付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ソードアート・オンライン8」 川原礫

2012-10-22 | VRMMO・ゲーム世界
「一人では何も背負えはしない」

 『ソードアート・オンライン』2冊目の中短編集。
 キリトとアスナが知り合った直後に発生した、奇妙な殺人事件の顛末を描いた「圏内事件」。
 伝説の聖剣を手に入れるため、キリトたちのパーティーが急襲をかける「キャリバー」。
 そして、最初の1日にキリトが何をしていたかを描いた「はじまりの日」。

 ファントム・バレット編以来、出番のなかったシノンが登場して、仲良くゲームしていて良かったねと安堵。NPC食堂でラーメン(のようなもの)をすする団長もステキだ。
 阿良々木ハーレムではないけれど、キリトの周囲もハーレム化していて大丈夫かと思わないでもありませんが、気のあった面々と「冒険行くぞ」で「おーっ!」と応えられる関係がRPGの醍醐味なんですよね……。

【ソードアート・オンライン】【マザーズ・ロザリオ】【川原礫】【abec】【電撃文庫】【MMORPG】【聖剣エクスキャリバー】【アースガルズ】【雷槌ミョルニル】【クエスト自動生成機能】【ヨツンヘイム】
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『MUTCON15』 2012.10/20-10/21

2012-10-22 | イベント・コンベンション
 名古屋ローカルのSFイベントは東京や大阪と比べてちょっと異色です。
 なにが異色かというと、同じ系統で続いているのです。東京や大阪なら無数の団体が誕生しては発展したり消えたりしながらイベントを開催していますが、もともとのプールが大きくない名古屋では、そういうことをしていたら何もイベントができません。そのため、当初は複数の団体があったものの、それが統合し、先輩から後輩、さらにその下へと引き継がれながらイベントが開催されています。
 なので、ダイナコンとかミューコンとかイベントの名前が変わりつつも会場は固定だし、運営スタッフも参加者もほとんど固定という、安定しているというかなんというかな状態だそうです。ですから、小中学生の姿もちらほら見えながらも、参加者の平均年齢は高め。「60代の出席率が悪い。70代は全滅。80代はさすがに声をかけなかった」という話が出るくらい。



 私はSFファンダムの人間ではないので、すべて伝聞です。でも、今年は母体となる金曜会の設立50年の記念のイベントということで、そういう話があちこちで語られていました。

 受付開始直後の15時に、大学生となった長男といつもの会場、日進市の宗教公園五色園に到着。スタッフでもなんでもないのに、昔ここでさんざんイベントを主催していたものだから、フロントのおじさんに「今年もよろしくお願いします」とあいさつされてしまうのはご愛敬。
 17時からは立川三四楼さんのSFファンをネタにした小話で幕開け。
 開会式のあとは夕食。まぐろの刺身にローストビーフ、ほたてひもに酢の物、吸い物、カニグラタンというラインナップにビールとジュース付き。
 19時半には50周年のケーキに入刀。上品な生クリームとイチゴの美味しいケーキをみんなでシェア。
 あちらこちらのディーラーのブースや古書市を見て回り、よさげなものはその場で確保。相場的には状態美麗の文庫が100円、ハードカバーが200円といったところかな。紅茶屋さんでは100グラムで3000円クラスの高級茶葉を堪能。贅沢を言えば、お茶うけにスコーンかキューカンバーサンドが欲しいところです。
 さらにふらふらして、PXで白カビのサラミをつまみに酒を飲んで一服したら、今度は長谷川裕一の「すごい科学で守ります」。
 もともとは東映の戦隊シリーズを1つの時間線上の話として辻褄を合わせていこうという主旨の企画だったのに、昨今では本家が仮面ライダーともどもワールド統一を公式で進めていて、さらにはこれに宇宙刑事が加わるなど歯止めを知らず。そこで今回は守りから攻めに転じろと、次の戦隊を考えてみようとネタ帳の総ざらえ的なお話。戦隊物のルーツを遡っていくと、忍者部隊月光とかレインボー戦隊を飛び越えて、白浪五人男とか頼光四天王あたりまで遡ってしまうのですが、日本人の業の深さについてはこちらにもまとめがあります。海外にも円卓の騎士とか三銃士とかありますが、まだまだといった感じ。
 これを2時間堪能したら、いよいよオークション会場へ。



 名古屋のイベントは伝統的にオークションが盛んです。特に近年は全国のオールドファンが鬼籍に入られたり、高齢でコレクションの処分を始めていたりするので、出回る量も膨大。今回はマンガもかなり出ましたが、作者別・傾向別にダンボール箱に詰められ、「萩尾望都セット」とか「新旧MAPSセット」とか「ゲッターロボ各種セット」などと大放出。だいたい1セット100円、高くて1000円程度で落札されていきます。箱代が100円かかっているのでブックオフの買い取り価格以下のひどい話ですが、落札した方も宅急便で別送したり車に詰め込んで持ち帰らないといけないので必死です。未成年の少年少女たちが「さすがの猿飛」と「Gu-Guガンモ」の詰まった細野不二彦セットを競り合う姿には感動さえ覚えました。
 さて、小一時間の攻防の末に、数十箱のコミックの引取先が決まり、そのあとは書籍・雑誌の部の開幕。
 安値で落札される傾向の強い名古屋なので、さすがに20万円超のものは別にオークションに出すとのことでしたが、それでも100年前の押川春浪編集の「冒険世界」とか復刻版「海底軍艦」第1~4部までといったあたりがぞろぞろ。100年50年前はあたり前で、20年前あたりは「新しいやつ」という扱い。それが1000円前後で落札されそうになりますが、東京相場がしみ込んでしまった参加者が値をつり上げるので、さすがにそれなりのものは2000円前後に。それでも東京あたりではン倍ン十倍になるそうです。とにかく貴重なアイテムを広くばらまいて、参加しなかったものを羨ましがらせるためのイベントと化しています。



 自分はとりあえず紛失した分や買い逃した分の補充を兼ねて、「銀河英雄伝説」セットとか「めぞん一刻」セット、長谷川裕一セットなどをいくつか。あとは青心社の『クトゥルー』5冊セット、歳月社の「幻想と怪奇」を2冊購入。
 オークションが終わるともう3時。
 さすがに寝ておこうと布団の確保に動きますが、まだ部屋はがらがら。
 結局、別館に2部屋確保されていた寝部屋の方は、布団20組に対して使用されたのは6組。みんな企画部屋で雑魚寝か徹夜という感じだった模様。



 7時から朝食。8時から閉会式……というタイトなスケジュールはさすがに無理で、30分遅れのクロージングです。
 恒例のじゃんけん大会では、萌え米300グラム(ポストカード付き)を勝ち取って、満足して帰還。お金は少し使ってしまったけれど、なかなか有意義な週末でした。

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