2011年9月16日、LPSA芝浦サロンで、中井広恵女流六段に教えていただいた将棋を振り返る。
中井女流六段が指導対局に登板するのは珍しいが、この週の月曜日に行われた「マンデーレッスンS」でも中井女流六段は担当していた。私はそちらには行かず、16日を選択した。芝浦サロンでは初のお手合わせとなる。
当日は午後3時に仕事を切り上げ、芝浦に向かった。今は仕事が立て込んでいるのでこんな無理はできないが、4年前はそんなに忙しくなかった。
入室すると中井女流六段は6面指しの真っ最中だった。さすがの人気である。いつものメンバーが揃い、Sug夫妻の顔もあった。
中井女流六段に教えていただく前に、私はKus氏、Tod氏と対局をした。いずれも私の駒落ち上手で、両局とも負け将棋だったが、終盤でうっちゃった。
今なら書いてもいいと思うが、ここで植山悦行七段が久しぶりに顔を見せた。たぶん芝浦サロン初見参で、金曜サロンの雰囲気になり、懐かしかった。
私は中井女流六段との対局になった。それまでの中井女流六段との戦績は、最初の2局を角落ちでお願いして1勝1敗。香落ちに昇格して1勝し、待望の平手となった。しかし大豪との平手はさすがに分が悪く、9局指して私の1勝8敗だった。
今回は同年4月の「信濃わらび将棋合宿」以来の指導対局となる。同合宿は中井女流六段の主催で、植山悦行七段、大野八一雄七段協力のもと毎年11月に行われていた。この年は4月にもあったのだ。私もこの頃がいちばん、将棋にのめり込んでいた。
「サイン勝負で、お願いします」
私は宣言する。
当時、指導対局で勝利すると、白扇(有料で5,000円)にサインがいただけるという、R氏発案の名物企画があった。サインはどなたからいただいてもうれしいが、中井女流六段からはゲットしにくく、千金の価値があったのは言うまでもない。
「何を指しますか?」
と中井女流六段。どんな戦型にしますか? という意味だ。何でも指せる中井女流六段ならではの言葉である。どうぞご自由に、と私は答えた。
将棋は私が三間飛車に振った。中井女流六段は「穴熊は指せないし…」とつぶやく。このセリフを読んで苦笑いした読者がいたら、その人はこのブログのマニアである。そう、このころの私は、精神的にヨレヨレだった。
私が▲7五歩と突き▲5九角と引く。▲7四歩を拒否して中井女流六段は△8四飛(第1図)。しかしこの形になれば、下手は指したい手がある。
第1図以下の指し手。▲9五角△9四飛▲9六歩△3一角▲7六飛△4三金▲7七桂△9五飛▲同歩△7八角(第2図)
私は▲9五角とのぞいた。△9四飛に▲9六歩として、これは下手がポイントを取ったのではないか。
▲7七桂に中井女流六段は△9五飛から△7八角。次に△8七角成を許しては下手まずい。ここでどう指すのがいいか。
(つづく)
中井女流六段が指導対局に登板するのは珍しいが、この週の月曜日に行われた「マンデーレッスンS」でも中井女流六段は担当していた。私はそちらには行かず、16日を選択した。芝浦サロンでは初のお手合わせとなる。
当日は午後3時に仕事を切り上げ、芝浦に向かった。今は仕事が立て込んでいるのでこんな無理はできないが、4年前はそんなに忙しくなかった。
入室すると中井女流六段は6面指しの真っ最中だった。さすがの人気である。いつものメンバーが揃い、Sug夫妻の顔もあった。
中井女流六段に教えていただく前に、私はKus氏、Tod氏と対局をした。いずれも私の駒落ち上手で、両局とも負け将棋だったが、終盤でうっちゃった。
今なら書いてもいいと思うが、ここで植山悦行七段が久しぶりに顔を見せた。たぶん芝浦サロン初見参で、金曜サロンの雰囲気になり、懐かしかった。
私は中井女流六段との対局になった。それまでの中井女流六段との戦績は、最初の2局を角落ちでお願いして1勝1敗。香落ちに昇格して1勝し、待望の平手となった。しかし大豪との平手はさすがに分が悪く、9局指して私の1勝8敗だった。
今回は同年4月の「信濃わらび将棋合宿」以来の指導対局となる。同合宿は中井女流六段の主催で、植山悦行七段、大野八一雄七段協力のもと毎年11月に行われていた。この年は4月にもあったのだ。私もこの頃がいちばん、将棋にのめり込んでいた。
「サイン勝負で、お願いします」
私は宣言する。
当時、指導対局で勝利すると、白扇(有料で5,000円)にサインがいただけるという、R氏発案の名物企画があった。サインはどなたからいただいてもうれしいが、中井女流六段からはゲットしにくく、千金の価値があったのは言うまでもない。
「何を指しますか?」
と中井女流六段。どんな戦型にしますか? という意味だ。何でも指せる中井女流六段ならではの言葉である。どうぞご自由に、と私は答えた。
将棋は私が三間飛車に振った。中井女流六段は「穴熊は指せないし…」とつぶやく。このセリフを読んで苦笑いした読者がいたら、その人はこのブログのマニアである。そう、このころの私は、精神的にヨレヨレだった。
私が▲7五歩と突き▲5九角と引く。▲7四歩を拒否して中井女流六段は△8四飛(第1図)。しかしこの形になれば、下手は指したい手がある。
第1図以下の指し手。▲9五角△9四飛▲9六歩△3一角▲7六飛△4三金▲7七桂△9五飛▲同歩△7八角(第2図)
私は▲9五角とのぞいた。△9四飛に▲9六歩として、これは下手がポイントを取ったのではないか。
▲7七桂に中井女流六段は△9五飛から△7八角。次に△8七角成を許しては下手まずい。ここでどう指すのがいいか。
(つづく)