飛鳥から、まだ行ったことのない当麻寺に向かった。元々聖徳太子の弟が建立したという歴史のあるお寺だ。
この辺は、京都と奈良方面を結ぶ近鉄を背骨のようにして、東に西に線路が伸びている。当麻寺は、大阪方向への路線になるのだが、無事乗り換えてほっとしていたら、この当麻寺を通過する電車で、ずいぶん大阪の方まで、行って引き返す羽目になった。
途中に塚があった。当麻け早塚という。当麻にいた、日本書紀に出てくる力自慢だが、力比べに負け敗死したという。これが、相撲の発祥という。相撲の始祖になっていて、近くに相撲館もあった。
駅から、当麻寺までは、結構あるが、参道は整備され、二上山(にじょうさん)を背景にした当麻寺が見えてくる。参道に土産物屋が並ぶといった感じではないが。
仁王門だが、そんなに大きくはない。
何気なく梵鐘があったが、何と日本最古の梵鐘という。白鳳時代のものだ。百済の影響を受けたデザインという。残念ながら、鐘楼の中にあり、近くから、見ることはできない。
正面にあるのが、本堂。平安時代のもので、国宝に指定されている。中に、巨大な曼荼羅が掲げられている。室町時代の転写で重文。その原本は、天平時代のもので、国宝だが、非公開。中将姫が蓮糸で織り上げたと伝えられる。あまりにも見事なので、思わすポスターを買ってしまった。
厨子は天平時代のもので、国宝。その須弥壇は、源頼朝の寄進によるものと伝えられこれまた立派なものだ。
本堂の両脇を、金堂と講堂が固めている。中には、白鳳時代や、平安時代の仏様たちが祀られ、これまた歴史を感じさせる。特に四天王像は、法隆寺のと同様異国の匂いがぷんぷんだ。
これは、国宝の西塔。天平時代のものという。東塔も当時のものが残されており、二つの塔が現存するのは、当麻寺のみという。