん失礼いたしました。
3月26日のLPSA金曜サロンは、1部(午後2時~6時)が神田真由美女流二段、2部(午後4時30分~8時30分)が、石橋幸緒天河の担当だった。
この時期、ウチでは急に仕事の発注が殺到し、この日は雰囲気的に仕事をせざるを得ない?状況で、夕方まで仕事をして、駒込サロンへ向かった。
石橋天河は、この月の7日に中井広恵女流六段から天河位を奪取、他の棋戦でも勝ち星を稼いでおり、絶好調であった。
しかしこちらも対石橋天河戦は、平手だとここまで3勝4敗と大健闘している。石橋天河は指導対局ではいい意味で手を抜いてくれる。下手の実力を最大限に引き出してくれる。今回も文字どおり、シタテにシタテに出て、何とか足元を掬うつもりであった。
対局開始。☗7六歩☖8四歩☗2六歩☖8五歩から、結果的には相横歩取りになり、超急戦となった。☗4六角に☖7三角が石橋天河の工夫。しかし私も森内俊之-羽生善治の名人戦を踏襲したつもりだったので、指せると読んでいた。
しかしこれが似て非なる局面だったようで、私がやや指しにくくなった。以下数手進んだ局面を記す。
上手・石橋天河:1一香、1三歩、2一桂、3一銀、3二金、4三歩、5一王、5三歩、6一金、6三歩、6九角、7一銀、7四歩、7九飛、8五桂、9一香、9三歩 持駒:歩
下手・一公:1七歩、1九香、2九桂、3七歩、3九銀、4七歩、4九金、5七歩、6八玉、6七歩、8七銀、8八金、8九桂、9七歩、9九香 持駒:飛、角、歩5
石橋天河の☖7九飛に、☗5八玉と立つ。ここで☗6九飛なら穏やかだが、☖7五飛成☗7六歩☖2六竜☗2八歩の局面は、飛車を自陣に打たされたうえ、次の☖5五角が受けづらく、指しきれなかった。しかし☖7五飛成には☗7三角もあり、意外と下手も指せたかもしれない。
本譜☗5八玉に、石橋天河は☖6九角。私は☗6八玉。ここで☖8七角成なら、☗7九玉と飛車を取って、耐えていると思った。ところが――。
上の局面からの指し手。
☖7八角成!☗同銀☖4九飛成☗5九飛☖5八金 まで、44手で石橋天河の勝ち。
☖7八角成の只捨てを完全に見落としていた。これには☗7八同金が最善だと思うが、動揺した私は、☗8九桂を守ろうと、☗7八同銀と取ってしまう。いつだったか、高嶋政伸出演の2時間ドラマで、将棋の場面が出てきたとき「☗7八銀、☗8八金」の局面が現れ、私は「ふつうはこの金銀の並びは出てこない」とバッサリ斬ったのだが、本局はまさにこの形が出てきてしまった。
以下は☖4九飛成☗5九飛に☖5八金と打たれて、無残な投了。読みの量が圧倒的に違い、まるで将棋にならなかった。
ちなみにこの2週間前の松尾香織女流初段との指導対局は、38手で戦意喪失の投了。今回はほぼ受けなしの負けで、44手終了は、指導対局2番目の短手数だった。
前週で4本目のサイン扇子がコンプリートになったので、石橋天河に完了記念の落款押印をお願いしたのだが、
「中井さんに勝ってないからダメ」
と、扇子も受け取ってもらえない始末。まったくもって、さんざんな1日だった。