CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

傾国子女

2013-05-27 20:04:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
傾国子女  作:島田雅彦

先日、夏目漱石の番組に出ていた先生だと、
はた気づいて読んだ次第であります
イラストが、どっかで見たことあるけど誰だろうな
こっち見られてる感が強すぎて、ちょっと恥ずかしいな
などと思っておりましたら、
テルマエロマエのヤマザキマリさんでした

そんなわけで、読み終えたのでありますが、
内容は一人の女子が数奇な運命に翻弄されて、
なんかそれにかかわるいろいろな人も、全て翻弄されて、
誰が翻弄するとかでなくて、ただただ、
みんながみんな、あっちこっちに振りまわっているといった
そんな内容のお話でありました
題名のとおり、国を傾けるほどの美女である主人公が、
女を高く売るというか細い方針に従って、
若い頃はうまくいき、年を食うほどにうまくいかなくなる
そんな感じに見えなくもない
ギャグといえばギャグのような、でもシリアスというか
適度に仄暗い感じでありました

次々と、男が出てきて、なかなかな辱めを受けてといくんだが、
まぁめげないし折れないというあたりが見事な主人公
それを、もう一人の自分といいながらかいがいしく見守る友人
実質、この友人との愛情と友情のはざまみたいなのが
描きたいそれだったんだろうかなと
思わなくもない内容でありましたが
ともあれ、楊貴妃のように、自分に悪意なく
国を傾けていくそれという、美貌に振り回されるそれであるものの、
もう少し小賢く、小生意気なところが
暗くなりきらなくて面白かったように思います

最終的というか、なんか途中から、
どうにも政治くさいというか、青臭い説教くささのようなのが
見え隠れしだして、非常にがっかりだったのでありますが
ああいう女は、暗にしてそういうのにひっかかると
そういう話だったんだろうかなと思わなくもないところ
いや、多分、作者の思想なんでしょうが、
面白かったからいいか

だんだんと尻すぼみになっていくというと
聞こえが悪いのでありますが、男のランクが
上がったり下ったりしていくあたりが、なんとなし
リアルといえばリアルなのかもしれないと
思わなくもないのでありました、
もうちょっと、こう、なんかあれば、
あるいは、NHKの夜ドラあたりになるんじゃないかなと
ちょっとだけ考えたのでありましたとさ
いや、ぴったりじゃないか、むしろ