付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「犬とハサミは使いよう Dog Ears2」 更伊俊介

2012-10-12 | 本屋・図書館・愛書家
「誰かの犠牲の上に立つ未来を、私は未来と呼ばない」
 自分は生まれてこの方、常にハサミと一心同体であったと夏野霧姫の言葉。

 5編の短編集。
 高校進学した妹・円香と彼女を取り巻く少女たちの物語『躓く犬も縁の端』が、このまま新シリーズのプロローグに使えそうな話で面白い。
 語り手が「自分は普通だけれど」と前置きして、普通ではない円香や名探偵のタマゴである空戸アリシアとの話を語るのだけれど、この短編集では再三再四「自分たちは普通と思って特に言及してこなかった」ことがどれだけ世間一般の常識と乖離しているかと繰り返されているので、案の定……ということです。
 この本で語られている「普通」が、他人から普通と認められるとは限らないというのは、大なり小なりあることですけどね。

【犬とハサミは使いよう】【Dog Ears】【更伊俊介】【鍋島テツヒロ】【ミステリ系不条理コメディ】【名探偵】【都市伝説】
コメント
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