付け焼き刃の覚え書き

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「わが愛しき娘たちよ」 コニー・ウィリス

2009-11-19 | その他SF(スコシフシギとかも)
「わたしは自分が恐れたものと自分が愛したものとに直面した。そして、そのふたつはおなじものだった」

 ポスト・フェミニズムの旗手として知られたコニー・ウィリスの出世作にして開放と抑圧の象徴となった性を描いだ問題作「わが愛しき娘たちよ」他12編。
 問題の表題作は内容を紹介しようと思ったら伏せ字だらけになりそうな話ですが、男性の自分が今の視点で読む分には「うん、まあ、そういうことはあるだろう。よろしくないことだ」「怖いのは男も女も同じじゃないのか」くらいしか言えません。一体化した性と暴力は結局、弱者へ弱者へと向かうだけなのです。
 物語として普通に面白かったのは、歴史の実習として第二次大戦中のロンドンに向かい、空襲下のセントポール寺院で生きる人々を見た時間旅行者の物語である「見張り」でした。内容紹介でも、この2作が取り上げられていたので、自分の評価もそんなにおかしくはないようです。

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