本書は、本屋の平積みで見つけた。
深海生物についての興味は、小学校時代の、小学館の魚図鑑の見開きのページ。
リュウグウノツカイ、フウセンウナギなど、ありえない魚の世界が描かれていた。
その後、ジュールベルヌの小説を読んだり、ディズニーランドで、その疑似体験したり。
横浜ドリームランドのアトラクションについては、あえて割愛。
近時、ダイオウイカの生きている姿が撮影されたり、リュウグウノツカイの生きている姿が目撃されたり、ダイオウグソクムシが絶食記録を更新したり、結構ニュースが多い。
本書は、それらの深海生物の謎を、ディープに説明してくれる。
著者は、深海生物研究会。
まず驚くのは、巻頭の写真群。ありえない写真がずらっと。こんなおかしな姿の生物が、地球上に存在しているのか!
本書は3部構成になっていて、最初は、深海の奇妙な生物についての対談。2部が、深海調査の歴史。3部が、深海生物にかかるトピックスといったところか。
ノンフィクションミステリーとしては、最高水準の話が満載。地球内にこんなにミステリアスなことが。
認識を新たにしたのが、深海探査の歴史。
私が、図鑑を見て、感動していたのは、まだ深海探検などほとんど行われていなかった時代のことだった。その後、段々、探検が進んできたが、現時点ではまだまだだ。
とにかく、気圧が半端じゃない。その中に生物がいること自体謎なのだが、事実は事実。
太陽が届かないところに生物はいないという定説が覆されているが、その中での大発見は、光合成ではなく、化学合成で、生きている生物群がいたことなのだそうだ。
確かに習った食物連鎖では、光合成で生きている生物が、スタートだった。
本書で取り上げられている魚のほとんどは、私が図鑑で感動していた時にはまだ発見されていなかった。
深海生物に興味のない人でも、結構楽しめる本。
写真と説明がマッチしていたら、もっとよかったかな?