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本書は、ちょうど、2回目の出雲から帰ったタイミングで出た。
早速読んだが、飛鳥や、平安京で、この手の本はあったが、出雲では初めてではないか。
著者は、出雲の出で、前回行った八雲立つ風土記の丘勤務を経て、今回も訪れた荒神谷博物館勤務をされている方。
まさに、ライト・パーソン、ライト・テーマ、ライト・タイミング。
正直、観光名所案内と思うと、もっとディープかつニッチである。
出雲大社など、ほとんどスキップ。
ただ、2回この辺を同じテーマでうろちょろした私にとっては、ちょうどいい内容。
確かに、地の人もディープなところまではなかなか行けないが、メージャーな神社や遺跡などは、本書を読んで行くと、味わい倍増間違いなし。
そういった意味では、ちょっと出版のタイミングが残念だが、内容はすばらしかった。
今回は、お寺には行かなかったので、ちょっとわからないのだが、平安時代に、密教のお寺が集中したところだそうだ。
岩倉の話も多いが、なかなか行くのはたいへん。
最初に取り上げられるのが、国引き神話。
西側から4回に分けて、国引きが行われ、今の出雲ができた。
三瓶山と、大山が、その基点だ。
意宇川の意宇は、国引きが終わった時の、おたけびだ。
神社の由来、お寺の由来、立石の由来等、忘れられてしまった話も含め、バランスよく説明してくれている。
大社造りと行っても、無意味に本殿内の構造が違うことを知った。
出雲大社と、神魂神社の、本殿の中の配置が異なっていたとは!
この謎はまだ解けていないそうだ。
何らかの理由があったはずなのだが。
藁蛇っていうもの初めて。
そういえば、今回の旅でも出会っていた。
不思議だらけ。
荒神谷遺跡、加茂岩倉遺跡の発掘の話は、リアル。
この世紀の発見を記録に残し、今も寄り添いながら、研究を続けておられる。
本書を詠んでから、また訪れたいところは、なんと行っても、風土記の丘近辺。
2回行っているのだが、点と線の世界で、面で、制覇したいエリアだ。
たぶん、1日あれば、回れるだろう。
古代出雲の中心地だ。
出雲を訪れる人は、マスト。
出雲の奥深さが垣間見れる。