かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

BAKU 斉藤写真集 バンティアイ・スレイ

2012年09月18日 | Cambodia・Myanmar・Laos


本書は、まだ、出たばかり。連合出版さんからのダイレクトメールでその出版を知り、早速GET。

BAKU斉藤さんは、カンボジアが復興の歩みを始めたばかりのころから、カンボジアの写真を撮り続け、特にバイヨン寺院の菩薩の顔の写真をすべて(259体)撮影という偉業をなしとげた。
バイヨン寺院の構造は、複雑で、菩薩像もいろんなところにあるので、全部撮影するのは至難の業。その時、恵比寿で、写真展があったので、見に行ったりもした。
本書の写真を見ると、バンティアイ・スレイ寺院への思い入れも並大抵のものではない。
本寺院のみの写真集というのは、初めてではないか。

バンティアイ・スレイには2度行った。最初に行った2001年は、まだ秘境扱いで、雨季には、道が冠水したりして行けない時もあった。私が行った時は、ちょうど舗装工事の前の砂利を敷く作業中だったこともあり、凄く車が揺れて、揚句の果てに、見事にタイヤがパンク。行程に入ってなかったので、チップを払って行ってもらったのだが、申し訳ないことをした。
しかし、アンコール遺跡の中でも、珠玉の浮彫群には、感動した。材料が違うせいか(赤砂岩)、彫りが細かくて、深い。アンコールワットや、バイヨン寺院は、別格にしても、バンテアィ・スレイを、アンコールの遺跡のベスト3に挙げる人は多いだろう。

ヒンドゥ教の神話に基づく題材の浮彫ももちろんすばらしいが、何といっても有名なのが、そのデヴァタ(女神)像。本書によると16神あるそうだが、東洋のモナリザと称される。
フランスの文部大臣にもなった小説家のマルローが、このデヴァタ像を持ち出そうとして見つかり、投獄された話は、有名だ。

残念なのは、やはりこの遺跡も荒廃が進んでいることだ。
1度目は、結構自由に見れたが、2度目は、縄が張られていて、見たい浮彫のところまで、近づけない状況になっていた。バンテアィ・スレイは、建物もさることながら、浮彫群が目玉なので、それが、自由に見れないのはつらかった。
遺跡保護のためなのだろうが、24時間100%監視するというもの難しいだろうから、荒廃は、それでも徐々に進んでいってしまうのかもしれない。

全ての遺跡が抱えるジレンマ。
その意味でも、しっかり写真を残しておくことは重要だ。
コメント
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