かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

魏志倭人伝の全文を読み解く

2023年03月15日 | Books


今日は、関西日帰り出張。
いい天気。

本書は、本屋で、見つけたのだが、新幹線の中で読み終えた。
内容の真偽は、ともかく、その論法が、楽しめた。

著者の伊藤雅文氏は、歴史研究家という肩書だが、とにかく魏志倭人伝と、関連書をディープに読み込み、いろんな新たな提言をしてくれている。
例えば、当時の地図作成技術のレベルから、当時の一里は、約70メートルと推察した。
そもそも、この魏志倭人伝の内容は、伝聞が多く含まれているという説が多いが、陳寿の役割期待、記述の詳細さから、全ての行程を自ら踏破した上で書いていると考える。
そして1里=70メートル説は、収まりもいい。

謎だらけの魏志倭人伝ではあるが、例えば、周旋という言葉の使い方を、当時の他の書物での使い方から、分析すると、通説でいう周回するというのではなく、たどり歩くと考えるのが、正しいと断じ、そう読んだ方が、辻褄も合う。

問題の狗奴国から、邪馬台国への行程の記述が、急に水行、陸行に変わるのは、当初は、里数が記載されていたが、後の時代に書写されていく中で、なんらかの事情で、削除された可能性があると指摘する。
その里数を、他の記述から推理すると、邪馬台国は、熊本にあるとの結論になるという。

単なる推理に推理を積み重ねたトンデモ本ではなく、緻密に関係書を読み込んだ上での、考察本であり、好感が持てたが、もちろん学者からは、さまざまな批判も浴びよう。
ただ、どちら側にも、確たる証拠がないのだから、どつちもどっちだ。
まだまだ、論争は、続く。
コメント
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