(1月13日のつづき)
今回の旅の日程は、2月11日(土・祝)~13日(月)。準備を完了し、11日朝、いよいよ出発である。
そのとき、リュックにビデオカメラを入れていくかどうか迷った。旅では少しでも荷物を減らすのが鉄則で、できれば持っていきたくない。それで置いていくことにしたが、たぶん後になって後悔することになるだろうと思った。
07時26分の山手線に乗る。早朝の休日だから乗客はあまりおらず、余裕で座れた。向かいの席の中央には、若者がどっかと座り、脚を組んでいる。次の駅で別の乗客が彼の右に座ったが、中央の彼はその態度を崩さず、席をズラさなかった。
品川から京急に乗り、羽田空港第2ターミナルに着く。いまはスマホから事前登録を行う。私はケータイの類は嫌いなほうだが、いまや生活に欠かせなくなってしまった。
手荷物検査場はリニューアルされていて、荷物入れは大きなトレーになっていた。何か外国の空港を想起させた。
ANA55便に搭乗し、無事離陸。約1時間半で新千歳空港に着いた。ここから快速エアポートに乗り換えた。ここでちょっとびっくりである。なんと、札幌までの乗車料金が1,150円に上がっていた。
以前は1,070円だったと思う。JR北海道もコロナ禍の直撃を受け、乗客が激減した。やむを得ぬ値上げで、これは仕方ない。
車内はまあまあの混み具合だった。ただ、外国人の比率は低い。中国からの団体旅行は2月現在も見送っているが、3年前はフリーだった。このとき中国からの団体客が日本人にコロナを移したのは必定で、それで命を落とした日本人も少なくないはずだ。政府の甘い判断が悔やまれる。
列車は、定刻を1分遅れの11時33分に、札幌に着いた。ここで初めて、北海道に来た実感が湧いた。
私は珍しく地上を通り、札幌時計台に向かった。その場所に行ったら必ず訪れるお約束の地があり、時計台もその一つである。今年も優美な姿だった。
札幌はもちろん寒い。しかし地面はアスファルトがところどころ剥き出ている。東京の冬がかなり寒かったこともあり、札幌はむしろ暖かいと感じるくらいであった。
ハス向かいの北海道新聞社に向かう。壁には今朝の朝刊が掲出されている。王位戦観戦記は渡辺明名人VS横山泰明七段の、リーグ入りの一戦である。観戦記者は小池大志氏。
そのまま大通公園に向かう。大通公園には、大雪像がそびえていた。「第73回さっぽろ雪まつり」で、実に33回目のお邪魔である。3年ぶりで、懐かしい。
そのまま西へ歩いていく。6丁目の市民の広場で公式ガイドをいただく。ちなみに飲食コーナーは縮小されており、飲食できるのはここだけである。
ガイドを繰ると、各丁目でのイベントがほとんどないのに愕然とした。陸上自衛隊11個師団のコンサートや、Natsuki&BRIGHTのライブがない! 雪まつりの類はイベントが命で、これじゃあ、楽しさ半減である。
そのまま歩を進めるが、なんとなく雪像の数が少ない。以前はもっとワチャワチャあったような気がする。それと、大雪像の作りこみも浅い気がする。自衛隊も、そこまで力を入れてられないのだろうか。
そんな中、7丁目大雪像は「ナイチンゲール家の別荘」、8丁目は「豊平館」で、まずまず力が入っていた。
12丁目まで行き、そのまま札幌資料館に入る。ミニギャラリーの小部屋もさびしく、ゆきみどりの部屋はない。乞望先生のほほえみ地蔵展もなくなり、今年は地元の小学生の展示物もなかった。あるのは写真展やイラスト展の類で、これはこれで楽しいのだろうが、どうも例年と勝手が違う。これはコロナ禍での開催につき規模が縮小されているのか、それともこれがコロナ禍後の定着した姿なのだろうか。
さて、昼食である。以前大通り沿いのビル2階にある寿司屋で食べた寿司が旨かった。その店を目指したが、見つからない。それで別の寿司屋に入ったが、満席で断られた。
しょうがないので、いつものデパートの1階の「しらん」で昼食とする。
だが、もりそばが380円から450円に値上げされていた。大盛りも100円から120円に値上げされていた。
まあいい、お腹もすいているので、大もりそばとした。
そば猪口につゆが入っているのに、そば徳利にもつゆが入っているのが、北海道ではよく見る方式。そばはもちろん、美味かった。
ちょっとルートを外れ、南3条の「まんだらけ」に向かう。ここにはヴィンテージものの漫画誌や単行本が置いてあり―それは東京のまんだらけにもあるのだが―、旅先の癒しとして必ず訪れている。今回は購入はしなかったが、佳き中休みとなった。
ちょっと早いが、小樽に向かおうと思う。地下街を通ると、いろいろなイベントをやっていた。「Local Creators' Exhibition」は、地元の学生による映像作品の展示会だ。じっくり鑑賞したいが、時間がないので小樽に急ぐ。
札幌から函館本線の手稲行きに乗った。小樽に行くにはこのあとの快速を待てばいいのだが、温かい列車に乗りたかった。
その小樽へは750円で、これまたけっこうな値上げだ。以前は500円台だった気がするが、ああ3年前に北海道に来たときは道内フリーきっぷを使ったから、路線別の料金は関知しなかった。だからそのころから値上げしていた可能性もある。
手稲で快速エアポートに乗り換え、2分遅れの15時19分、南小樽で下車した。ここからメルヘン交差点に向かうのが定跡だが、駅前の「砂場」でもりそばを食すのもそのひとつである。
だがその砂場が休みだった。これは夜営業までの中休みなのか、それとも定休日なのか。いずれにしても、きょうは予定がことごとく潰れている。
メルヘン交差点に着いたが、ここも道路のアスファルトが剥き出しになっていた。やはり雪が少ないのだ。世界の温暖化はいよいよマズイことになっているのかもしれいない。
堺町通りをぶらぶら歩く。むかしなら北一硝子の類に入ったが、購入はあまりしないので、最近では入らなくなってしまった。
といってスイーツ店に入ってもしょうがない。「ラーメンみそら」がある。そこの「味噌らーめん」が、「噌味らーめん」と書かれている。手書きなので意図的だろうが、入るのを躊躇う。
やっぱり「万次郎」に入ってしまった。この店は海鮮モノより定食モノが美味い印象があり、今回は豚焼肉定食を頼んだ。800円だが、食べ応え十分だった。
さて、いよいよ小樽運河である。運河のたもとの定番撮影スポットに行くと、まだ観光客はまばらだった。それも道理で、まだ空が明るすぎる。
付近にパイロンやコーンバーが散見される。とりあえず運河の写真を撮ると、あたりが封鎖されてしまった。これはなんだ……!?
(つづく)
今回の旅の日程は、2月11日(土・祝)~13日(月)。準備を完了し、11日朝、いよいよ出発である。
そのとき、リュックにビデオカメラを入れていくかどうか迷った。旅では少しでも荷物を減らすのが鉄則で、できれば持っていきたくない。それで置いていくことにしたが、たぶん後になって後悔することになるだろうと思った。
07時26分の山手線に乗る。早朝の休日だから乗客はあまりおらず、余裕で座れた。向かいの席の中央には、若者がどっかと座り、脚を組んでいる。次の駅で別の乗客が彼の右に座ったが、中央の彼はその態度を崩さず、席をズラさなかった。
品川から京急に乗り、羽田空港第2ターミナルに着く。いまはスマホから事前登録を行う。私はケータイの類は嫌いなほうだが、いまや生活に欠かせなくなってしまった。
手荷物検査場はリニューアルされていて、荷物入れは大きなトレーになっていた。何か外国の空港を想起させた。
ANA55便に搭乗し、無事離陸。約1時間半で新千歳空港に着いた。ここから快速エアポートに乗り換えた。ここでちょっとびっくりである。なんと、札幌までの乗車料金が1,150円に上がっていた。
以前は1,070円だったと思う。JR北海道もコロナ禍の直撃を受け、乗客が激減した。やむを得ぬ値上げで、これは仕方ない。
車内はまあまあの混み具合だった。ただ、外国人の比率は低い。中国からの団体旅行は2月現在も見送っているが、3年前はフリーだった。このとき中国からの団体客が日本人にコロナを移したのは必定で、それで命を落とした日本人も少なくないはずだ。政府の甘い判断が悔やまれる。
列車は、定刻を1分遅れの11時33分に、札幌に着いた。ここで初めて、北海道に来た実感が湧いた。
私は珍しく地上を通り、札幌時計台に向かった。その場所に行ったら必ず訪れるお約束の地があり、時計台もその一つである。今年も優美な姿だった。
札幌はもちろん寒い。しかし地面はアスファルトがところどころ剥き出ている。東京の冬がかなり寒かったこともあり、札幌はむしろ暖かいと感じるくらいであった。
ハス向かいの北海道新聞社に向かう。壁には今朝の朝刊が掲出されている。王位戦観戦記は渡辺明名人VS横山泰明七段の、リーグ入りの一戦である。観戦記者は小池大志氏。
そのまま大通公園に向かう。大通公園には、大雪像がそびえていた。「第73回さっぽろ雪まつり」で、実に33回目のお邪魔である。3年ぶりで、懐かしい。
そのまま西へ歩いていく。6丁目の市民の広場で公式ガイドをいただく。ちなみに飲食コーナーは縮小されており、飲食できるのはここだけである。
ガイドを繰ると、各丁目でのイベントがほとんどないのに愕然とした。陸上自衛隊11個師団のコンサートや、Natsuki&BRIGHTのライブがない! 雪まつりの類はイベントが命で、これじゃあ、楽しさ半減である。
そのまま歩を進めるが、なんとなく雪像の数が少ない。以前はもっとワチャワチャあったような気がする。それと、大雪像の作りこみも浅い気がする。自衛隊も、そこまで力を入れてられないのだろうか。
そんな中、7丁目大雪像は「ナイチンゲール家の別荘」、8丁目は「豊平館」で、まずまず力が入っていた。
12丁目まで行き、そのまま札幌資料館に入る。ミニギャラリーの小部屋もさびしく、ゆきみどりの部屋はない。乞望先生のほほえみ地蔵展もなくなり、今年は地元の小学生の展示物もなかった。あるのは写真展やイラスト展の類で、これはこれで楽しいのだろうが、どうも例年と勝手が違う。これはコロナ禍での開催につき規模が縮小されているのか、それともこれがコロナ禍後の定着した姿なのだろうか。
さて、昼食である。以前大通り沿いのビル2階にある寿司屋で食べた寿司が旨かった。その店を目指したが、見つからない。それで別の寿司屋に入ったが、満席で断られた。
しょうがないので、いつものデパートの1階の「しらん」で昼食とする。
だが、もりそばが380円から450円に値上げされていた。大盛りも100円から120円に値上げされていた。
まあいい、お腹もすいているので、大もりそばとした。
そば猪口につゆが入っているのに、そば徳利にもつゆが入っているのが、北海道ではよく見る方式。そばはもちろん、美味かった。
ちょっとルートを外れ、南3条の「まんだらけ」に向かう。ここにはヴィンテージものの漫画誌や単行本が置いてあり―それは東京のまんだらけにもあるのだが―、旅先の癒しとして必ず訪れている。今回は購入はしなかったが、佳き中休みとなった。
ちょっと早いが、小樽に向かおうと思う。地下街を通ると、いろいろなイベントをやっていた。「Local Creators' Exhibition」は、地元の学生による映像作品の展示会だ。じっくり鑑賞したいが、時間がないので小樽に急ぐ。
札幌から函館本線の手稲行きに乗った。小樽に行くにはこのあとの快速を待てばいいのだが、温かい列車に乗りたかった。
その小樽へは750円で、これまたけっこうな値上げだ。以前は500円台だった気がするが、ああ3年前に北海道に来たときは道内フリーきっぷを使ったから、路線別の料金は関知しなかった。だからそのころから値上げしていた可能性もある。
手稲で快速エアポートに乗り換え、2分遅れの15時19分、南小樽で下車した。ここからメルヘン交差点に向かうのが定跡だが、駅前の「砂場」でもりそばを食すのもそのひとつである。
だがその砂場が休みだった。これは夜営業までの中休みなのか、それとも定休日なのか。いずれにしても、きょうは予定がことごとく潰れている。
メルヘン交差点に着いたが、ここも道路のアスファルトが剥き出しになっていた。やはり雪が少ないのだ。世界の温暖化はいよいよマズイことになっているのかもしれいない。
堺町通りをぶらぶら歩く。むかしなら北一硝子の類に入ったが、購入はあまりしないので、最近では入らなくなってしまった。
といってスイーツ店に入ってもしょうがない。「ラーメンみそら」がある。そこの「味噌らーめん」が、「噌味らーめん」と書かれている。手書きなので意図的だろうが、入るのを躊躇う。
やっぱり「万次郎」に入ってしまった。この店は海鮮モノより定食モノが美味い印象があり、今回は豚焼肉定食を頼んだ。800円だが、食べ応え十分だった。
さて、いよいよ小樽運河である。運河のたもとの定番撮影スポットに行くと、まだ観光客はまばらだった。それも道理で、まだ空が明るすぎる。
付近にパイロンやコーンバーが散見される。とりあえず運河の写真を撮ると、あたりが封鎖されてしまった。これはなんだ……!?
(つづく)