付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「三千世界の鴉を殺し(16)」 津守時生

2012-10-06 | 超能力・超人・サイボーグ
 フェアファックス大統領から呼び出されたオスカーシュタイン大尉は、不承不承に大統領の私邸へと向かう。しかしそれは、バーミリオン政府中枢まで食い込んだ謎の敵によって孤立無援となった彼女が、O2の息子を巻き込もうと仕組んだ罠だった。
「たまには普通に外出し、何事もなく戻ってきたいと思う」
 それが宇宙軍の最強兵器というか、問題児の宿命だった。

 角川スニーカー文庫から刊行されていた、超能力SFというかスペースオペラな『喪神の碑』は本当に面白くて続きが楽しみだったのだけれど、その続編は約一世代後の話の『カレワンギ・サーガラ』で、こちらはファンタジー寄りの超能力SFでこれもなかなか面白かったわけです、そして、これが時を経て、またまた一世代後の物語としてスタートしたのが『三千世界の鴉を殺し』。
 ただ、気がつくとストーリーの進みよりも登場人物同士のやりとりに紙幅が割かれる量が増えていて、16巻になっても話はあまり進展していない気がします。水滸伝的に、一癖も二癖もある面々が集まって、やいのやいの言い合い絡み合うのを楽しむ話……かな?
 そして、やたらと女が強い。
 そりゃあ、戦闘になればマチズモな猛者たちの独断場だろうけれど、それ以外だとみんな女の尻に敷かれていま……あ、今回は強襲部隊の指揮も需品科のおねーさまか……。男連中の立つ瀬がない話。しかも、そんな女たちがことごとく腐っているわけで、兵士も警察官も看護師も、みんな腐っているのです。これが賄賂や薬物で腐敗しているというなら、まだ救いがありそうな……。

【三千世界の鴉を殺し】【津守時生】【麻々原絵里依】【ウイングス文庫】【カツ丼】【薄い本】【先祖返り】
コメント
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