かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

ヤマトタケルの謎

2023年03月08日 | Books
今日は、在宅。
めちゃ、温かい。
GW?



本書は、出たばかり。
本屋で見つけた。

早速読んでみたが、微妙。
第1章のギリシャ神話との類似の話では面白かったが、第2章、第3章は、記紀を火のない所に煙は立たぬ的な論法で、やや平凡。
机上の話に終始したような印象。
ギリシャ神話との類似は、確かに感じられるが、法隆寺の柱のエンタシス説と同じで、ギリシャから日本への途中経過が見えないのが厳しいところ。
断片的なものは、あるが、なかなか線までは?

そもそも著者の豊田さんは、以前ヤマトタケルの小説を書かれた方ということで、研究者というより、作家。
キャリアを見ると、これまた不思議で、某有名大学の医学部を中退後、某私立大学の文系学部を卒業され、SF作家としてスタートされたようだ。
その後、某国立大学の教授も務められた。
確かに知識の広さと、面白さは、感じさせる。



たまたま金沢兼六園で見たヤマトタケル像の話も出て来た。
日本でも最も古い様式の銅像だが、高山の技術が、本銅像の建造に貢献している。
なぜヤマトタケル像かというと、西南の役で、縁もゆかりもない九州で戦死した英霊に捧げる像で、同じ九州で戦ったヤマトタケルに準えたのだという。
そういえば、靖国神社も、西南の役がきっかけだったか。

第4章では、ヤマトタケル実質天皇説をざまざまな証左から論じ、第5章古代史学会が、左翼思想に乗っ取られたのではと説く。
これもややうがった感じで、戦後の教育と違って、古代史学会が、特に、左翼思想とも思わないし、記紀が天皇を美化しているとも元々思っていない。
ということで、いろんな蘊蓄は面白かったが、軸については、新味は感じられなかったがいかがか。
コメント
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