かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

正倉院宝物

2022年02月02日 | Nara ( Japan )


今日は、正倉院宝物展に行った。
会場は、サントリー美術館。
昨日紹介した近代建築ベスト50にも選ばれている隈さんの作品だ。



ただ、美術館の中は、撮影禁止なので、その周り。
このビルと一体なので、全体が隈さんの設計なのか。



木が生かされており、言われて見ると美しい。
吹き抜けの建物は、多くあるので、今まで、特別に意識したことはなかったが。



入り口。
ここは、まさに美術館の一部で、木の香りが生かされている。



さて、この宝物展。
本物ではなく、全て再現模造。
正倉院展でも、少しづつ展示されてきたものだが、今回、正倉院に収められている様々な分野の再現模造品が一同に会した。
見たことがあるものも多いのだが、本展の特色は、その模造がいつ誰によって、どのようになされたかも説明されているところだ。

例えば、絹織物に使う生糸だが、通常流通されている生糸は、当時の生糸より、太く強くなっているそうで、当時の生糸は、皇居で、上皇后様が育てられていたそうだ。
茜色を出す植物の根も、皇居内でわずかに育てられていて、3年かけて、必要分量を準備したという。

当時の製法が、途絶えてしまっているものがほとんどで、再現をするためには、まず製法を検討することから始める。
材料も当時のものをそろえるのは、至難の業。
今は、輸入禁止されてしまっているものもある。
そういうものは、国内に残っているものを使う。
原品が完全に残っていないものも多く、これは、当時の類似品から推測し、再現する。
単なる模造というよりは、新たな創造と言ってもいいだろう。

この模造プロジェクトが、廃仏毀釈の反省から、明治の初めから始められており、今も一品に何年もかけて、丹念に続けられている。
当初のものは、誰が模造したかすら忘れられている。
模造自体も、長い歴史を刻んできた。

正倉院御物の当時の姿が再現されているだけでなく、その製作法、材料等も展示されており、通常の正倉院展と違った意味で、興味深い展覧会だった。
コメント
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