一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

社団戦第1日目に参戦する(前編)

2010-06-29 01:11:29 | 社団戦
先手:1七歩、1九香、2四桂、3一馬、3八銀、4七歩、4九金、5七歩、6七歩、7六歩、8五銀、8六玉、9七歩 持駒:飛、金、桂2、歩2
後手:1一香、1三歩、3三銀、4三歩、5二王、6三歩、7二金、7三歩、8一桂、8八竜、8九銀、9一香、9三歩、9九角 持駒:金、香、歩5
(☖8八竜と王手された局面)

昨日書いた、ぜひ盤に並べていただきたい将棋である。きのうは多少熱くなっていたが、きょう冷静に見ると、それほどおもしろい将棋でもなかった。おヒマな方は並べていただいて、どちらが勝ちか、2、3分で答えを出していただきたい。

27日(日)は社団戦に参加するべく、午前9時すこし前に家を出た。社団戦は全国からの参加がある。地方から来る人は朝早く新幹線に乗ったり、前日から東京入りしたりと、いろいろ苦労が多い。「9時すこし前」に家を出られるありがたさを改めてかみしめる。
対局場の産業貿易センターに向かっていると、うしろから石橋幸緒・LPSA代表理事に声を掛けられる。
「大沢さんは背が高いから、すぐ分かります」
石橋代表理事・女流四段は、先日の倉敷藤花戦で、矢内理絵子女流四段に苦杯を喫し、倉敷行きの切符と「マッカラン」のふたつを獲り損ねた。私は出費がなくなり助かったが、ベスト16での敗退は早すぎる。もう少し楽しませてほしかったと思う。
代表理事は激務だが、それで本業に支障が出ては意味がない。繰り返し書くが、石橋代表理事の仕事を各自がサポートするべきである。
昨年に引き続き、私はLPSA星組(5組)で参加した。このチームはおもにLPSA金曜サロンの会員で構成されている。もうひとつのチーム、月組は4組で出場している。こちらはマンデーレッスンの生徒で構成される予定だ。
出場するにあたりいつも苦労するのが選手集めで、私もそうだが、毎回出場はできないから(したくないから)、その確保がたいへんである。
星組か、月組か。一度登録してしまうと、同じ団体でも途中でチームの変更は利かないので、最初が肝心である。
星組参加予定の選手はぼちぼち集まってきたが、月組には現在ひとりしか選手がいないという。大丈夫か。
盤、駒とチェスクロックの到着が遅れていて、1回戦の開始は10時20分ごろになる、との放送が入る。しかし選手登録は10時ごろまでに済まさなければならず、星組はなんとか頭数がそろったものの、月組がヤバイ。そこで、急遽駆けつけてくれたTo氏に月組で登録してもらう。それでもまだ足りなかったらしいが、なんとか7人そろったようだった。もっともこれ、後で聞いたら、ええっ!? という妙齢の美女ふたりを参加させるという奇手を用いたらしい。
私は副将で参加。昨年は大将で参加し、毎回すごいプレッシャーを感じていたから、この位置は気分的にだいぶラクである。
参加選手は、大将から順に、Wパパ、私、Is、Y、Har、Iz、Wの各氏。大将にWパパ氏が新規参加した分、昨年よりは層が厚くなったと感じる。
社団戦の担当者が開会の挨拶。続いてLPSA代表理事・石橋女流四段の挨拶。続いて日本将棋連盟理事・上野裕和五段の挨拶。あまり知られていないが、上野五段の理事としての働きは、特筆すべきものがある。理事の中で最も精力的に活動されているのではないか。ちなみに、毎日毎日お偉方と会食することは、私は仕事とは解釈していない。
10時40分、第1戦開始。相手は「O電気工業3」。Wパパ氏が振ると、表2枚、裏2枚に、1枚駒が立った。振り直して、奇数後手。ということは、私は先手。私は先手がほしいタイプなので、幸先がいい。
将棋は相手の三間飛車に私の棒銀。私は☗3八飛から☗3五歩。これに☖同歩と取ってくれたので、喜んで☗3五同銀と進む。以下☖4二角☗3四歩☖×××☗4四銀☖3四飛☗同飛☖同銀☗3二飛の角銀両取りに、☖3三角??という妙な手が出て、以下もたついたものの、何とか勝ち。
今回用意した扇子は、中井広恵女流六段の非売品直筆扇子、金曜リーグ優勝記念に頂戴した船戸陽子女流二段直筆扇子、扇子サインラリーでコンプリートした1本目の扇子、の3本。メインの使用は船戸女流二段の扇子とした。
とりあえず自分が勝ったので、あとはお任せ。一足早く食事に向かう。
LPSAのブースには、石橋代表理事、蛸島彰子代表理事代行、船戸女流二段、松尾香織女流初段、大庭美樹女流初段に、スタッフが参加。あとは藤森奈津子女流四段、大庭美夏女流1級がいらした。
同じブースには、「ねこまど」社長の北尾まどか女流初段もいる。「どうぶつしょうぎ」の発案者でもある北尾女流初段の、普及にかける情熱は素晴らしいものがある。女流名人位戦A級リーグでも好調で、充実の毎日を送っているようだ。
船戸女流二段には挨拶だけして、外へ出る。ここでおしゃべりをしてしまうと、緊張感が切れる。
ビルを出て、向かいの立ち食いそば屋へ向かう。右に牛丼専門店の「すき家」があったが、あまり食べ物を入れて、思考能力が鈍るのもまずい。
「小諸そば」と「ゆで太郎」が並んでいるが、「ゆで太郎」に入る。こちらのほうが「もりそば」の量が多いからだ。260円。
食後は、浜松町駅に隣接する世界貿易センター内の本屋へ向かう。ここで時間をつぶすつもりだったが、今年からスケジュールが変わって、1局目の直後に2局目が行われることになっていたらどうしよう…などと考えたら落ち着かなくなり、すぐに対局場へ戻った。
対局場は5階だが、ほかの階ではゲームソフトや、漫画同人誌の即売会をやっている。ちょっと食指が動くが、ここで浮気をするわけにはいかぬ。
2局目はやはり昼食を挟んでいたが、それでもほどよい戻りだった。わがチームは5勝2敗で勝利したらしい。これまた幸先がいい。
午後12時50分、「S棋チェスネット」との対戦。Wパパ氏が振ると、また表2枚、裏2枚に、1枚が立った。微苦笑が起きる。
振り直して、また偶数先手。将棋は私が横歩取りに出たが、☗3四飛に☖8八角成~☖3八歩と指されて面食らった。
これ、以前「将棋世界」の「イメージと読みの将棋観」の題材に採用されていたもので、たしか正確に指せば先手が指せるが、一番勝負なら後手も指す価値はある、という結論だったと思う。しかしこんな将棋になるとは…。そういえばこのチーム、対局前に、まるで受験生のように棋書を読んでいる人が何人かいた。もっと相手チームの言動に注意を払うべきだった。
というわけで、将棋は大苦戦。こちらだけ終盤戦だったが、そこで相手が緩手を指してくれたので、だいぶよりが戻った。途中、私の玉が右へ遁走する順があったのだが、それを見送り攻め合いを目指したのが、以下の局面である。

先手・一公:1七歩、1九香、2四桂、3八銀、4七歩、4九金、5六香、5七歩、6七歩、7六歩、7七玉、7八金、8五銀、8八歩、9七歩 持駒:飛、角、桂2
後手:1一香、1三歩、3一金、3三銀、4三歩、5一王、5三歩、6三歩、6九竜、7二金、7三歩、8一桂、9一香、9三歩、9九角 持駒:銀、歩5

この将棋は並べ返してみると、私の疑問手だらけで、形勢を多少盛り返してからも、首を傾げる手を指している。やはり実戦と机上の研究では、心理状態が違うのだ。
ここから私は、何かのときに☗6八金と寄ったときにその金を守ろうと、攻防兼備で☗8六角と打ったのだが、ここではほかに手がなかっただろうか。
本譜は以下☖8九銀☗5三香不成。この手で☗6八金が利くと思ったのだが、素朴に☖7九竜で先手負けそうなのが誤算だった。とはいえ、☗5三香不成も、捻りだした好手だったと思う。
以下☖5二歩☗同香成☖同王☗3一角成☖7八竜☗8六玉☖8八竜、と進んだのが冒頭の局面である。
(つづく)
コメント (8)
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