街道を歩く

今まで歩いた街道、町並み、これから歩く街道、町並みを散文的に紹介

街道を歩くということ 最終回

2005-10-03 13:55:14 | 街道関連
しかしながら現存するその当時の道は殆ど無く、舗装され、或いは石畳にされている。これは観光客がいつなんどき訪れてもいいようにしているのである。現代人は未舗装の、雨にぬかるんだ道を、また、水溜りを避けながら歩くのを嫌がるからでもある。舗装はそこの住民の為には今ではしごく当然のことではあるが、石畳にあっては訪れる者への配慮である。電線も地中に埋められ、当然電柱などはない。観光と景観のためである。      
たしかに江戸時代はその様な物は全く無いのだが、観光客を呼び込む為にはその一角だけでも必然的にそうしなければならないのである。こうして江戸時代から続いてきた街並みを整備保存し、観光客を呼ぶわけだが、これだけで街並み保存ができないのもわかっている。そこに住む人だけでなく、その地方自治体も協力しあわなければならないのも確かであって、我々の目に見えないところで十二分に力が注がれているのである。
こうして幸いにも残され、保存されていく街並みは、その土地の資源でもあり、財産でもある。現代人の我々が、昔の人が歩いた街並みに時間をかけて楽しく歩くことができるのは贅沢なのかもしれない。だからこそ街並み全体を見守る目を持って訪れることを心掛けたいものである。[終わり](吹屋の街並み)

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