一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

3年振りの、冬の北海道旅行・5

2023-12-09 00:18:27 | 旅行記・北海道編
深名線バスは、始発の名寄駅前から2つめの停留所に、市立病院前がある。少しでも名寄から離れたほうが、バス代の節約になる。そしてその病院が、セイコーマートから引き返した左手にある気がするのだが、もし深名線がその道を通らなかったからアウトだ。
私は西3条南6丁目のバス停まで戻ったが、時刻はまだ8時30分にもなっていない。深名線の深川行きは08時53分である。あまりにも寒いので、よろーなに戻った。
暖房が利いた待合室で、おにぎりを頬張る。これはこれで贅沢な朝食である。
深名線代替バスが来た。しかし車体は前回と同じくステンレス製で、JR仕様ではない。これでは旅の楽しみが半減だが、しょうがない。
乗車したが、客は私だけだった。私はバス回数券を2冊買う、これで、2,000円で2,200円分乗れるのである。
深名線バスの楽しみは、雪山の景色と、その過疎っぷりである。ヒトがいないということは、ある意味贅沢な旅ということだ。むかしの札沼線もそうだったが、バスを貸し切ったと思えば気分がいい。
途中でおっちゃんがひとり乗ったが、すぐ降りてしまった。バスは山奥をコトコト走る。この沿線を列車で味わえたら最高だったが、この過疎っぷりでは廃止もやむを得ない。
深名線の主要駅があった朱鞠内を通過した。この後私は政和で降り、政和簡易郵便局で貯金をするつもりである。そこは以前も貯金をしたことがあり、原則的には同じ郵便局で貯金はしないのだが、何事にも例外はある。
私はリュックからスマホを取り出し、繰ってみる。
10時29分、政和で降りた。旅行と思しき若い女性2人と入れ替わる形になったが、彼女たちはここらで何をしていたのだろう。
バスを見送り、もしいまのバスにスマホを置き忘れたら、大変なことになるだろうなと思った。
私は、バス停に隣接している建物の裏側に回る。そこに郵便局があるのだ。ところがそこに、貼り紙があった。「政和簡易郵便局休業のお知らせ」とあり、それが2月13日(月)から3月10日(金)までとなっていた。



郵便局が休業するとは初耳で、私はあんぐりである。しかもそれがきょうからとは、何とツイてない。今朝のすき家もそうだったが、またきょうも予定通り行っていない。
……あれ? あれ!? スマホがない!! あっ!? さっきバスの中に置いてきちゃった?? そうか、スマホをリュックから取り出して見たとき、そのまま座席に置いてしまったのだ!
さっきのバスは終点深川まで行く。電話をすれば、どこかで受け取れるのだろうか?
いずれにしても、ここにいてもしょうがない。せいわ温泉ルオントまでは徒歩圏内である。ゆっくり歩いて、30分くらいでルオントに着いた。だが、自動ドアのところに、またも貼り紙があった。
な、なにイ!? なんと、せいわ温泉ルオントも、改修工事で休みだった。
ルオントは3年前に来たときも、改修工事で休みだった。ここは年中工事をしているのか!? 工事好きなのか?!
まったく、今回の旅行はすべてにおいてうまくいかず、自己嫌悪に陥るばかりだ。
ただ、ルオントは「そばの里」などの店舗は営業していたので、そのまま入る。とりあえずはJR北海道バス深川営業所に電話をしなければならないが、肝心の公衆電話がない。
私はスタッフさんに工事の文句を言い、公衆電話のありかを聞く。するとそれはやはりなく、レジ横の電話を貸してくれた。電話だって利用すればおカネはかかるから、そこを無償で使わせてくれたことには、感謝の2文字である。
深川営業所には繋がり、私は事情を説明したが、そこまでである。
ところがしばらくすると、折り返しの電話がきた。今走行中のバスに私のスマホが確認できたそうで、それを私が深川の営業所まで取りに行くことになった。日本人の親切が身に染みるが、私は今日中に旭川空港から帰京しなければならない。果たして間に合うのだろうか。
このあとのバスは14時36分で、あり余るほど時間がある。とりあえず、そばの里でブランチである。
ここへ来れば「おろしそば」が定番で、それを頼む。出てきたそれは、以前より見た目が豪華になった気がした。
幌加内のそばは味が濃く、本当のそば好きには堪らないと思う。今回も美味しくいただいた。
このままルオントを後にしてもいいのだが、電話の件でお世話になったので、そば粉が入っているカップアイス「いつもそばに」(300円)も購入した。
バスの待合室で「そばにいるよ」を食べる。ここでバス待ちをするのが至福の時間なのだが、今回はあらゆる意味で落ち着かない。帰京する前にスマホを取り返すという、大仕事ができてしまったからだ。
「いつもそばに」は、さっぱりした味で、美味かった。
ここから幌加内方面の郵便局に徒歩で行くには、距離がありすぎる。とりあえず南下し、深名線第3雨竜川橋梁を訪ねた。橋梁は今年も健在だった。このあたりも積雪は少なく、例年より橋梁がよく見える。





待合室に戻ると、本当にもう、やることがなかった。私はボーッとするのみだが、ここで今後の人生を考えるとか、有意義なことをするか否かが、デキル人とできない人の差なのだろう。私は明確に後者、できない人だった。
しかしなんだなあ。結果論をあえて書くが、せいわ温泉が改修中なのが分かっていたら、それこそ留萌本線に乗るとか、旧十津川駅跡を訪ねるとか、いくらでも代替案はあった。それを怠った私が悪いのだが、何においても、下調べは大事だということだ。
定刻を1分遅れ、幌加内(深川)行きのバスが来た。乗る間際に私は「1本前のバスにスマホを忘れてしまった者ですけど」と言った。
(つづく)
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