本書は、本屋で見つけた。
Eテレの副読本だが、見損なっている。
ただ、興味があったので、ゲット。
講師の丸井さんは、中村元先生の孫弟子にあたるのだという。
学術的な話から、教典のディテイルまで、ブッダ最後の旅の記述にあるところに集中して、分析してくれている。
中村先生の本は読んだが、このように解説してくれると、理解が深まるうような気もする。
とにかく、仏典は、釈迦様が入滅してずいぶん経ってから、できたもので、それもそれぞれ、中身が違うので、なかなか本当はどうだったのかを知るのは難しい。
ただ、いろんな教典を読み比べ、その由来を追求していくと、真実らしきものが見えて来て、それが、結構人間らしかったりもする。
例えば、アーナンダを釈迦が責める場面があるが、マハーカッサバとの対立が背景にあるのではとか。
国語的にも不明な点が多い。
例えば、チェーティヤというのは、今もインドの仏教の遺跡にあるストゥーパを指すと思っていたが、教典では、霊樹という意味で使われているし、平家物語にもある、紗羅双樹も、2本だったのか、4本だったのか、8本だったのか。 日本では、8本説が主流のようだ。
灯と島が、同じ単語だったため、伝えられるに従い混乱が生じたが、それが、さらに、仏教の深みにつながったり。
仏教の真髄を理解するのに、助けになる一冊。
諸行無常。