一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

天才・加賀さやか

2010-06-07 00:17:01 | 愛棋家
6月4日の「LPSA日めくり詰め将棋カレンダー」は、神奈川県在住・加賀さやかさんの「2手詰め?」作品だった。
加賀さんは昨年の同詰め将棋では、「何で勝っても勝ちは勝ち」というコメントの付いた凄まじい詰将棋を出題され、選考委員のひとりから、「詰将棋のエポックメイキング的な作品」と激賞された。
今回は何と双玉作品で、ヒントを読むと「<裏表詰め・オモテ>ひっくり返してもう一局!」とある。
そこで盤面を改めて見てみると、逆王手の筋はなく、盤面の上下を逆さまにすると、もうひとつの詰将棋が浮かび上がるという、画期的なものだった。したがって、ヒントは<上下詰め>あるいは<先後詰め>が正確な表記だったかもしれない。
しかし4日の解答を見ると、答えがひとつしか書いてない。少し訝しく思って翌5日の詰将棋を見ると、4日の詰将棋がそのまま逆さまになって出題されていて、私は唸った。
今度は<裏表詰め・ウラ>とある。つまり2日間でワンセットということだ。
いままで双玉作品は世の中に数多く発表されたが、どちらを持っても詰みがある、という作意は史上初ではなかろうか。
いったいこういう発想がどこから出てくるのだろう。私のような凡人にはまったく浮かばず、これは立派な才能といえる。
加賀さんは一応マンガ家だが、先だって発売された「将棋世界」にレポートした文章も面白く、マルチな才能を感じさせる。年齢不詳、棋力も不詳、将棋棋士との交友関係もどこまで深いのか分らず、本当にミステリアスなひとである。
私ももうちょっと加賀さんと話をしてみたいが、あまり親しくなって彼女の人となりを知ってしまうのも、興醒めになりそうである。
もしお会いしたら、挨拶を交わすくらいの距離がベストではないかと思う。
ともあれ加賀さんの、来年の「日めくり詰め将棋」作品が楽しみである。
コメント (3)
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