今日も猛暑。
珍しく、外出予定もなく、雑用に明け暮れた。
森さんが、亡くなられてから、3年ぐらいたつだろうか。
著作集が5巻シリーズで出ていて、本書は、第4巻。
前の3巻も読んだが、まだレビューを載せてないかもしれない。
本書は、より古代史の時期に近づいたから、より興味深く読めた。
と言っても、書き下ろしではなく、断片的な論文を集めたものだから、私のような素人にはちょっと読みにくい。
本書を読んで、最初の関心は、やはり魏志倭人伝に出てきた倭人の話。
卑弥呼に送ったという鏡が三角縁神獣鏡であるという説を、完全否定している。
その手の鏡は、中国では発見されていないだけではなく、そのサイズから見て、もっと南から渡来したものとしか考えられないと断ずる。
素人は、いろんな論文から考えを発展させがちだが、森さんは、原書、現物に戻って考察されるから、気持ちいい。
数ある天皇陵の中でも、確かなのは、二つだけとか、とことん足で見た知見からの主張は、力強い。
この前行った出雲の遺跡からの発掘物についての評論も興味深いが、九州、四国との関連について、関心を示されている。
加茂岩倉遺跡の奥にある神原神社からの発掘品についての評論も。
古墳に奉納されたものではなく、祭祀用ではと。
とどめは、土塔で、崩壊寸前の時から、森さんは見ておられて、今は、その発掘物の断片まで、重文に指定されている。
知らないとは恐ろしいことだ。
森さんの、古代史における貢献を改めて思う。
このミステリー解きは、キリがないだけに、面白い。