清張記念館に行ってから、数冊買った内の一冊。
松本清張の古代史ものとしては、古代史疑に続く作品と捉えられているようだ。
本書は、通史というよりは、古代史のトピックについて、深堀りする作品。
前方後円墳、三角縁神獣鏡、神籠石、装飾古墳などのテーマについて、深く掘り下げている。
ずいぶん古い本になるが、その後、いろんな発掘があったにもかかわらず、本書の議論は、まだまだ通用する。
それだけ、決定的な証拠が出にくいのが、考古学のいいところ?でもある。
例えば、前方後円墳。前方というが、今の参拝所は、円墳の方にある。通常、石館は、円墳にあるが、方墳にあるケースもある。では、本来どこから拝むのが正しい拝み方なのか?
前方後円墳の発展、配置等から見て、真横から見るのが本来の姿ではないかと見る。
三角縁神獣鏡は、どこでどのような目的で作られたのか?
神籠石は、山城なのか?
装飾古墳は、抽象か具象か?何を表そうとしているのか?
興味深い持論が展開される。
そして、説得力もある。
アマチュア古代史専門家の走りという一書と言えるかもしれない。