CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】フーガはユーガ

2019-04-15 20:41:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
フーガはユーガ  作:伊坂 幸太郎

ある双子の物語でありました
敵役は、相変わらず胸糞悪い奴というか、
本当にろくでもない奴で、酷い有様だと思わされるんだが
そこになんとか対抗する、今回は組織だとか
もう、どうしようもないそれではなく、
個人であるというのは面白かったんだけども
最終的には、なかなか悲しい物語でもあったと感じたのでありました
面白いのであっという間に読まされてしまったけども、
すっきりさっぱりとはいかない
そんな物語でありました

すっきりしなかった理由は二つあるんだが
ネタバレなので書けないのだけども、
少々もやもやを抱えたまま、でも、人生そういうものかとも
落胆ではないが、思わされたりする
選ぶことのできない境遇、そこでどう生きていくか
どう振舞ってきたか、誰もが自分の人生を自分で生きていて
他人にそこまで関わっていられないとも感じるが、
それでも、やっぱり関わってしまう
人間世界はそういうものだなと
孤独ではいられない、関わりあってしまう物語が堪能できたのでありました

重たい背景を背負った物語だけども、
それとは関係なく、素直に自分の気持ちに従って生きる
そういう姿にも見えて、すっきりしないまでも、
前向きな気持ちで終えられる一作

いだてん  新世界

2019-04-14 20:58:45 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「いだてん」
新章突入でありました
前回までのあらすじというか、引きを紹介しつつ
日本が大きく変わっているというところの紹介
ついでに、新しい人物たちの登場と
まぁ、ぱたぱた、イベントをこなしていくかの如く
話が進んであっという間でありました
見ていて感じたんだが、ちょっと番宣のCMで
紹介しすぎだったんじゃないか、
あの内容、何話分かと思ってたのに今回一回分で大半じゃないか
ドラマ見たのに、なんか知ってる話みたいな気分になってしまった

とはいえ、面白く見られたのは確かでありまして
個人的には、天狗倶楽部の行く末というか、先のことが楽しく
ひとつの青春が終わったみたいな描かれ方は
とても好きな感じでありまして、うおーとか言ってた姿が
楽しく、そして、少しだけ寂しくてよかった
何回も、ここに至るまで前のシーンを見せるという手法がとられたけども
今回のは、効果的というか、時代が過ぎた感じを覚えて
好きな感じでありました、みんな年齢を重ねてしまったけども、
やっぱり立ち返るようにして、奮えーは、
心に響くものがありました
三島天狗は今後も出てきそうだけども、
天狗倶楽部は、最終回あたりでもう一度やってくれるのかなぁ
なんだかんだ好きな集団であったと
思うのであります

あわただしい物語はすぐすぐと進んで、
新しい女教授と、スポーツの意義についての解説があって、
そして、四三に嫁さんがというところでおわりと
同時並行の志ん生の方も気になるんだが
ともかく詰め込みすぎじゃねぇかというあわただしさを楽しみつつ
今週終わったのでありました
来週も楽しみである

【読書】ドライブイン探訪

2019-04-13 20:23:05 | 読書感想文とか読み物レビウー
ドライブイン探訪  著:橋本 倫史

全国のドライブインをインタビューしたり、
探してみたりといった記録を綴ったルポでした
凄いまじめな本で、ちょっと驚いてしまった
もっとおちゃらけた、面白おかしい感じで、
昭和の懐かしさみたいなのを紹介なんて
そういう本とはまったく違う、
今もなお営まれているドライブインを訪れて
その往時を振り返っていただき、
その声をしっかりと拾っていくというのが、
確かに昭和の懐かしさを思い起こさせるのだけども、
ずっとずっと哀愁漂う感じで
なんとも、しんみりしたのでありました

私も昭和生まれの端くれではありますが、
正直、ドライブインはあんまり記憶になく、
今でも、ちょっと内陸のほうに出張なんかで営業にいくと
そういう店が残ってるなとも思うわけなんだが、
そこで自販機だけのオートレストランなるものがあったりとか
それがまた、ハイカラであったなんてのは
想像の外であると思わされたりしたのであります
真面目に調べている分だけ、そのあたりの詳細も面白くてよい

どこも高齢化が進んでいたり、
どっこい、今も繁盛していたり、
既に廃墟となっていたりと
様々な姿が記されているのだけども、
いずれも昭和の時代、上り調子を経験していて、
それがまた、今も昔となっているというのが無常を感じるところ、
その頃から30年、あるいは、40年というところで
この役目が終わろうとしているんだろうかなとも
思ったりするのでありました

トラック運転手の憩いの場になっているところも多いようで、
それもまた過去にとりこまれていきつつあるのだなと
時代も感じるところでありました

しかし、どこの店も、飲食店はやったことがないという人たちが
見よう見まねで、あれこれ料理を作り出したりということばかりで
そういう時代だったと考えると、今のファストフード華やかなりし時代からは
ずっと離れたそれなんだなと思わされるのでありました

高雄郊外を巡る旅 12 佛光山あれこれ

2019-04-12 21:23:15 | 高雄郊外を巡る旅(2018)
2回にわけず、前回のに混ぜておけばよかった

そう反省しつつ、佛光山を散策であります
そろそろお昼の時間ということで、お昼ご飯を食べられるところへと足を向けます
ここで、あんまり写真を撮ってこなかったので
情報のみみたいになってしまうのでありますが
「朝山会館」という施設がありまして、
ここでなんと、お斎をいただけるという太っ腹なところで、
浄財を少々入れたら、あとは食べ放題という食堂
早速そこで、食べてみることに


もっとあれこれいっぱい盛ったり食べたりしたんだけども、
いわゆる精進料理がてんこ盛りにございまして、
袈裟とかつけてるお坊さんも山ほどいて
なかなかの賑わいでありました
肉は使っていないはずなのに、かなり美味しくて
肉のような何かもふんだんに使われていて
相当にレベルが高いというか、とてもおいしいのでありました
これカロリーとか低いだろうから
凄くヘルシーかつ美味い料理ということなんだろうか

台湾で素食という、いわゆるベジタリアン的な食事があると聞いていましたが
それに通ずるものがあるのか、野菜を炊いたものばかりなのに
どれを食べても、とても美味しくてちょっと驚いてしまったのであります
大変美味しくいただいたのでありました


元気を取り戻したので、また散策を開始
実際の順番と違いますが、ともかく目に付いた建物をあれこれ
まずこの写真が、朝山会館、地蔵殿からそちらに向かう際に見えたのであります
かなり広いので、歩きまわらないといけないのが大変ながら
老いた父親を引っ張って回りました


朝山会館から、大きな広場に通ずる門
されど、工事中のためくぐれない


玉佛楼
壁に仏さんが埋め込まれている建物
これは左右一対になっておりまして、片方だけでありますが
写真じゃわからんが凄い大きい



藍毘尼園
いわゆる憩いの場、庭園がありまして、
蘭がそこかしこに植わっていました、ステキすぎるだろうよ
見たらわかるように、実際は蘭の葉と別のもので、
二つの植物をくっつけて植栽してあるんだが
かなり見事でありました


外には、ブーゲンビレアの壁なんかもあったりして
花も見事でありましたとさ


そして、もっとも残念だったのがここ
浄土洞窟、工事中
ここが、噂によれば、阿弥陀経の世界を立体化したという
もう、それだけで楽しそうで仕方ないと
期待して見に行ったのに残念きわまりないのでありました
またいくことあるかなぁ
光輝くお釈迦様とか出てくるらしい

と、まぁ、そんなわけで、流石に力尽きたというか
ちょっと疲れてしまったので、休み休み仏様というか、
大型建築物を見るだけになってしまいましたが、
ぐるぐるとなかなか楽しめたのであります


名所のひとつである不二門
こちらも工事中であります
そこかしこがこんな按配だったので、
正直消化不良なのだけども、仕方なく次の目的地へと向かうのである
父親があまりにもくたびれてしまったので
お年寄り向けのゴーカートに載せてもらって移動しました
一番奥の大仏殿から正面玄関まで載せてもらい、
さらにそこから、リムジンバスで、仏陀記念館へと移動していきます

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ドラマ  浮世の画家

2019-04-11 21:29:35 | ドラマ映画テレビ感想
随分難しいドラマだった
多分、原作が難しいのでしょう
カズオ・イシグロの代表作のひとつなのだそうで、
原作未読なのでどうだったのかわかりませんが、
ある画家が、自分の過去と向き合うためのお話だったんだが
まぁ、なんといったらいいか、
難しい、そういう印象で終わったのであります

過去の自分が何をしてきたか、
それを封印したのは自分なのだけども、
それをどういう思いや気持ちでしてきたのか
忘れていたそれを思い出すという
恐ろしい作業を追い立てられて過ごしていくという
ちょっとサスペンスというか、ホラーにも似た怖さがある
人間ドラマであったように思いました

自分が過去にしてきたことを
ある時点でなかったことにしていて、
その事実すら忘れていることで
何かから逃れてきていたように
さりとて、その過去を暴くのは自身で、
おそらくは、潜在的に後ろめたさのようなものを覚えて、
それが己の過去を暴くことに向かわせていると
そんなことだったんじゃねぇかなと
思ったわけでありますけども
まぁ、なんというか、難しいわ

生きていて、自分を裁くというべきか、
最後にどう思うことができるか
それは自分にしかできないと
突きつけられたようにも思うし
それは、他人にばれてしまうことでもあろうか
孤独とは異なる、怖さを覚える一作でありました

8Kだったそうだが、テレビの性能が悪いので
その点についてはよくわからんのでありますが
面白かった

【読書】文系と理系はなぜ分かれたのか

2019-04-10 20:57:35 | 読書感想文とか読み物レビウー
文系と理系はなぜ分かれたのか  著:隠岐 さや香

タイトルの通り、といいたいところでありますが、
文系と理系とはそもそもなんなのかと
学問の歴史に触れながら、また、洋の東西による違いなんかも説明して
いっそ、文化史のジャンルにもなりそうな内容で
なかなか楽しく読めたのでありました

古くは学問のジャンルが違ったという話もあったり、
実学、虚学という論争があったりと
様々を経て、今、文系と理系とわけているけども
その内実は、ここ数年でも変わっているというのが実情で、
いわゆる理系と、それ以外みたいな分類もあるようで
アカデミアというか、学問という象牙的な何かの論争は
続いていくというお話でありました

面白いと思ったのは、なんとなし、日本では理系は男、文系は女と
ふんわり別れているというか、誰もがそう思っている節がある
その雰囲気が、そういう実情を助長しているという指摘で、
なるほど、小さい頃から、なんとなくそういう空気を感じ取って
男は数学やらないと、女は文学やらないとと
別れていくような感じにもなっているのが問題だそうで、
実際は、そこに性差はないと考えられるとのこと

結局数学とかは好きか嫌いかというのがポイントであると
当たり前のところに落ちるようなんだけども、
今更、そう生きてきた、いわゆる先達たちが山ほどいるなか
そうじゃないと新しい地平を開くのは大変であろうと思うのである
けども、カナダあたりでは、既に男よりも女のほうが
様々な学問分野で進んでいるんだそうで
なんなら、人間への理解や、寛容という部分において秀でているので
出世する女性が多いとのことは
なるほどとも思わされるのでありました
日本の何が遅れているって、女性が出てこないという指摘は
ようやっと理解できるレベルに落ちてきたと
思わされたのでありました

これから、この分類もやがて滅びるのかもと思うのだが、
垣根を越えたというか、そういう問題ではないところで
学問は続いていくのであろうと
当たり前のところで落ちるけど
面白く読んだのであります

高雄郊外を巡る旅 11 佛光山 地蔵菩薩

2019-04-09 21:05:28 | 高雄郊外を巡る旅(2018)
今回の旅のメインであります


とりあえずバスに乗って移動していくわけですが
前回書いたとおり向かう先は「佛光山」
台湾の大きな仏教宗派のひとつでありまして、
そこの総本山といっていいのか、とてつもない仏教施設であります
宗教としては新興といって差し支えないのでしょう
資料によれば1967年創建とのことである

うっかり正面やらの写真を撮るのを忘れてしまったので
とりあえず到着したところからスタートになってしまうのだけども


凄い回廊が待ち受けている

とりあえずの全体図
相当広いと聞いていたので、父親がちょっと嫌がっていましたが
なんせ凄いから見に行くぞとハッパをかけていざ出陣
まず、目指すのは地蔵殿


道すがらからちょっと見える、超でっかい仏像、大仏城と呼ぶらしい

回廊を突き当たったところに
よくある観音様が水を与えるモニュメント
この手前に鐘がありまして、お金を投げつけて音を鳴らすというものである
そりゃやっておかないとと、日本円の5円玉で無事鳴らす
父親が何度も外すので、えらい散財してしまったが
それもまたよろしいとしておく

そこそこの人入りをしていまして、
仏教テーマパークの名前にふさわしいというか、特に信者とは別の人たちも
わんさかあっちこっちで見られるのがステキでありました
とりあえず、回廊を抜けたところから
目指していた地蔵殿に向かう


居並ぶ地蔵たち、まさに地蔵殿

まずはこの殿にのぼり、中で本尊とご対面


こんな感じでありますが、凄い綺麗で立派なのであります
表側に鐘を搗くところがありまして、
3回鳴らせとの標識を見て、がつんがつんとやってみる
ここで力を入れすぎたというか、
なんとなく、こういう時は力いっぱい鳴らすのがよいもんだと思っていたので
最大限の音を響かせて喜んでいたら
中からお坊さんが出てきて、凄い怒られる
どうも日本と勝手が違うらしい、静かに鳴らせと渇を入れられて
父親と二人しょんぼりしたのであります


気を取り直して大仏城に向かう
たくさんの地蔵さんがお控えなすっての格好で並んでいるのだが
その奥にとてつもなく大きな仏像がおわします


巨大すぎる…、資料によれば40mあるそうな
あまりの大きさに慄きながらも、しっかとおまいりして足元に近づいてみる


このあたりが、少しガンダーラっぽいというか、
ペルシャっぽい感じの彫り物で足元が飾ってありました

この大仏、城という名前にふさわしいことに中へ入ることができまして
残念ながら撮影不可のため、写真はないのだけども、
壁面いっぱいに細かい細工で仏像が彫られていまして、
中には別の仏像がおわします
そこへ花を手向けるようなイベントを実施できるようになっておりまして、
なんかわからんが、とてもありがたい気持ちになって出てくることができたのでありました
なかなか凄いぞ

とりあえず一つ目の目標を終えて、次へと向かっていきます
先は恐ろしく長い

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【読書】サラリーマン2.0 週末だけで世界一周

2019-04-08 21:15:25 | 読書感想文とか読み物レビウー
サラリーマン2.0 週末だけで世界一周  著:東松 寛文

リーマントラベラーなる、タイムスクープハンターみたいな語感の
まったく新しいジャンルの生き方を提唱というか
そう生きている人の姿をまとめた本でした
大変興味深いというか、面白かった
いいなぁと思える

サラリーマンをして、仕事をちゃんとこなしながらも
週末は海外旅行にいくというのを生きがいとして生きているんだそうで
社畜として働いて、死んだ目をしていたときに、
一念発起して旅をしてみたら、思いのほか楽しい
というか、めっちゃ楽しいと気付いて、
週末になんとか旅行するために生きようと
働き方を劇的に変えた、というか、変わったというお話でありました
タイトルの通り、最終的には週末だけで世界一周してしまったらしく
なかなかというか、すげぇなと驚いてしまったんだが
ともかく、あっちこっちにいって、そして
身振り手振りでなんとかするということが楽しいと
そういうことが綴られていたのであります

ああ、凄いわかる

と、台湾限定で、遊びにいきまくっている自分が
まさにそうと、同意したくなるんだが
だいぶぬるいので、実際はもっと凄いことなんだけども、
週末というか、何か仕事とは別のもので自分を発揮するような
不思議な感覚というのが、とても楽しいし
トリガーとして強いというのに
物凄く共感したのでありました

本書では、休むコツとか、手早い旅行の仕方なんてものも重点的に説明していて、
特にサラリーマンをしながら、いかに休んで旅行にいけるようにするか
このあたりの細やかな気遣いみたいなのも書いていて
ちょっと面白かったのでありました、
こういうことをやれるようになって
不思議と仕事もできるようになって評価があがったそうで
それが一番だなと、思い知らされるのであります
週末にやりがいを持って生きるというのが
いい人生だと、つくづく思い知るというか
思ったりするのでありました

毎週海外旅行いってても、結局250万円で済んだそうなので
やり方次第でなんとでもなるんだろうなとも思ったりするんだが
それが昂じて、年間50回くらい講演までしているというのは
働きすぎではないかとも心配になる

サラリーマンといいながらも、広告代理店だそうなので
ポテンシャルというか、何か違うんだろうと
思ったりもするのだが楽しい本だったのでよいのだ

【ドラマ】江戸川乱歩短編集 D坂の殺人事件

2019-04-07 23:03:11 | ドラマ映画テレビ感想
NHKのドラマであります
シリーズらしいのでどうも続くようですが、
いだてんなかったし、せっかくだからレビウっておく次第

江戸川乱歩作品は読んだことがないので、
はたして、どれくらいどうだったのか
そのあたりはさっぱりわからなかったけども、
凄く楽に見られて、それでいて面白かった
推理小説をテレビで読んでもらった
そんな感じにもとれる
劇団風のつくりが心地よい作品だったと思うのであります

内容は、いかにもというか
カストリ雑誌にでも載っていたのかと
三丁目の芥川先生を彷彿とさせる
エログロな内容で、はじめに生傷がたえないという話が出た瞬間に
そういう話じゃないかしらなんて思うほど
自分もかなり毒されているなと
ちょっと反省してしまったのだけども
その雰囲気をインモラルな感じというか、
淫蕩で、みだらな内容のまま、さりとて下品にならないように
実にうまく処理していたというか
さらっと描いていたのが、個人的に凄い好印象だったのであります
下手にエログロならないでも、あれだけそれを伝えられて
そして、物語はすっかり落ち着いてしまう
これはいいもの見た

と、まぁ、褒めるほどのものだったか
ちょっとした、小劇場というべきか
コントの延長みたいな内容だったけども、
そういう雰囲気も含めて、非常に面白いドラマだったと
思ったのでありました
しばらくこれは見続けたい

【読書】大統領失踪

2019-04-06 21:35:46 | 読書感想文とか読み物レビウー
大統領失踪  作:ビル・クリントン

まず作者に驚いた、あのクリントンが?
そんな風に思ったのですが、有名作家とのコラボ作品なんだそうで、
大統領の生活描写のリアルさと、政局の生々しさが売りとのこと
本当かどうかは、知るはずもないのだけども、
読んだ感想としては、これでもかという
コテコテな、アメリカ大統領物語

いまどき、タフでマッチョな大統領が愛国心を燃え上がらせて、
物理的にも、頭脳的にも戦うというのが
いっそ清清しいというか、物凄い勢いで展開されて
エンタメとしてこの上なく楽しかった

本当にもう、ハリウッド映画を見ているかのようなというか、
徹底的にエンタメを堪能させてくれる内容で、
サイバーテロが主題なんだけども、
テロリストとのやりとりを野球場で行ったりだとか、
大統領がちょっとした変装をしてSPを伴わずに一人で奔走するだとか
まぁ、だいたい、そんなわけないだろうと
そういう展開ばっかりなんだが、
ただただ、そういうヒーローものとも呼ぶべき展開ばかりに
圧倒的な力というか、推進力を見るのでありました
読んでいて、押し切られたという感想が近いのかもしれん

あまり深く考えてはいけないと、
そういう感じなわけでありまして、
言っちゃなんだが、バカ映画的な清清しさがあるというか、
非常に楽しめたと思うのでありました

各国の首脳とのやりとりやら、
やっぱりロシアとどうしたこうしたというあたりが、
クリントンが関わったならではなんだろうかとも
思ったりするところ
最近のアメリカ物では、中国が台頭してると聞いていたけど
そんな極東方面は、ちょっとだけ北朝鮮絡めて出てくる程度で
このあたりも、昔ながらのというか
今というよりも、少し前のという印象のある内容でありました

これを楽しめたというあたりが
自分もおっさんだからなのか
わからんが、楽しかったし、いいかと思うのである

ドラマ  まんぷく

2019-04-05 21:19:52 | ドラマ映画テレビ感想
NHK朝の連続テレビ小説「まんぷく」
楽しく視聴を完了しました
久しぶりに、じっくりと見入って楽しめた一作でありました

何がよかったって、安藤サクラさんの演技を始めてみたんだが
あまりの上手さに驚いたというところ
本当にもう、抜群に上手いと演技に見ほれてしまったのであります
凄いわまったくもう

具体的にどのあたりがといわれると難しいんだが、
わざとらしい演技を演技するといったらいいか、
凄いナチュラルに演じている最中に挟み込まれる
絶妙なコミカルさというのが完璧で、
その笑いというか、明るさがドラマ全体に物凄くよい影響を与えて、
ほんわかと見ていられたのがよかったと思うのでありました

話については、ちょっと、萬平さんがなんでも発明しすぎというか、
思いつきすぎじゃねぇかなと思わなくもないところだけども、
まぁ、福ちゃんも未来人かと思うように
あれこれヒントを与えて、このあたりのテンポの良さも
見ていてよかったところでなかろうかしら
ちょっと、同じパターンばっかりだと
思ってしまうこともあったけど、それが、定番化しているというか、
世良とお母さんが反対したら、大成功するというテンプレが
いつもいつも見事で楽しかったのでありました

その、世良とお母さんの演技というか
キャラクタも見事でありまして、
世良の胡散臭さが、普通には出てこないほど
圧倒的な胡散臭さで驚いたのもさることながら、
お母さんのうざいのに、なんか可愛い気がしてきたというキャラクタ
そして、病気で倒れたときの顔の美しいこと
やっぱり女優さんは違うなと、もともとの美人さが感じられたのでありました
まったく余談である
序盤で、萬平さんが腹痛で倒れた際に、ずっと疑ってかかっているのが
本当にもう、凄いツボで、あのうざさと、可愛さの同居は
松坂慶子さんにしか絶対出せないなと感心しきりだったのであります
一番覚えているシーンがそれってどうなんだと思うが
凄い強烈だったと、未だに目に浮かぶようである

全体的にほんわかと楽しい感じで、
しかも、辛い別れや、死というものが出てこなかったのが
珍しいところじゃなかろうかとも思いつつ
次回のなつぞらも楽しんでいきたいと思うのでありました

しかし、まんぷくはいい物語であった

高雄郊外を巡る旅 10 旗山孔廟とバナナサンデー

2019-04-04 21:15:56 | 高雄郊外を巡る旅(2018)

わいわいと喧騒は続いております




こんな写真ばっかりいっぱい撮ってしまったので
とりあえず供養がてら貼っておくのですけども、
凄い活気で楽しいことこの上なかったのであります
別に何を買うわけでもないが、
この喧騒の中にいるというのが好きなんだな

ぐるっと、朝市を堪能したので、そろそろ名所を見てこようと移動


旗山武徳殿

なんの建物かは知らないのだけども、日本家屋風で、中で個展をやっておりました
どうも現代美術家のようで、絵画を何点も展示販売していました
日本植民地時代に、武術と道徳を教える場所だったようで、
いわゆる道場なのでないかしら
この道場から見える位置に、鼓山公園という場所がありそちらへさらに移動


鼓山公園入り口
結構な長い階段を上っていく必要があるのだけども、
上り詰めた先に孔子廟があると聞いておりましたので、
早速駆け上がってみることにする
父親は、上り坂はしんどいので無理ということで留守番ではないが
ちょっとそこらをぶらぶらさせておいて、一人走っていくのでありました


階段を上っていくと鳥居を発見、いや、なんかおかしい


たどり着いてみれば、道路が走っておりまして、
その壁面に鳥居が描かれていました
どうにも、このあたりに古くは神社があったようでその名残を見るというべきか、
神社を復興するではなく、そういうものがあったと
モニュメント的におかれているようでありました
これはこれでなかなか面白い


さらに上ったところでようやく、孔子廟を発見

中は結構広くて、今まで見てきた孔子廟の中でも相当のサイズだと思われる
ともかく大きい

サイズは大きいけども、中身はどこも一緒というのが
孔子廟のよいところというか、安心なところでありまして、
こういう回廊に

額縁が飾られておりまして
ほかの孔子廟と一緒なのでありました
見晴らしのよいところではあるけども、結構上ってこないといけないので
年寄りには向かない場所だと思うのでありました
もっとも、駐車場があって、いっぱい車が停まっていたので
地元の人はそうやってやってくるのかもしれない


孔子廟のことを父親に報告しつつ、とりあえず移動
ぐるぐる歩きまわったので甘いものというか、
旗山まできたらバナナを食べなくてはならないと
有名店と噂の枝仔氷城旗山総店に立ち寄ります


バナナサンデー  89元
結構大きいものだったので、一つ頼んで父親とシェアしたんだが
甘くてうまいバナナアイスでありました
チョコレートとバナナという、当たり前の組み合わせが
すこぶる美味しくてよかった

このほかにも、バナナアイスだとか、バナナケーキだとか
様々なものを店内で売っていたのでありますが、
とりあえず名物であるバナナサンデーを摂取できたのでよしとして終了
まずまず楽しめたので、お昼を前に、次の場所へと移動を開始するのでありました


つげ義春的な何か

バス待ちの時間が少しあったので、
このほかにも、変わった形の建物やら、川沿いに大きな橋がかかってるので
それを撮影にいったりと、なんだかんだ、満喫して過ごしていたのでありました
乗りたかったバスをうっかり過ごしてしまったんだが、
別のバスで「我想出仏光山!(ウォーシアンチュー ぷーくぁさん)」と伝えたところ、
運ちゃんがにやりと笑って乗れといってくれたので
通じたことに感謝しつつ、次の場所へと向かえたのでありました
ティアドロップ型のサングラスしているおっちゃんだったんだが、
サムズアップで答えてくれて嬉しかったのである
写真撮りたかったわ

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NHKスペシャル  詐欺の子

2019-04-03 21:46:02 | ドラマ映画テレビ感想
面白いというか、重たいドラマドキュメンタリだった

俺俺詐欺の実情というか、
実話を基にして創られたという
かなり重たい内容でありました
中学生くらいの子供が、小遣い稼ぎのようにして、
詐欺の受け子をやっていたというのが
結構生々しくて、それを紹介したから紹介料をせびったり、
すごいさらっと描いているけども、
ああいう世界観というか、実際そういうものなんだろうなと
悪い子ネットワークとでもいうか、
そんなものを見られて、大変興味深かったのでありました

NHK名古屋制作で、名古屋での事件を元にしていたようなんだが
あれで1億も稼いでいるとか、もう、なんといったらいいか、
凄い世界だなとそこでの倫理と、そこに入り浸る人たち、
結局それは、つながりから発生していて、
そういう環境が産んでいるというのが
まぁ、なんとも酷いとそういう少年少女たちのことも
同情ではないが、理解とまではいかないまでも、
背景が見てとれたようでよかったのでありました

まぁ、そういったことを感じながら見ていたんだが、
何よりも、騙された人が社会的に孤立したり、自殺したりとか
そんなことにもなっているというのが結構ショッキングで
社会ってそういうもんかと、
この犯罪が起こる環境、起きた環境、どちらにも衝撃を受けたのでありました
嫌な世の中だなぁまったく

裁判の傍聴も含めて、被害者の証言と、戸惑いというのが
まぁ、なんといったらいいか、凄い重くてよかった
見ていられないほど辛いものだったけども
そういう世界が今もって、そこらじゅうに広がってんだなと
深く考えさせられたのでありました

しかし、ああいう組織も実に上手く運用されているというか、
いっそ、ちゃんとした会社ほどしっかりとルールを決めて、
営業をかけているというか、手法とやってることが違うだけで
中身は一緒なんだというのもまた、考えさせられたところでありました
なんだったら、働いているという分においては、
あの組織のレベルはきわめて高いんじゃなかろうか
やる気のない怠惰な会社員として思ったりしたのである
まぁ、悪いことをしているという致命的な部分があるから
仕方ないところなんだけどもな

カメ止めの人が出ているのにちょっと笑ってしまったんだけども、
ドラマ全体もよかったし、深く心に刻まれたものを見たと
思ったりしたのでした

ドラマ ひよっこ2

2019-04-02 21:32:47 | ドラマ映画テレビ感想
ひよっこの続編ということで
しれっと平日にやっておりました
見ていて、あー、こういう感じだったなぁと
オープニング聞いて、なんか凄い時間経った感じがするなと
驚いてしまったんだが、実際に、結構時間経ってんだな
月日の流れは残酷だ

内容中に、さらっと、まんぷく批判というか、
即席めん批判が入っているのが面白かったのだけども、
それ以外は、本当にもう、いつもどおりのひよっこという感じで、
まぁ、特に何か事件が起こるわけでもないし、
何があることでもない、
ただただ、平々凡々と、安穏とした世界が描かれているだけで
この平らな感じがひよっこだよなぁと
世界にとっぷり浸かったのでありました
しかし、本当、なんの物語だったかと聞かれると
何も答えられないほど、特に何もなかったのが
驚きで仕方ないところなんだが
まぁ、面白かったというか、心が平穏を得たように思えたので
よい視聴だったと思うのである

鈴子さんの体調がという不穏な展開かと思えば、
温泉行ったら治っちゃったという、なんだそりゃと
思わなくもないところだけど、
そこに、戦中を生きた人が新しい楽しみ、
本当の平和を得ていくというところを描いたような
そんな大層な話でないよと突き放したような
毎日があることのありがたみみたいなものを
感じられる、説教臭さがほとんどないのに
本当にいい話であったなと、つくづく染み入ったのでありました

これとは別件だけども、
ここのところ続いている、朝ドラ特番を見ていたら、
ひよっこのために、有村さんが5kgも増量していたというのが
結構衝撃だったのだけども
今回もそうだったんだろうかしらね
ヒデとのいちゃいちゃするシーンばっかりだったけども、
なかなか楽しそうでよかったな

【読書】ザ・ゴールドマイン 金脈が眠る工場

2019-04-01 21:35:14 | 読書感想文とか読み物レビウー
ザ・ゴールドマイン 金脈が眠る工場  作:フレディ・バレ

副題に「小説トヨタ生産方式」とあるように、
カイゼンやら、カンバンやら、5Sやらと
世にも有名な品質管理に関するそれこれを扱った小説でありました
実際的なというか、かなり細かに数字も出てきたりして
なかなか興味深いものでありましたが、
根幹に関わる考え方について、
小説で学べるというのはなかなか楽しいものであります

何かを生産するということについて、
何を基準にそれを考えていくか
生産する際の無駄とはどこに発生しているかを時間概念から
少しずつ詰めていくといったところでありまして、
作業を単位に分けて、また、必要な作業量から逆算して行程を決めてと
そんな具合でもあるわけだけども、
作業が滞る場所を潰していくという方法は
別に生産現場じゃなくても、事務仕事ですら必要なところだと
痛感するのでありました
だから、俺の仕事はいつまでも、あんななんだとうなだれるばかりである

価値を付加する以外の動きは無駄であるという
相当にドラスティックな考え方ではあるのだけど、
まったくその通りでありまして、そういう無駄な動きを減らしていくためにどうしたらいいか、
それを実践し、現場でカイゼンしていくことの重要さが肝でありますが、
落とし込んでいけば、人間教育、関わる人員がどうするかと
そこになるわけでありまして、常に考えて生きていく
まぁ、当たり前ではあるが辛い作業がまっている考え方でありました

特に、ぐるりと、滞りなく回るようになりだしたら、
在庫なり、人員なりを減らして、それでも回る方法を考えさせるという
酷い方法が常にとられているというのが衝撃でありまして、
まぁ、これでずっとやらされるほうもたまらんなと
正直どうかと思わなくもないんだが、これこそが、
一流の仕事に繋がっていく、組織と人のあり方なんだろうかとも
考えさせられるのであります
クリエイティブな仕事というものをどのように価値算出するかで
この方式のよしあしと、なんだかんだを考えさせられるわけなんだが
ともかく、作業について、無駄をどうやってなくすか
それを常日頃から考えて、できれば、考える時間すらなくなるようにしていく
人間をロボット化するような考え方なのに、
人間の成長を促すというところに着眼があって、
なんだろう、ちょっとごまかされているようにも思うが
この生産方式の凄まじさは、絵空事の小説ですら
怖いと思うものでありましたとさ

とってつけたように、恋愛話も挟まれているのがちょっと面白いんだが、
そちらが、さっぱり進展というか、物語としてしょーもないので
あれだったら、いらないんじゃないかと
無駄だしをしてみたりする