3月も半ば、桜も開花したというのに寒波が襲ってきた。そんな寒風が吹き荒れる中、昨日の一組の夫婦が跨線橋の上でいまや遅しと待ちわびている。
その夫婦だけではない。私も寒さを堪えて待っていたのである。
ところが、どうもおかしい。予定通過時刻を過ぎてもやって来ない。そこに普通列車が入ってきた。目の前に運転士が見えたので尋ねてみると、きまり悪そうに「あー富士ですか。90分遅れています。山口県内で人身事故のため90分遅れていますよ」
「えー、また事故か。昨日も事故で40分遅れたからな」「そうですね、あとのことは駅員に尋ねて下さい」と言いつつ発車した。
私は駅員にまたあとで来たいので一度使った入場券で入っていいかとお願いをした。すると駅員は一も二も無く快諾してくれた。そして、すぐさま夫婦が待っている場所に行きその旨を伝えたのである。その夫婦も私がホームにいるのを知っていた。気になっていたようだ。「しょうがないですね。本当の最後を見たかったのですが。わざわざ有難うございます」と言って帰って行かれたのである。
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