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「蘇我氏」と同時に発行された新書。
著者は、古代氏に関わる本と多くだされている吉村さん。
取り上げている期間は、オーソドックスで、蘇我氏が現れてから、奈良時代まで。
最初の一章は、総論的な章で、そもそも「氏」とは何を意味するのか。
また豪族が割拠したのは、なぜなのかを論じる。
この辺は、娯楽として?古代史に興味を持っている私のような者にとっては、目を開かされるところだ。
2章以降は、蘇我氏が権力を得て行く過程、絶頂期の成果、藤原氏に権力を奪われているところまでを、丹念に追う。
蘇我氏が、諸族を有し、さまざまな分野で、大和朝廷を動かしていたころは、まさに大和朝廷そのものであったようにも見える。
この辺は、蘇我氏の本流だけ追っていると見落としがちなところだ。
本書でも、大化の改新後も、石川氏として、歴史に名を残していることに触れる。
蘇我氏とは何かを知りたかったら、まず本書を読むべし?