街道を歩く

今まで歩いた街道、町並み、これから歩く街道、町並みを散文的に紹介

私なりの中津街道のこと(その一)

2006-02-13 00:26:58 | 中津街道
中津街道
 小倉城下から東に向かって歩いていこう。町名は城下町らしく未だに留めている。
未だに留めていると書いたのは、ここ小倉では、三、四十年も前から町名の統廃合が行われ、それなりの意味を持った町名が簡素化され、あっけないものとなっていったのである。
これは現在行われていることではないのである。私が住んでいた町名は西鳥越といった。それは手向山を渡り鳥が飛んでいく姿を反映したものと思われるが、それは既に無い。
小倉の城下町を所狭しと、あれやこれやの町名があるのは不便だと感じたのかもしれないが、その土地の意味を成さないものにさせられてしまった。これは、文化の消滅の何ものでもない。地名には何らかの伝承があることにまちがいはないのである。
最近になって大きい行政の単位での統廃合が起こり、その名を見るに、昔年の名を冠する市町名が出てきたりもしている。
また、町興しと称して街道を見直し、その整備すらしている。なにがそうさせているのか。温故知新なのか。文化伝統の継承なのか。点と点を整備してもその全体を見渡すことが出来なければ意味を持たないと思われる。点を線で結んで始めてそれが成り立つものである。
小倉城下にはまだそれなりの町名が残っている。これ以上失くしてもらいたくないと思うばかりである。[続く](写真:小倉城)
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