一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

金曜サロン・石橋幸緒天河⑦

2010-06-14 00:09:57 | LPSA金曜サロン
きのう行われた「第4回・日レスインビテーションカップ・女流棋士トーナメント」の藤森奈津子女流四段-鈴木悠子アマ戦は、藤森女流四段の惜敗。
私は藤森女流四段の勝利と予想していたのに、次の中倉宏美女流二段戦は、うっかり対鈴木アマの戦形予想をしてしまい、慌てて書き直した。内心では、鈴木アマの勝利を予想していたのかもしれない。ともあれ藤森女流四段、お疲れ様でした。
渡部愛ツアー女子プロは、成田弥穂アマ相手に、粘り強い指し回しで逆転勝ち。見事な勝利でした。おめでとうございます。

さて4月2日のLPSA金曜サロン、2部(午後4時30分~8時30分)の担当は、石橋幸緒天河だった。
以前も書いたが、この日は石橋女流四段の新しい扇子が先行発売されていた。
書体名は分からぬが、「信汗不乱」と揮毫されている。LPSAショップサイトには「流した汗を信じていれば、心乱れることはない」との説明がある。その境地には到達できそうもないが、精進したいと思う。
石橋天河との指導対局に入る。戦形の豊富さという点で、私は神田真由美女流二段や大庭美夏女流1級と指すのが楽しみ、と書いたことがあるが、石橋天河との戦形を調べてみたら、「豊富」どころではなかった。
石橋天河との平手指導対局は9局目になるが、過去8局は、(私から見て)相矢倉、角換わり相腰掛銀、矢倉対左美濃、四間飛車対糸谷流右玉、対石田流、三間飛車、陽動四間飛車対右玉、相横歩取り、だった。ひとつとして同じ戦形がなかったのだ。なんでも指せる石橋天河。それが最大の持ち味といえよう。そして本局は、ついに石橋天河のゴキゲン中飛車となった。
私はどうもゴキゲン中飛車に弱い。とりあえず舟囲いから☗3七銀と出る。対して石橋天河は☖5六歩。私は☗6六歩。以下5筋の歩を切って、上手は☖5四銀と出る。次に☖4五歩突きの銀取りがあるから、私は☗3七桂と跳ねた。しかし局後石橋天河に、この☗3七桂が疑問手との指摘を受けた。この手は☖4五歩を防いで当然の一手に見えるけれども、桂頭に弱点ができるうえ、このあとの発展がないので、意外とよくないという。
その数手後、私は☗2四歩~☗2二歩と香得を目指したが、これも遅い手と言われた。この類の手は、たいてい間に合わないものらしい。事実本局も、☗2一歩成までは行ったが、☗1一とと香を取る暇はなかった。これこそ、この一連の手順が疑問だったことの証であろう。
…と、石橋天河はこうやって理論だてて教えてくださるので、とても勉強になる。サロン会員にも定評があるゆえんである。
それにしても将棋とは、我々には分からないところで、自然と形勢に差がついてるんだなあと、あらためて思う。
では、終了1手前の盤面を記す。

上手・石橋天河:1一香、1三歩、3四歩、4四歩、5二飛、5五銀、5六桂、6一金、6三銀、6四馬、6六歩、7二銀、7四歩、8三歩、8四王、9一香 持駒:金、銀
下手・一公:1六歩、2一と、2三竜、3六歩、3九角、4七歩、5三金、5四歩、5八金、7六歩、7七桂、7八玉、8五桂、8七歩、9四歩、8八香、9九香 持駒:桂、歩4

☗5八金とよろけたところ。ここで☖6八金でも負けだったが、本譜は☖5三飛と、質駒の金を取られて、私の投了となった。
大局観、読みの量、知識、すべてが天と地の差だった。プロとアマとの違いを見せつけられた一局。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする