アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

H.オーグラー著『アドラー心理学入門』シリーズの第22回目。

今日からは、第3部「個人心理学の実際的応用」に入り、今回は第1章の「教育」(全部で32ページ)の、その1回目です。

まずは、アドラー心理学(この本では「個人心理学」)では、他の心理学とは違って実践(教育と治療)に重きが置かれていることが説かれます。

続いてH.オーグラーは、その点に関してアドラーに次の賛辞を贈ります。

彼(アドラー)は、人間の動機と努力のもつれ合った道を明るく照らし、闇に光をもたらした。

彼は、実践上の教えをこの知識 ― どうすれば我々は我々自身および我々の子どもたちのために誤った道を避けることができるか、またどうすれば我々は誤った道から積極的な人間性の道へ立ち戻ることができるかという知識 ― に基づいて説いた。

人びとのために実際的な援助を提供しようと努力して、彼は、新しい教育学、つまり治療教育学と心理療法を創り出した。

そして、ライフ・スタイルの形成に関して、遺伝的要因よりも、いわゆる自己決定性を重視するアドラーの考えを次のように記述しています。

子どもは、出来上がった性格特性を持って生まれてくるのではなくて、生得の能力を自分自身の創造力で発達させるのだ、という事実に関するアドラーの知識は、教育に新しい可能性を提供するものである。

個人心理学的教育の課題は、子どもを導いて、好ましい性格形成に必要な諸能力を発達させ、人生問題の正しく勇気ある解決に向けて備えさせることである。

別のところでは、親や教師のように子どもの教育に携わる人は、他人を正しく教育するための先行条件として「自己教育」を行い、また、理想的な教育者は、理解、慈愛、明朗さ、信頼性、忍耐力、とりわけ楽観主義を備え、子どもを、そもそも初めから、子ども自身の人生問題と取り組めるよう、次第に準備させなければならないことにも言及しています。

さらには、今までに述べた甘やかしや無視を回避して次の対応をすることを促します。

ちなみに、引用する言葉は、著者の有名な言葉で「愛と勇気づけの親子間関係セミナー(SMILE)」にもその前半部分を引用しています。

我々は、何としても、子どもが人生に対して敵意ある態度を身につけることを防がねばならない。そうした態度は、つねにその子どもの劣等感を深めることになるからである。

我々は、子どもを冷ややかに他人と比較してはならない。また、無器用だと言って冷やかしたり、笑ったり、あるいは非難したりしてはならない。無器用さは、勇気づけと訓練で直せることである。

ここでもまた最後には、楽観主義に基づき、勇気づけの対応が述べられています。
アドラー心理学らしいところですね。
 



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