付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「高杉さん家のおべんとう6」 柳原望

2012-10-24 | 食・料理
「楽しいことを追求すると、新しいことが生まれる」
 研究もそうあって欲しいと風谷久郎教授。

 今回は、久留里の新生活編+高杉くんのダメっぷりに拍車がかかる1冊。もう涙無くして読めませんが、丸兄のバカっぷりに期待。

 確かに日間賀は「食」の場として面白い場所です。トラフグの水揚げが全国トップクラスなのに、かつてはそのほとんどが下関方面に送られていたわけで、それをいかに地のものとして売り出すかが鍵だったわけです。他にも伊勢エビ、タイラ貝、ミル貝、シャコ、ワタリガニと海産物が豊富な島なので、これをうまく独自の観光資源として売り出せるかどうかですね。
 知多半島も江戸から明治にかけては200以上の酒蔵があった酒処ですが、楽に儲かるからと他地方の大手酒造メーカーの下請けに甘んじているうちに斜陽。もう数社しか残っていない蔵は、どれも独自ブランド化に挑戦し続けているところだけ。
 文化と経済は裏表なんです。

【高杉さん家のおべんとう】【柳原望】【MFコミックス】【高校編】【小さな恋の終わり】【日間賀島】【文芸部】【サンドイッチ】【文化祭】【浴衣】【でした】【断捨離】【スズメバチ】【たこ飯】【おから】【“すべからく”の誤用】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「クラインの壺」 岡嶋二人

2012-10-24 | ミステリー・推理小説
 アドベンチャーゲームブックの原作募集に応募したものの、規定枚数オーバーで失格となった上杉彰彦は、それをヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』のシナリオとして使いたいという謎の企業イプシロン・プロジェクトに200万円で売却した。
 そして完成したゲームのベータテスターとして、上杉は美少女・梨紗と共に仮想現実の世界に入り込むのだが……。

 ヴァーチャルリアリティといってもMMORPGではなく、パラグラフ形式のアドベンチャーゲームが念頭にあるところがミソで、サイコホラーっぽいミステリというかSFみたいなもの。プレイヤーが2人といっても、別々にプレイしていてリンクはなさそうですし。
 昨今のVRMMOをテーマにした作品の先駆けというより、ディックの『追憶売ります』の後継者というか現代版リメイクですね。『ニューロマンサー』の影響がほとんど感じられないのが信じられないくらい。

【クラインの壺】【岡嶋二人】【講談社文庫】【菅浩江】【胡蝶の夢】【アフリカ】【CIA】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする