一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2月4日の4時から男(前編)

2018-02-07 01:01:42 | 新・大野教室
小泉今日子の誕生日である2月4日は、「大野教室」に行った。といっても、今回も「4時から男」である。
駅を出て教室に行く途中で、スタッフのW氏と会った。何かの買物らしい。
ほぼ入れ違いで私が入室すると、大野八一雄七段はすでに指導対局を終えていた。その大野七段が来て、18日(日)に行われる支部対抗戦埼玉県予選の出場選手一覧を見せてくれた。
これは私も出場する予定で、この時点ではFuj、Shinチームに入るらしかった。
奥の和室からS君が顔を出した。大野七段によると、前日の奨励会で5級に昇級したという(飯塚祐紀七段門下)。それは素晴らしい。
私も一声かけたが、S君はあまりうれしそうでない。棋士になるにはまだまだ先が長いわけで、1つ上がったくらいでは喜べない、というところか。奨励会は恐ろしい世界だと改めて思う。
そのS君に教えていただくことにする。時刻はまだ3時50分だが、10分は大目に見てもらおう。
和室には常連の女性がいて、Og氏が教えていた。さらにHon氏、Taga氏、Kom姉・弟らの姿があった。
そちらがいっぱいなので、私たちは洋間で指す。盤に対峙したが、S君が動かない。私が「王」を取るのを待っているらしい。奨励会員はほぼプロだから、堂々と「王」を据えればいいと思う。
私の先手で、▲2六歩△3四歩の出だしから横歩取りとなった。アマチュア時代のS君は、対振り飛車は居飛車穴熊、相居飛車は矢倉を得意としていたが、S君のセンスのよい指し回しは、急戦将棋にこそ光ると思っていた。そのS君が横歩取りの将棋を指し始めたのだから、これはもう鬼に金棒だ。

第1図以下の指し手。△8六歩▲同歩△同飛▲3五歩△8五飛(第2図)

第1図からS君は△8六歩と合わせ、△8五飛と引く。

第2図以下の指し手。▲7五歩△7四歩(途中図)

▲8六歩△7五飛▲7六歩△2五歩(第3図)

4時過ぎにKaz氏が来た。彼が「4時から男」とは珍しい。しかしまだW氏は戻っていないので、手合いが付けられない。
局面。よく分からないが、私は▲7五歩。これにS君が熟考して△7四歩。その4手後は△2五歩と打った。いかにもプロっぽい手で、私は感心してしまった。
その第3図で私は▲2五同飛と取ったのだが、失着。▲3六飛と寄るべきだった。
本譜は以下も難しい局面が続いたのだが、私が駒損になり、やや不利な局面で第4図。

第4図以下の指し手。▲3六角△2八歩成▲5四角△同歩▲4八銀△2七角▲7四歩△4九角成(投了図)
まで、S奨励会5級の勝ち。

私は秒に追われて▲3六角と打ったのだが、S君に涼しい顔で△2八歩成とされ、クサッタ。
私は飛車を取ったものの、次に▲2八銀は△5五角があり、不可。仕方なく▲4八銀と上がったが、そこで△2九とと駒得するS君ではなく、△2七角と据えた。
△3八とを守る術もないので私は▲7四歩だが、S君に△4九角成(ウッカリ)とされ、投了。何ともひどい結果になってしまった。

「難しかったと思いました」
とS君。しかし勝者は敗者を慮るので、この感想はアテにはならない。
早い終局に、大野七段とOg氏が意外そうな顔をする。
まだ難しかったでしょう、と大野七段。「(△5四の)飛車を取ってもしょうがない」。
私が(第4図で)▲4六桂でしたか、と聞くと、それでいいでしょう、と大野七段。
たしかに▲4六桂は△5五角も防ぐ一石二鳥の手で私も第一感だったのだが、打ったあとこの桂がややボケると思い、指し切れなかった。
しかしこの桂は後に▲3四桂と跳べる。十分に働いていたのだ。
ちなみに▲4六桂以下は△2四飛▲3八金△2八歩成▲同銀△2七歩▲同銀△6四飛で、次に△4九銀がS君の狙い。
これは下手がおもしろくなさそうなので、△2七歩には▲3七銀と躱す。
そこでS君は△2八銀を示したが、▲2五歩(参考図)に動かなくなってしまった。

これなら下手もまずまずで、まあ実戦ではこうはならぬが、本譜があまりにもアホすぎた。もう少しS君を困らせたかったのだが、これが私の実力である。
横歩取りを指したのは久しぶりだったが、読みの時間は楽しかったので、それで佳しとしよう。
(つづく)
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