一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

1年ぶりの魚百・3

2018-11-22 01:08:18 | 将棋ペンクラブ

第6図以下の指し手。▲5三銀△7一玉(投了図)
まで、一公の勝ち。

第6図では、▲7三銀△7一玉▲8二銀成△同玉▲7三銀くらいで、後手玉は詰み。ところが青年は▲5三銀と、こちら側から王手した。しかしこれは△7一玉で詰まない。実戦は青年がここで投了した。

「▲7三銀で詰みでしょう」
私はすぐに口を開く。
「▲5三銀か▲7三銀か分かりませんでした」
試しに▲7三銀で進めてみると、△7一玉▲7二銀打△同飛▲同銀成△同玉▲8四桂△8二玉▲8三飛(参考1図)以下の別解もあった。

彼は勉強熱心なようで、序盤から感想戦となった。もし自分が負けていたらバカらしくてやってられないが、ここはお付き合いするよりない。
しかし感想戦をやると、お互いの読みの相違が分かって面白い。ただハッキリ疑問手の烙印を捺されたのは中盤の▲2三金で、ここは▲2三歩でよかったようだ。
その後は私の△6二玉が悪手で、すぐに△7七銀成▲同桂△6六歩とする手が優ったようだ。ただしこれも、どこかで▲6四桂△同金▲7三銀(参考2図)のような狙いがあり、後手は容易ではない。ならば私はどこでおかしくしたのだろう。

いずれにしても私にとって薄氷の勝利だった。ま、たまにはこんなことがあってもいいだろう。

時刻は午後4時を回った。三上-Ohh戦は、左美濃VS振り飛車穴熊。木村晋介会長-青年B戦は、会長の三間飛車に青年の玉頭位取り。星野-Kan戦は、振り飛車対居飛車だが、星野氏の攻めが切れている。

第1図から、▲5四桂△3一歩▲4二桂成△5六桂▲同銀△4二馬▲2六竜△1五馬(第2図)と進む。Kan氏はどこかで▲5八金とやれば安全勝ちだったが、そう指さない。

本譜は△1五馬までと進んで、これは気分的に後手の逆転模様なのだが、数手後星野氏が△7九金と、遊び金を活用しようとしたのが敗着。▲5八金と攻めの足掛かりを外され、終わった。後手はこの歩が生きているうちに、△5九飛とかしたかった。
木村-青年B戦は、会長の▲5六銀が中央で殺されそうである。そこは何とか凌いだようだったが、青年の△8四角が敵陣によく利いており、そこで△4八歩が美濃崩しの手筋。
▲3九金に△5九飛と下ろし、△3九飛成。「あ、そうかそうか」と木村会長は事の重大さに気付いたが、遅かった。▲3九同玉△4九歩成まで、木村会長の投了となった。
星野-Kan戦は、Kan氏の勝ち。星野氏は終盤追い上げて勝ちになったのに、皮肉にも遊び駒を活用した手が裏目に出た。
私は先ほどの勝利で味がいいので、部屋の隅っこでしばらく休む。戻ると、私と対局した青年A氏は三上氏と戦っていたが、これが角換わりである。どうも青年A氏、この戦法が好きみたいだ。今、金頭に▲7五歩と叩き、三上氏が「イタタタ……」とか言っている。
星野氏は青年B氏と戦っている。またもや駒損の攻めで切れそうだが、何とか攻めを繋いでいる。
なお魚百のスタッフ嬢が来て言うには、今日は向かいの支店に来てください、とのことだった。
星野-青年B戦がおもしろいことになっていた。またも星野氏が切れ模様だったが、例によって細い攻めを繋げていた。

第1図から△5五歩が好手。▲同銀ならむろん△4五角だ。よって青年B氏は▲7七歩と催促したが、そこで△4九角がまた鋭い。青年B氏は▲5九歩(第2図)と受ける。しかしこれは先手玉が寄りそうだ。
ところが……。

第2図以下の指し手。△5八角成▲同歩△6七金打▲6九玉△5六歩▲6八歩

星野氏は△5八角成と切ったが、逸機。△6七金打に▲6九玉と落ちられ、寄りづらくなってしまった。
戻って第2図では△5六歩があった。▲7六歩にはそこで△5八角成で、▲同歩は△6七金▲6九玉△6八銀で詰み。
こりゃダメだと三上-青年A戦に目を転じると、三上氏が勝ったようだった。あの将棋を勝ったのか! ちょっと前に戻してもらうと、▲8九玉に対して、△6九の角で△8七角成とし、▲同金△同飛成▲8八金△7七桂まで、三上氏が勝ったらしい。先手は2八に飛車がいたが、関係なかったようだ。
それにしても三上氏の強さよ。あの年齢で角換わりの激しい将棋を指し、それで攻め勝つとは将棋が若い。
星野-青年B戦に戻る。明らかに青年B氏の勝勢だったが、彼がヒョイと▲9六香を走ったのが大悪手。すかさず星野氏が△9九銀(第3図)と縛り、典型的な必至になってしまった。
ところが……。

第3図以下の指し手。▲9二金△同香▲同香成△同玉▲9六飛△9五歩▲9九飛△6八金▲8八玉(第4図)

青年B氏は投げず、▲9二金。さっぱり狙いが分からなかったが、4手後に▲9六飛と回った。なるほど手はあるものだ。だがこれは△9三香でよい。▲同飛成は△同桂で後手勝ち。また▲9九飛も△同香成で、2度目の必至だ。
然るに星野氏は△9五歩! これは▲9九飛で、勝敗が逆転してしまった。
星野氏、指し手の乱高下が激しすぎて、強いんだか弱いんだか分からない。

将棋は青年A氏の勝ちに終わり、私は△9三香の変化を述べる。
「あ、香があった!?」
と星野氏。直前に香が入ったことをうっかりしていたようだ。
時刻は午後5時をとうに過ぎており、残りの1局も終わったところで、将棋会はお開き。いよいよ飲み会である。
(つづく)
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