今日は、佐藤優さんの話を聞いた。
インテリジェンスの方の話は、手嶋さんに続き、2度目だが、面白い。
いかに、日ごろぼおぅっと生きているかがよくわかる。
佐藤氏も、今は、前科者だし(執行猶予ははずれたとのこと)、内部情報は、そんなに入らないはずなのだが、ちゃんとした目を持って、情報を見れば、世界で、何が起こっているかお見通し。
濃密な話でだったので、たくさん書きたいことがあるのだが、その中心であった、アメリカのレッドライン外交の話を。
アメリカは、正義の味方みたいに見えるが、やっていることは、国際法違反の話も多い。イラクにしても、オサマ殺害にしても、スノーデンのしていたことについても。
レッドライン外交というのは、一線を越えた時に、アメリカが、正義の戦争を起こすことをいう。直近では、シリアのサリン事件だ。未遂に終わったが。
相当興味を持って、ニュースを見ていないと、わからないが、氏の話を聞くと、目から鱗。
プーチンが何故、あれだけ、シリアに肩入れするのか。
①これは、よく言われるが、武器輸出のルート確保。ロシアは、武器輸出を、外交官自身が行うシステムになっており、シリアを通して、世界中に武器が売られていた。この道が閉ざされると、とたんに、彼らの収入源が途絶え、システム崩壊につながる。
②スノーデンについては、ロシアにとっても大迷惑な事件だった。彼は、ハッカーで違法行為を行っていた人物だが、突如正義に目覚め、大騒ぎになった。アメリカは、それを押さえることができず、ロシアに行かせてしまった。ところが、このようなアナーキストは、ロシアの敵でもあったが、成り行き上、入国を認めざるを得なくなった。これで、プーチンは、オバマに恨みを持ち、今回は、その倍返しだという。
③ソチオリンピックでの自爆テロを防止するため。チェチェン問題は、みな知っているが、これは、実は、ロシア国内の問題ではないという。ロシア国内のチェチェン人は、温厚で、ロシア国内にすでに居場所を持っている。一方、中東に出ていた過激なチェチェン人が、ロシア国内のチェチェン人と内戦を行っており、シリアが崩壊すると、この地域を中心に、巨大な過激イスラムの支配する地域ができ、ソチオリンピックは、絶好のテロの標的になってしまう。
シリアやアサド政権の数奇な歴史についても、学ぶことができた。
今、日本外交がうまく行って見えるのは、安部首相が、オリンピックに気をとられて、シリア問題で、無意識のうちに、プーチンを助けたことが原因。一方、アメリカでは、安部、橋本、麻生の発言を聞いて、日本はおかしくなっているのではという雰囲気になっているという。
ちなみに、現在の政治の問題は、反知性主義という。残念ながら、うなずかざるを得ない。
薄氷の外交は、続く。
ちなみに、氏の専門である北方領土問題は、まず2島というお考えであった。
理由についても、明確にご説明いただいた。
政府の公式見解とは異なるが、エセ同和的な組織が、交渉の前進をブロックしている。
竹島も、それ以上、韓国が領土を広げようという意思がない中、尖閣は、今そこにある危機という。
歴史的に見ると、必ずしも、日本は万全ではない。清と不平等状況を結ぼうとした際、当時の明治政府は、八重山の清統治を認めようとしたことさえあったという(批准はされなかったが)。同じく、明治政府が、尖閣の領有権を決定した際の閣議決定は、戦後まで非公開だったという。
日本としては、70年代前半まで、一度たりとも、中国が、尖閣の領有権を主張しなかった一点のみを主張すべきという。
面白かった!