昨日は第6期女流王座戦五番勝負第1局があった。このところの騒動で、忘れていた将棋ファンも多かったのではないか。
女流王座は加藤桃子奨励会初段。挑戦者は今期女流棋戦12戦全勝の里見香奈女流四冠(奨励会三段)である。
今期の本戦トーナメント表を見た時、左右の山から里見女流四冠、西山朋佳奨励会三段が勝ちあがってくると見た。果たしてそうなって、外野としてはおもしろくなかった。
毎回毎回奨励会組で大勝負を行われちゃ女流棋士の立場もないし、それが主催者の思惑とも思われないが、かすかな救いは、里見女流四冠が女流棋士の実績を積んでから奨励会にチャレンジしたことで、里見女流四冠は女流棋士の代表、と見ることもできる。
今五番勝負で加藤女流王座が防衛すればクイーン女流王座になるそうで、それは絶対阻止したい、が里見女流四冠はじめ女流棋士の総意だったと思われる。
第1局は後手番里見女流四冠がゴキゲン中飛車に振った。この後の進行が楽しみになったが、昨日はそれから油仕事を始めたため、スマホが操作できなくなった。
次に局面を見たのは昼休みである。里見女流四冠は馬を作ったものの飛車が詰まされていて、後手を持ちたくない感じ。アマチュアは飛車を取られたらオワリに思うのだ。
囲いも△6二銀形のいわゆる三手美濃で、あまり固くない。里見女流四冠は固さより広さを重視するタイプに思う。どう指そうが最後は強い方が勝つ、の信念があるのかもしれない。
しかし形勢は振り飛車がよかったらしい。
ここで初手から再生してみる。両対局者とも、中盤まですっ飛ばしたようだ。先日のJT杯日本シリーズもそうだったが、指し手が分かりきっているところは飛ばす、が昨今のトレンドらしい。どちらも数分の消費で、双方合意の指定局面まで進めたかのようだ。
事実先例があったらしいのだが、こんな見たことのない形まで両対局者は把握しているのか。今さらながら、棋士の研究量に舌を巻いたのだった。
次に見たのは3時ごろで、里見女流四冠が大長考のすえ、△4六馬と寄った。これは手順に▲5七銀打と固めさせて後手が損に思えたが、先手に駒を1枚使わせて、一理あったらしい。こういう深謀遠慮の手が私には指せない。大いに勉強になるところだった。
次に見た時は終盤になっていて、里見女流四冠が有利に見えた、実際は「優勢」だったらしいが、私には▲4三との存在も大きく見えたのだ。こんな急所にと金を作らせて後手がいいとは、よほど読みがしっかりしてないと指せない。やはり奨励会三段は違う、とまたも私は唸ったのだった。
数手後の△7五角が好点だった。▲3一飛の取りを見せつつ、△5七角成からの寄せを見ている。終盤でこんなピッタリの手が出ては、後手勝勢に近い。
5時半ごろ見た時には終わっていた。これは里見女流四段が勝ったのだろう。記譜を再生すると、里見陣は金銀3枚になっていた。弱い玉形だったのにいつの間にか固くなっている。まるで大山十五世名人の将棋を見ているかのようだ。玉は△8四だったが、大山十五世名人は意外に玉が露出することが多く、こんな点も似ていた。
かくして1局目は里見女流四冠の先勝。女流棋戦の鬼・加藤女流王座(の指し手)は、ちょっと元気がないように見えた。加藤女流王座は次局が正念場だ。
なお、昨日はマイナビ女子オープン本戦の、甲斐智美女流五段VS渡部愛女流初段戦も行われていた。
これはハッキリ忘れていて、ネットで結果を見て気が付いた。
結果は甲斐女流五段の勝ち。渡部女流初段は上位者に勝てない、は巷間言われていることだが、本局でもその噂を強固にしてしまった。
渡部女流初段は室谷女流二段と同年代で、中学生のころは渡部女流初段が棋力をリードしていたはずだ。しかし今では、室谷女流二段にすっかり棋歴を離されてしまった。
渡部女流初段の逆襲を楽しみにしている。
女流王座は加藤桃子奨励会初段。挑戦者は今期女流棋戦12戦全勝の里見香奈女流四冠(奨励会三段)である。
今期の本戦トーナメント表を見た時、左右の山から里見女流四冠、西山朋佳奨励会三段が勝ちあがってくると見た。果たしてそうなって、外野としてはおもしろくなかった。
毎回毎回奨励会組で大勝負を行われちゃ女流棋士の立場もないし、それが主催者の思惑とも思われないが、かすかな救いは、里見女流四冠が女流棋士の実績を積んでから奨励会にチャレンジしたことで、里見女流四冠は女流棋士の代表、と見ることもできる。
今五番勝負で加藤女流王座が防衛すればクイーン女流王座になるそうで、それは絶対阻止したい、が里見女流四冠はじめ女流棋士の総意だったと思われる。
第1局は後手番里見女流四冠がゴキゲン中飛車に振った。この後の進行が楽しみになったが、昨日はそれから油仕事を始めたため、スマホが操作できなくなった。
次に局面を見たのは昼休みである。里見女流四冠は馬を作ったものの飛車が詰まされていて、後手を持ちたくない感じ。アマチュアは飛車を取られたらオワリに思うのだ。
囲いも△6二銀形のいわゆる三手美濃で、あまり固くない。里見女流四冠は固さより広さを重視するタイプに思う。どう指そうが最後は強い方が勝つ、の信念があるのかもしれない。
しかし形勢は振り飛車がよかったらしい。
ここで初手から再生してみる。両対局者とも、中盤まですっ飛ばしたようだ。先日のJT杯日本シリーズもそうだったが、指し手が分かりきっているところは飛ばす、が昨今のトレンドらしい。どちらも数分の消費で、双方合意の指定局面まで進めたかのようだ。
事実先例があったらしいのだが、こんな見たことのない形まで両対局者は把握しているのか。今さらながら、棋士の研究量に舌を巻いたのだった。
次に見たのは3時ごろで、里見女流四冠が大長考のすえ、△4六馬と寄った。これは手順に▲5七銀打と固めさせて後手が損に思えたが、先手に駒を1枚使わせて、一理あったらしい。こういう深謀遠慮の手が私には指せない。大いに勉強になるところだった。
次に見た時は終盤になっていて、里見女流四冠が有利に見えた、実際は「優勢」だったらしいが、私には▲4三との存在も大きく見えたのだ。こんな急所にと金を作らせて後手がいいとは、よほど読みがしっかりしてないと指せない。やはり奨励会三段は違う、とまたも私は唸ったのだった。
数手後の△7五角が好点だった。▲3一飛の取りを見せつつ、△5七角成からの寄せを見ている。終盤でこんなピッタリの手が出ては、後手勝勢に近い。
5時半ごろ見た時には終わっていた。これは里見女流四段が勝ったのだろう。記譜を再生すると、里見陣は金銀3枚になっていた。弱い玉形だったのにいつの間にか固くなっている。まるで大山十五世名人の将棋を見ているかのようだ。玉は△8四だったが、大山十五世名人は意外に玉が露出することが多く、こんな点も似ていた。
かくして1局目は里見女流四冠の先勝。女流棋戦の鬼・加藤女流王座(の指し手)は、ちょっと元気がないように見えた。加藤女流王座は次局が正念場だ。
なお、昨日はマイナビ女子オープン本戦の、甲斐智美女流五段VS渡部愛女流初段戦も行われていた。
これはハッキリ忘れていて、ネットで結果を見て気が付いた。
結果は甲斐女流五段の勝ち。渡部女流初段は上位者に勝てない、は巷間言われていることだが、本局でもその噂を強固にしてしまった。
渡部女流初段は室谷女流二段と同年代で、中学生のころは渡部女流初段が棋力をリードしていたはずだ。しかし今では、室谷女流二段にすっかり棋歴を離されてしまった。
渡部女流初段の逆襲を楽しみにしている。