付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「堕落論」 坂口安吾

2009-08-24 | エッセー・人文・科学
「歴史という生き物の巨大さと同様に人間自体も驚くほど巨大だ。生きるという事は実に唯一の不思議である」

 最近、どこもかしこもやっている過去の名作をマンガ家による表紙に付け替えて復刊という試みの集英社文庫版です。こんな名著をラノベ風に売るなどけしからんという声もあるようですが表紙は表紙。中身を左右するものではないので、それで(今まで見向きもしなかった人が)1人でも手に取れば儲けものです。旧版の方が良いという人はもう買っているはずですからね。
 まあ、それで釣られて買ってしまった私がここにいるわけですが、考えてみればこの『堕落論』は中高生の夏休みの読書感想文に最適な作品ではないでしょうか。坂口安吾の『堕落論』を読みました!というだけで何となく勝った気分になりませんか? そこらのラノベと違って定評ある名著ですし、『堕落論』そのものはそんなに長くないんですよね。ざっと14頁。『続堕落論』を入れても30頁。さっと目を通して、印象的な1行か2行をピックアップしてあれこれ感想を書くだけで原稿用紙の5枚や10枚は簡単に埋まってしまいそうです。

……まあ、書けない人はそんなに簡単に書けないってのは小学生の子供の宿題の手伝いで思い知ってるんですが、「堕落から始まる」というフレーズってインパクトありますよね。

【堕落論】【坂口安吾】【久保帯人】
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「私を月まで連れてって!(5)」 竹宮恵子

2009-08-24 | 超能力・超人・サイボーグ
「宇宙は星にその在り方を指示し、星は人にその在り方を指示する」
 NASAの宇宙飛行士ダン・マイルドの言葉。アインシュタインの言葉を引用しつつ。

【私を月まで連れてって!】【竹宮恵子】【オリエント急行】【アインシュタイン】【世代型宇宙船】【ダイエット】【時間旅行者】【タイムスリップ】【死に至る病】【産婦人科】【ロボット】【プロポーズ】
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「現代萌衛星図鑑」 しきしまふげん

2009-08-24 | エッセー・人文・科学
 名駅前テルミナ地下の三省堂に、いつの間にか新しいコーナー・ジャンルができていました。「萌」です。なんてこったい!?

『世界から冒険が消えたというのなら、一緒に冒険を探しに行こう。
  神の奇跡も届かない世界の端で、ボクは夢の欠片に手をのばす』

 宇宙航空研究開発機構 はやぶさ 2003-019A

 まあ、「萌」なんとかでひとくくりにされていても、やはりスタージョンの法則は生きているわけですが、この本はいわゆる当たりの方。「人工衛星を可愛い女の子に擬人化することで身近に感じさせ、日本の宇宙開発史をわかりやすく正確に伝える」というものです。
 視界いっぱいに飛び込む青い地球、耐久限界を超えて酷使される気象衛星、事故で宇宙に出ることなく消えていった衛星……。
 普通の宇宙開発の入門本としても、簡潔かつ要点を押さえた良書だと思います。
 ただ、擬人化されることで、役目を終えた衛星の運命にやたら想いが馳せるんです。

【現代萌衛星図鑑】【しきしまふげん】【へかどん】【松浦晋也】【さてらいこ】【さてらい娘】【ひまわり】【かぐや】【はやぶさ】【すいせい・さきがけ】【きく7号】【おりひめ・ひこぼし】【みどりII】【USERS】【ハレー艦隊】【パドヴァの誓い】
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「食の神が宿る街」 ブライアン・フリーマントル

2009-08-23 | 食・料理
『KGBの情報官は軍隊と同じ階級制をとりながら、いつでも私服でレストランにやってくる。ところがGRUの情報将校は、軍服姿で堂々とご来店になることが多い』
 アップル・ポークが自慢のレストラン「ガニメート」での光景。

 スパイ小説やサスペンス、ホームズもののパスティーシュなどを書いている英国の作家フリーマントルですが、もう1つの顔は世界各地の諜報機関や犯罪組織にケンカを売るようなルポタージュを執筆するジャーナリスト。そのフリーマントルが各国の食をテーマに雑誌『バッカス』に10回連載していたエッセーと彼が来日したときの話を訳者でもある新庄哲夫が書いたものを1冊にまとめたもの。
 しかし、ドライマティーニについて語った第1章は、どこの店はグラスが冷えているとかオレンジピールを使っているとかいないとかオリーブオイルがどうのと徹底的にこだわるというか五月蠅いくらい。実際、マティーニにこだわる作家として有名なんだそうだ。
 あまりにスノッブじみていて鼻持ちならないなと読むのをやめようかと思ったくらいだけれど、マティーニ以外はそんなにひどくないので最終章の日本編まで読んでしまいました。そうしたら書いているものが書いているだけに、けっこう面白いんですよね。
 陥落寸前のサイゴンで怪しげなウィスキーをつかまされた話とか、麻薬コネクションを取材して賞金首になった話とか、カナリス提督も通い詰めた東ベルリンのレストラン「ガニメート」で遭遇する東西スパイの姿とか。

【食の神が宿る街】【ブライアン・フリーマントル】【ドライマティーニ】【ピカソ】【ベルリンの壁】【メデジン・カルテル】【クイーン・メリー】【ロビイスト】【二輪車暗殺】【密造ワイン】
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「サイエンス・ガールズ!」 みりんぼし

2009-08-23 | 学園小説(不思議や超科学なし)
 三省堂に寄ったらサイエンス・コーナーに平積みになっていたので、つい手に取ってしまいました。実在する理系大学を舞台にした純度99%ノンフィクション4コマまんが。ウェブ連載分に描きおろしを加えて1冊にしたものですが、8月20日時点でまだ飛鳥新社のホームページで読むことができます。もう本で売っているのに大丈夫かな。

「(女も)バナナや肉と一緒で腐りかけが美味しいんじゃん?」
 死後硬直後の自己消化が始まっているくらいがちょうど良いらしいです。

 立ち読みして面白いと思って購入したけれど、最後まで何度もキャラ紹介を読み返してました。女だらけの研究室ということなのだけれど、キャラの区別がつけられないのです。理系思考の女子8人の物語です。キャラ紹介ページを見るとちゃんとキャラの区別ができるのに、4コマだと途端に区別できなくなります。
 (キャプ翼と一緒で)愛がないから見分けられないのかなとも思ったけれど、よくよく考えると実録4コマというのが強みであり弱みなんだな。実録ならではの面白さと、実録だからこそ物語的な脚色に制限がかかってしまうということと。
 これが創作ならメインキャラを4人くらいに整理することで個性を際だてさせられるのだけれど、なまじモデルがいて、その当事者がマンガになることを意識しているので整理できないんですよね。だから髪型が似ていたり、言動が似ているキャラを整理できないのだと思います。みんな同じ白衣にTシャツとジーンズ姿で女性8人というのは多すぎだと思います……。

【サイエンス・ガールズ!】【みりんぼし】【NSK】【フラガ】【さかなクン】【マイクロ波】【ゴキブリ】【寄生虫】【タイガー計算機】【オタク】【IH調理】
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「物語工学論」 新城カズマ

2009-08-22 | エッセー・人文・科学
 以前から物語論を展開していた新城カズマが、今回はキャラクターに焦点を絞った入門編としてまとめたものです。キャッチコピーは「小説家やゲーム業界など<物語>製作の志望者必携!キャラクター作成に役立つ画期的な解説書!!」で、その言葉の通り古今東西の神話伝説から小説までを題材にしてキャラクターを7つの類型に分析したり、作成チャートや参考作品リストが掲載されています。
 巻末には新城カズマと賀東招二の対談も収録。ここで『フルメタル・パニック!』などの執筆過程のエピソードや製作姿勢などについて語られていますが、『フルメタ』はどういう話か聞かれて反射的にひとことでプロットを説明できているところが流石です。

【物語工学論】【入門編】【キャラクターをつくる】【新城カズマ】【加藤アカツキ】【賀東招二】【蓬莱学園の冒険】【物語分析】【まぶらほ】
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「キャプテン コン・ティキ」 アルノルド・ヤコービー

2009-08-22 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
「人類の歴史はそもそも最初から、実践的な知能と哲学的な知能の二つながらを示す例で満ちている。僕たちが昔の人たちより優れていると考えていつも怪しまないのは、おそらく僕らの最大の誤りなのだ」
 トール・ヘイエルダールの言葉。

 「コンチキ」といったらコン・ティキ号漂流記で、コン・ティキ号といったら文化人類学者ヘイエルダールというのは、冒険小説好きの子供にとっては常識でした。少なくとも自分はそう思ってました。自分が子供の頃から本当にそうだったのか、今ではどうなのか知りませんが、少なくともインパクトはありました。
 本家の漂流記の方はいろいろな児童向けを何度も読みましたが、本書はそのヘイエルダールの半生を、幼なじみの視点から語ったものです。大雑把に言ってしまうと、1/4が幼少期から青年期、1/4が自由ノルウェー軍の一兵士として参戦しカナダでの訓練からノルウェーでの戦いまでの第二次大戦期、1/4がコン・ティキ号の航海実験、そして1/4が成功後の騒動の顛末といったところでしょうか。戦記ものとして読んでも愉しめます。何度も読み返した本編漂流記とは違った感覚で面白いですね。教養文庫でも上下巻に分冊されて復刊されてました。
 読んでいて感じるのはヘイエルダールは実行力はあっても冒険家ではなく、あくまで学者であって論理の人。論理的に正しいはずの自説が、「不可能だからありえない」と言われ、ならば「不可能ではない」ことを証明することで議論をテーブルに載せようとしたのです。「可能性はある」ことが必ずしも「真実であるとは限らない」ということをきちんと理解していた人なのです。
 彼の目的としたポリネシア諸島の住人の起源はいまだに確定したものはなく、ヘイエルダール説は非主流となっているようですが、無謀と思われる航海に挑んでも自説を検証しようという姿勢は尊いものです。自分では現地に足を運びもせず、研究実績もあげないまま非難否定を繰り返す論敵の姿を見るとなおさら痛感します。

【キャプテン コン・ティキ】【アルノルド・ヤコービー】【教養文庫】【ファツ・ヒバ】【ロンゴ・ロンゴ】【クヌート・ハウグランド】【空挺降下】【SOE訓練センター】【青い少佐】【護衛船団】【テラー地雷】【無線通信部隊】【除隊申請】
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「ムーンライト・ラブコール」 梶尾真治

2009-08-21 | 時間SF・次元・平行宇宙
「男と女ってのはな、結ばれる結ばれないに拘わらず、傷つけあわないってことはないんだ。いずれ、どこかの時点で傷ついちゃうのさ」
 スナック「ヤング・ラスカル」のマスターの言葉。

 徳間文庫やハヤカワ文庫に収録されている過去作品から、ロマンチックSF系ばかり集めたカジシン作品のアンソロジー。
 表題作『ムーンライト・ラブコール』はコミックではときどき見るテーマで、古くは『私を月まで連れてって!』の第10話「オリオン座は笑う」(1977)、最近だと『水惑星年代記』の「LETTERS2」(2006)などでも扱っているのだけれど、こういう落とし方をするところが良いです。「オリオン座は笑う」の元ネタはフレドリック・ブラウンだったっけ?
 有川浩の『空の中』やドイルの『大空の恐怖』と同じ題材を思いっきりひねった『ローラ・スコイネルの怪物』も好きな話です。こういう短編はネタ勝負という面もありますが、他にも同じネタを扱った作品があった場合、それどう扱ったか比べてみるのも面白いものです。そのときどきの時代性とか作家の個性が出ますから。
 SF好きな加塩青年がちょい役で登場する『一九六七空間』はフィニィ・タイプのタイムスリップもの。ジャック・フィニィの小説に登場するタイムスリップはたいていの場合、共感魔術的なものです。特別な機械は使わないし、何か時空の異変が起きるというわけでもない。もう何百年も前に建てられた建物に立ってみたり古い机の引き出しを開けてみたり、過去の世界と同じ道具に触れたり過去の世界と同じような状況に身を置くことで空間もいつの間にかつながってしまうというような話です。これもそういう話であり、もし人生をやり直せたらどうするかというテーマです。
 ダメ中年3人がかつてのヒロインのために一肌脱いだ『ヴェールマンの末裔たち』も一種のタイムトラベルもの。他にも、ワインを作る男たちの約束の話『夢の閃光・刹那の夏』、星を超えた恋物語『ファース・オブ・フローズン・ピクルス』、女友達をめぐって仲違いした親友の再会『メモリアル・スター』、老夫婦が出会ったクリスマスの奇跡は『アニヴァーサリィ』など魅力的な作品が詰まってます。

【ムーンライト・ラブコール】【梶尾真治】【通信販売】【サンタクロース】
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「少女ファイト(2)」 日本橋ヨヲコ

2009-08-20 | スポーツ・武道
「本人にだってわかってない場合もあるんですから、人からのまた聞きなんてもっと当てになりませんよ。だから私は手触りがないものはあまり信じません」
 人の噂や憶測で悩んでいても仕方がないと小田切学。

【少女ファイト】【日本橋ヨヲコ】【バレーボール】
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「面白南極料理人~笑う食卓」 西村淳

2009-08-20 | 食・料理
 『面白南極料理人』の続編で、今度は第30次と第38次の南極観測隊に海上保安庁から料理人として参加した著者の料理経験を、大雑把なレシピと共に紹介したもので、第38次南極観測隊の参加譚という色合いが強かった前著と比較し、2回の観測隊のときの経験がランダムに登場するので単純に「極地で料理ってタイヘンだなあ」と思う本。
 安い価格で入札しておいて粗悪品を納品する業者やら、知恵と工夫で乗り切れとばかりに電子レンジの持ち込みすら渋るお役人とかに怒りをためこむこともあるけれど、そこは料理人としてはセミプロにすぎない海上保安官。同行する本職の料理人に呆れられながらも大胆な発想と手荷物で持ち込んだ『クッキング・パパ』他の参考資料に支えられて乗り切っていきます。
 そして、雪原に蓄えられた過去の観測隊の資産……。

 先日、TBS系のドキュメンタリー『情熱大陸』(2009/06/07)で、やはり2回に渡って南極観測隊に参加した篠原洋一という料理人について放送していました。この人は第50次隊なのですが、その密着取材を見ていて感じたのは「変わったんだなあ」ということ。第38次のときは遠征隊用の糧食を南極への船中で必死になって調理していましたが、今は出航前に日本国内で料理人が調理する側からフリーズドライにして、雪上車や観測基地ではお湯をかけるだけになってました……。

 22日から映画『南極料理人』が全国一斉公開!
 ところが上映館が少ないんですよね。ペンギンもソリ犬もイケメンも出てこないのがいけないのか!? わが家から車で30分圏内は全滅。名古屋駅前あたりまで出ないといけないみたいです。

 借りてきたDVDで視聴。なんで日本映画って、こういうウェットな話になるかな。
 つまり「豪華な食材を使ったご馳走より、どんなものでも親しい人と仲良く食べた方が美味しいよね」という映画に……。

【笑う食卓】【面白南極料理人】【西村淳】【巡視船みうら】【麺】【炒飯】
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「BLUE」 中村佑介

2009-08-20 | エッセー・人文・科学
 ふらりと名古屋駅前の三省堂に寄ったら、店頭に白い表紙が山積みになっていました。中村佑介のイラスト集です。先着200名にサイン会の整理券を配布してくれるのだそうです。
「あ、『夜は短し歩けよ乙女』のイラストの人だ」
 そうです。森見登美彦は表紙イラストに惹かれて手に取ったのです。
 サークルや演劇のポスターから絵はがきや小説カバーまでイラスト175点が掲載された、嬉しい画集です。ちょっと値段が高めでためらいましたが、結局購入。こういうのは欲しいと思ったときに買わないと何年も経ってから高い値段で中古を買う羽目に陥るもんです。
 買って帰ったイラスト集の表紙を一目見て妻が言いました。
「あ、アジカンのジャケの人だ★」
 そうでした。アジアン・カンフージェネレーションのCDジャケットでも有名な人だったのです。



 あ、サイン会の整理券をもらい忘れた!


【BLUE】【中村佑介】【黒柳徹子】
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「蜃気楼の少女」 川又千秋

2009-08-19 | 宇宙・スペースオペラ
「この宇宙ほど、にぎやかで、おしゃべりで、さわがしいところはない」
 宇宙はおしゃべりな電波の音楽で満ちあふれている。西脇信三の言葉。

 中学3年生の真木準は夜の公園で暴漢に襲われていたのを助けたことから西脇光子と知り合い、その自宅へと招待される。そこで光子の父が開発しているというTVゲームをプレイするのだが……。

 ご近所の洋館に住んでいた美少女が実は異星人の侵略と戦うスターファイターで、自分と飼い猫に超能力があるということで宇宙戦争に巻き込まれてしまう少年の物語……。

 今では学園ものとファンタジーものに席巻されているコバルト文庫(集英社文庫コバルトシリーズ)ですが1980年あたりはSF作品についてもいろいろ模索していまして、これも正統派のジュブナイルSF。同じ時期のラインナップには新井素子の『いつか猫になる日まで』や山尾悠子の『オットーと魔術師』が並んでいます。
 しかし、「スターファイター1」と副題がついていたけれど2が出たという話は聞かないから、やっぱり売れなかったんでしょうか。ぴったりしたボディスーツタイプの宇宙服に身を包んだ美少女というのは、少女向け文庫のパッケージとしては売りにならなかったようです。好きなんだけどなあ。
 コバルトで少女向けの枠で刊行するより、もう10年早くあかね書房や岩崎書店のSF全集で出逢いたかったと思います。

【蜃気楼の少女】【スターファイター】【川又千秋】【東西冷戦】【異星人の侵略】【猫】【月】【監視者】【キラー衛星】【佐藤道明】
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「少女ファイト(5)」 日本橋ヨヲコ

2009-08-19 | スポーツ・武道
「他人を信用できる思い出は財産になるからね」 
 伊丹志乃の父の言葉。大人になったら親しければ親しいほど頼れなくなるものだから学生のうちに友だちと甘え合っておく方が良いと。

【少女ファイト】【日本橋ヨヲコ】【バレーボール】
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「ドイツ料理万歳!」 川口マーン惠美

2009-08-19 | 食・料理
『私が常日頃から自慢していた日本の「鮨」は、東南アジア出身の回転寿司ではない。どうにかして欲しい』

 ドイツには美味いものがなかった、ジャガイモとビールとソーセージだけとかいわれがちなドイツ料理だけれど、それだけじゃないよとドイツ在住25年の著者が紹介するドイツの美味しい物あれこれ。
 ただし、日本でも北海道と沖縄で郷土料理を出してそれぞれ日本の代表的な食べ物というと語弊があるように、ドイツにおいても地域差は当然あって、ドイツ料理としては比較的有名なアイスバインにしてもベルリンの下町の人気メニューであってドイツ名物とは言い難いんだそうな。ただ、ドイツ人小学生への「(料理に限らず)ドイツを代表するもの」というアンケートによれば、ジャガイモとソーセージという回答が多数だったそうで、確かに「ドイツ=ジャガイモとソーセージ」というのは間違った感覚では無さそうです。
 ところで、慣れ親しんだ郷土料理でなかろうが目新しいものを試してみようという意欲は、日本人にはあってもドイツ人には欠ける資質というのが著者の意見でした。特に魚介系には偏りが激しく、保守的なドイツ人にはイカとタコの区別もつかないのだそうな。

【ドイツ料理万歳!】【川口マーン惠美】【カール大帝】【質実剛健】【完璧主義だけれど不器用】【カトリック】【ブレッツェル】【空飛ぶ安ワイン】【チーズ】【ニジマス】【マウルタッシェ】【白アスパラ】【リンゴジュース】【ラプスカウス】
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「猫柳ヨウレの冒険~宇宙航路」 光瀬龍

2009-08-18 | 宇宙探検・宇宙開発・土木
「女をいじめるやせ男
 はかりにかけたら一貫匁
 お風呂に入れたら浮いちゃった」


 猫柳ヨウレは連合宇宙船技術専修学校の女学生。学術論文のテーマに『火星人の道』に現われたという幽霊を選んだことから胡散臭さ大爆発の男たちを隊員に選抜。火星、木星、海王星と幽霊探しの旅に出発するのだが……。

 いきあたりばったりのヨウレ、機会が有ればヨウレを犯して売り飛ばしてしまおうというトラコにハザウェイ、騎兵槍といった探検隊の面々に、探検の途中で仲間に引き込んでしまった宇宙生物たち……といったあらすじと設定から今風のスペオペ的な話を期待すると肩すかし。はめをはずしているようで、読後感はオーソドックスな日本のSF小説です。
 もうちょっとはじけてもいいのになあ。

【猫柳ヨウレの冒険】【宇宙航路】【光瀬龍】【萩尾望都】【東キャナル市】【催眠術】【触手】【宇宙動物園】
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