かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

工芸王国

2022年02月27日 | Culture・Arts



金沢には故あって、毎年行っているが、その工芸にフォーカスを当てた別冊太陽が出た。

漠然と、工芸がすごいイメージはあったが、江戸時代から、加賀藩全体で、振興し、それが今まで伝わったから、気合の入り方が違う。
外様大名の筆頭格であった前田家は、徳川幕府を常に脅かす存在であったが、武器関係に力を入れると、おとりつぶしになってしまうため、それに転用できる産業を興したのがスタートだという。

徳川幕府の敵でないことを示すため、芸事に打ち込んだというイメージもあったが、それだけではなかった。
取り上げられている美術工芸はたくさんあるが、その中でも特にスポットライトを当てているのは、金沢箔、加賀友禅、九谷焼、加賀蒔絵、加賀象嵌、金沢仏壇。
それそれの技術に思い入れがある。

金沢箔、加賀蒔絵は、まさに祖父が関係している。
祖父は、箱物を作る木地師で、景気のいい時には、弟子も多く抱えていたという。
家のあった町は、旧町名鍛冶町で、まさに城下町の周辺で、様々な物作りの人が住んでいた場所なのだろう。
祖父の作った箱に、蒔絵を施して、その作品は、美術館に展示もされている。
木地師の名は、残されていないが。
その蒔絵に欠かせないのが、金沢箔にある。
世界一の品質を誇る。

加賀友禅は、様々なところで、展示されるが、その美しさは、群を抜く。
京友禅と、江戸友禅に並ぶ、三友禅の一つという。

そして九谷焼。
ここで紹介されている職人は、母の同級の職人の弟さんに当たる。
金沢での有名な窯の三代目。
師の作品にも、いろんなところでお目にかかる。

立派な仏壇も家にあったが、家をリノベする時に、お坊さんを読んで弔いをしてから、志ある人に引き取ってもらった。
とてつもない豪華なものだったが、大きくて、なかなか普通の家には収まらない。

これだけ工芸で高いレベルのものが集まっている町として、金沢は筆頭格だろう。
これも、前田家の力によるところが大きい。
兼六園に残されている成巽閣も、前田家の代表的な建築だ。

著名な建築家や、哲学者を輩出したのも、このような金沢の文化的背景が一つの要因になっている。
これらの工芸の一部は、東京でも、アンテナショップや、福光屋さんで、触れることができる。
覗いてみては、いかがだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする