本書は、本屋で見つけた。
まだ、出たばかり。
凄い本。
凄い本と言っても、中身という意味ではなくて、私にとって、大学でお世話になり、社会人になってお世話になった偉人2人が、1冊の本にまとまっているという意味で、凄い本。
内容もしっかりしていてよかった。
二人の人生を、幼少期、青春期、壮年期と丹念に追い、その共通点、違い、接点などを、うまくあぶりだしている。
一言で言って、やはりすごい2人だったということ。
常人ではない。
共通点とすれば、単純化すれば、二人とも必ずしも、恵まれた環境で育ったわけではないが、学問に秀で、努力家で、江戸末期から、明治への激動の中、海外に渡航。そしてその成果を福沢は学問に、渋沢は実業で活かし、近代日本の父になったということになるか。
異なる点も多い。例えば、福沢は和服好き、渋沢や洋服好き?
カバーにもあるが、論語に対する考え方の違いもよく言われる。
ただ、本書によれば、福沢も渋沢も、論語の精神は評価していて、古い考えに固執することについて、二人とも、否定し、常に、新しいことにチャレンジしていたといういこと。
その通りと思う。
福沢にも、渋沢にも、勇足ともいえる失敗もあるが、常にチャレンジし続け、人生の大きな目標を達成。
福沢は、西洋かぶれと批判されることもあるが、本書を読むと、それは当たらないこともわかる。
岩崎弥太郎や、大隈重信、その他明治維新にかかわった元君などとの接点にも触れられ、明治初期の群雄割拠の様子が、迫力満点だ。
NHK大河ドラマで、渋沢がどう描かれるかわからないが、ますます楽しみになってきた。