一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

冬の北海道旅行2018・5

2018-02-22 00:14:10 | 旅行記・北海道編
(17日のつづき)
バスがオレンジのクルマを踏み潰しても、バスは何ともなかった。
???
…オレンジのそれは、制限続度の数字だった。半分寝ぼけていて、見間違えたのだ。
「すみません…」
大変な醜態を晒してしまい、私は周りの乗客に謝る。みなは、おかしな乗客がいる、と訝ったことだろう。
幌加内(交流プラザ)には、定刻より3分早い12時49分に着いた。ここで乗り換えとなるが、乗客は私を含めて5人だった。ただし名寄までのバス車両は変わらず、このまま座ってよい。料金も通しで大丈夫だ。
私は運転手さんに、プラザ内の蕎麦屋に入ることを断った。
「食べる時間はあるね」
了承は得たが、蕎麦屋は準備中だった。何とそばが完売し、「現在追い打ち中」の貼り紙が出ていた。深名線バスの楽しみのひとつがここのそばだったのに、何てこった。
2階にはJR深名線の資料館もあるが、土・日は休み。休みの時ほど開放すべきなのに、関係者は何を考えているのだろう。
私は運転手さんに先ほどの醜態を謝り、13時02分、発車。乗客は私のほかに旅行の男性が1人だけだった。
13時25分、ルオント前着。ここのせいわ温泉もルーティーンのひとつで、私は下車した(1,370円)。残された彼は、名寄市内まで一人であろう。
早速施設に向かうが、アプローチの雪の量がすごい。雪山があっちこっちにできていて、これだけのドカ雪は初体験だ。ただし寒さは思ったほどではない。
施設に入り、まずは館内の蕎麦屋「そばの里」に入る。これもルーティーンだが、考えてみればさっきは菓子パンを食べていたし、幌加内でそばを食べていたら、もうお腹がくちくなっていたかもしれない。
例年通り「おろしそば」を頼む。そばは香り高く、美味かった(750円)。
すぐに温泉に入りたいが、私は引き返し、第三雨竜川橋梁に向かう。もちろんルーティーンだ。
現地に着く。さっき車内からチラッと見えたが、やはり雪が多かった。しかし橋梁の鮮やかなグリーンは健在だ。
私が現役時代のJR深名線に乗ったのは名寄発16時の列車で、あの時は車窓の景色より、地元住民と語り合う車掌さんの印象のほうが強かった。でもあの時、もっとじっくり車窓を味わっておくべきだったと思う。道路側から線路を見ても、虚しいだけだ。


▲2017年

▲2018年

ルオントに戻り、やっと温泉である(500円)。前日はシャワーを浴びなかったので、ちょうどよい。
3連休の初日だからか、客は10人ぐらいいて、多かった。
体を洗うべく洗い場に座るが、鏡に映る私の頭髪が、かなり薄くなっているのに愕然とした。
いままでは後頭部の薄さに気を取られていたのだが、前方も相当ヤバくなっている。完全にスキを衝かれた形で、どうしてこちらも毛生え薬を付けなかったのかと後悔する。惨状が顕著になって初めて、事の重大さに気付く。私はいつもそのパターンだ。
体と頭を洗って湯船につかったが、回数を重ねて入るには、間が持たないことが判明した。
ひげ剃り、体、頭と、入浴の合間に少しずつやればよかった。
表の露天風呂につかったが、この冷気では湯もぬるい。それでも、変わり風呂「どくだみ湯」など数種の温泉を楽しみ、それなりに満足した。
休憩室で冷茶を飲みながら、東横インのHPを見る。翌11日(日)は「旭川駅東口」に空きがあり、しかも3,456円という安さだった。
旭川では例年「Compa3.7」というネットカフェを利用するのだが、どうも会員カードを紛失したようで、何となく利用しにくい。系列店の会員カードは携行したが、昨年はあまりいい顔をされなかった。とはいえここで東横インに予約を入れてしまうと、今年はCompa3.7を利用できないが、どうするか。
しかし3,456円という安さには勝てず、私は旭川東口に予約を入れた。なお、東横インは有料ビデオも500円と安く、今回は合わせて申し込んだ。
これで12日までの宿がすべて決まった。結果的に今回は、楽天トラベルを利用しなかった。
ルオントを出てバスの待合室に入る。ここはBGMが流れていて、妙に落ち着くのだ。
私は復路、すなわち13日(火)の飛行機の時間も考える。当初は早い時間に帰るつもりだったが、同じ1日なら夜に帰ったほうがよい。最終便とその2本前に株主優待券利用可の空きがあったので、21時発のANA便を予約した。
ひとつ気になったのは、これがAIR DOとの共同便であったこと。ANAの機内誌が読めないのは残念だが、仕方ない。
ところがこの便の選択が、あとでとんでもない悲劇を生もうとは、この時の私は知るよしもなかった。

名寄行きのバスは定刻を1分遅れの16時16分に到着した。この雪山を、わずか1分の遅れである。日本のバスダイヤは、鉄道に劣らず優れている。
乗車すると、客は私ひとりだった。これも毎年のこととはいえ、さびしい。
バスは静かに走り、16時49分、朱鞠内着。ここはかつてのJR深名線の主要駅で、廃線時は駅舎も保存されたが、その数年後不審火に遭い、焼失してしまった。現在はシャレた建物がバス待合室となっている。
しかし乗客はおらず、すぐに発車した。
なお、今年はバス備え付けの時刻表が新装され、各停留所が記されて、便利になった。
バスは、まどか前を通る。深名線沿線は大自然を堪能できるが、ここから先、エンジン橋、母子里バス停までの風景が白眉だ。
私はまさに今、そこを通っている。眼下に雪景色が広がり、目を瞠る。貸し切りバス状態で優越感に浸れるが、横に彼女がいたら、もっと楽しいだろう。ただし、彼女がこのバスに付き合ってくれるかどうかは疑問だが。
辺りは徐々に暗くなり、白と黒の世界になった。人家もなく、よく運転手さんは道を間違えないものだと思う。
運転手さんは時折本部と無線のやりとりをして、道路状態を報告し合っていた。
すっかり暗くなって、17時53分、私は名寄のひとつ手前の「西3条南6丁目」で降りた。貸し切りで1,330円は、驚くべき安さであった。
今日最後に向かうは、南広場で行われる、「第66回なよろ雪質日本一フェスティバル」である。
この雪まつりは世界各国の手練れが雪像を造るのだが、その作品が知的で素晴らしい。芸術性を加味すると、ここ名寄の雪像が日本一と思えるのだ。
南広場に入ると、その作品群があった。今年も素晴らしい出来映えに違いないが、会場に客が少ない。
ステージでは、椅子取りゲームが始まらんとしていた。しかし参加者は集まるのだろうか。
(つづく)
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