Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

DURA-ACE PD-7810 不思議な不具合 分解

2016-09-13 20:35:44 | 自転車整備 ペダル
前回シマノのデュラエース PD-7810 の左側のペダルを分解しました
この片方のペダルがかなり大きく左右に軸が動きます さてその不具合の
原因は何なんでしょう 分解し観察してみましょう





Shimano DURA-ACE PD-7810 ビンディングペダルです 前回左側を分解しましたが
これは右側です 知人が使っていた物ですが、ガタが有るので整備をしようとしたが
上手く行かなかったと言っています 実際ペダルシャフトが左右に大きく動きボールの
ゴリを感じる状態です






分解の仕方は前回に詳しく案内させて頂いています
もし必要なら是非そちらをご覧下さい
ペダル軸のナットを 20mm のスパナで緩めます ネジが少し
柔らかいと感じましたが大きな問題が有る程では有りません
※ 右側は逆ネジです






ボルトを抜きました 何なんだこれは・・・ アルミが
削れた時の独特な色と、真っ先に一個のボールが
目に飛び込んで来ます まず無い事です




指先でグリスを取ってみると グリスとアルミ粉が混ざった
シルバー色をしています かなりの量のアルミ粉です




ペダル本体奥に入っているニードルベアリング
こちらにも幾らかアルミが回っていますが 奥に
原因が有る訳ではなさそうです 3/32 の小さな
ベアリングも取り出しました






クランク側の回転部分を分解します スナップリング
プライヤーを使いスナップリングを外します このリングが
中のボールのこぼれ止めをしてますが それは完全では無く
状況次第でボールを取り出す事は出来ます






ボールを全部取り出し ボルトと呼ばれるパーツを
シャフトから抜きます 最後は黒いゴム質のシールです






シャフトのグリスを取ると 玉押し部分に傷は無く
ここはこのまま使えそうです






一番問題が有りそうなペダル本体のネジの部分を
確認してみましょう 分解した時の様子ではボールが
一個外れ、ここで回っていた事になります




ネジの一番奥 そしてネジの奥が傷んでいる様に見えます






ボルトの方は玉受け、ネジ共に問題は無さそうです






ボルトを本体にねじ込んでみます ここで玉当りの調整を
行うので奥まで締め込む事が出来なければガタが出る事も
考えられます 少し入りきらないですね






タップも無いし有ったとしても使える構造では有りません
オイルを使いボルトを何度も出し入れして ネジの線きり
を修正してみます




薄いコンスパナでは工具、ネジの双方を傷めそうです
モンキーレンチに替え作業を進めます






ネジの修正は幾らか綺麗になった程度ですがこれ以上
無理をすると他の物を傷めそうです ネジの奥も深く
傷が付いています そこはルーターで整えておきましょう




その部分は見れる程度になりました 回転性能と直接
関係のない所なので程々にしておきます 私の腕と
根気では、大した事は出来ません



今回の症状は推測ですが 知人がペダルの調整をしようとした時
一旦ロックナットと共にボルトを緩めた際にボールが一個玉受けから
こぼれたのだと思います それが解らずに再度ボルトを締め込み
その状態で使ってしまったのでしょう




コスモスのつぼみでしょうか 周りではオレンジ色の花が咲いていました 
とても精巧に作られた一味違う DUR-ACE のペダル その複雑な構造ゆえに
こんな事も起るのですね 私もこれから気を付けないといけません、良い勉強になりました

前回の記事 【 DURA-ACE PD-7810 ペダル グリスアップ 分解 】

この後の作業 【 DUR-ACE PD-7810 ペダル 分解後の洗浄 】

コメント
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