色を塗り替える為に分解した自転車の フリーホイールに不具合が見つかりました
もう補修パーツも手に入らない部品ですが工夫して直す事が出来ました その様子をご覧下さい

25年経ったシティサイクルのフリーホイール(後輪のギアの部分)を分解しました
それの構成部品達ですが、この中の小さなパーツに問題が有りました


フリーホイールの内部にはラチェット機能が有ります
内部のギザギザのボスに爪を使います その爪は
2つ有りますがその片方が割れていました

この様な物は補修パーツが有れば交換すれば済みます
今回のハブはシマノの FH-AR30 と言う物ですがさすがに
25年以上経つと廃版になっており 当然爪も手に入りません


フリーホイールが組み込まれるハブの本体部分です
この凹んだ部分に爪が収まります


外側に付くギアを被せるとこの様な状態です


正常な方の爪を入れてみました この写真では右側が
進行方向ですが この様に爪がギザギザに噛み合い
足(ギア)の回転をホイールに伝達する仕組みです
脚を止めると爪が外れ 内側のハブ=車輪だけが回ります


爪は対角の 2ヶ所に使われますが この割れた物を
どうしましょう・・・ 私が持っている技術でどうにか
なるのでしょうか


これは有る程度の博打です 上手く行く保証も自信も有りません
爪をバイスプライヤーで挟み 電気溶接を試みます


ただでさえ溶接は上手く出来ません しかし今回は
上手く溶接が出来ました 奇跡の様なものです


少しでも滑らかに動く様にリューターを使い
溶接跡の切削を行います


元に近い形にはなりました 左右で長さが違うのは
使っている間に、片方が削れてしまったのでしょう

使えそうな気がするので一度組立ててみましょう
形が整っても実際に爪が開閉するか試さないといけません


グリスはサラッと感が有り、余り吸着力が強く無い
Super Lube を選びました フリー内部に粘度の強い
グリスを使うと爪の開閉がし難くなり 歯切れの悪い
フリーになってしまいます


正常な爪をハブ本体にセットします



修理した方の爪も収め 外周にスプリングを嵌めます
このスプリングのわずかな力で爪が開きます

小ギアを被せてみます 爪も開き上手くボスに噛んでいます
逆に回すと空転もします この状態なら行けますね

ではベアリングも入れて組立てて行きましょう


ベアリングを使う場所は 2ヶ所です まずハブ本体側の
裏側から始めています ボールレースにスチールボールを
並べて行きます

表側に使う 25個は別に置いています 実はフリーを分解する時に
私の不注意でこちら側のボールをぶちまけています その時に幾つか
紛失しているので数が足りません


買い置きのボールを使います 仁丹と呼ばれる 1分玉です


この様な小さな玉を使う時は 玉受けに一杯入れて
1 個抜くのがお約束です

この状態が正解です ボールを一杯入れるとボールが
使っている間に割れる事が良く有ります



表のボールレースにも玉を並べます 普段はボールの数は
数えませんが今回はたまたま数えていました 分解前の
状態に復元すると この様にボール 1個分の隙間が有ります


ハブ本体にもグリスを塗布します


本体にギアを被せますが 爪が開いているので少しコツが要ります
爪が閉じる方向にギアを回しながら入れて行くと、まず大丈夫です
それでも入らない奴もたまに有りますが その時は工夫すれば
良いですね


ギアを奥まで入れてから 薄いワッシャーをハブ本体に
入れます これはきっと爪の抜け止めですね


これは最終的にフリーを止める部品ですが 裏の外側はフリーの
玉押しになっています この内側はハブの玉受けになっています
上手く考えられた構造です グリスを塗っています


フリーの固定用部品をねじ込みます これは逆ネジです
ここはウォーターポンププライヤーで強く締め込めば良いでしょう
後にハブの玉押しで押えるので緩む構造では有りません

フリーの調子を試しています 充分使える手応えです

なんとか使える状態にする事が出来ました 内部構造を見ると割れた爪でも
余程細かい物以外は外周へ回らないと思います それで今迄割れたままで
使えていたのですね 今回の修理は上手く行きましたが運が良かったのでしょう
私自身の整備の巾が拡がったのは良い勉強でした
前回の作業 【 ローラーブレーキの取り外しと フリーホイールの分解 】
次の作業 【 リアホイール グリスアップ 】
もう補修パーツも手に入らない部品ですが工夫して直す事が出来ました その様子をご覧下さい

25年経ったシティサイクルのフリーホイール(後輪のギアの部分)を分解しました
それの構成部品達ですが、この中の小さなパーツに問題が有りました


フリーホイールの内部にはラチェット機能が有ります
内部のギザギザのボスに爪を使います その爪は
2つ有りますがその片方が割れていました

この様な物は補修パーツが有れば交換すれば済みます
今回のハブはシマノの FH-AR30 と言う物ですがさすがに
25年以上経つと廃版になっており 当然爪も手に入りません


フリーホイールが組み込まれるハブの本体部分です
この凹んだ部分に爪が収まります


外側に付くギアを被せるとこの様な状態です


正常な方の爪を入れてみました この写真では右側が
進行方向ですが この様に爪がギザギザに噛み合い
足(ギア)の回転をホイールに伝達する仕組みです
脚を止めると爪が外れ 内側のハブ=車輪だけが回ります


爪は対角の 2ヶ所に使われますが この割れた物を
どうしましょう・・・ 私が持っている技術でどうにか
なるのでしょうか


これは有る程度の博打です 上手く行く保証も自信も有りません
爪をバイスプライヤーで挟み 電気溶接を試みます


ただでさえ溶接は上手く出来ません しかし今回は
上手く溶接が出来ました 奇跡の様なものです


少しでも滑らかに動く様にリューターを使い
溶接跡の切削を行います


元に近い形にはなりました 左右で長さが違うのは
使っている間に、片方が削れてしまったのでしょう

使えそうな気がするので一度組立ててみましょう
形が整っても実際に爪が開閉するか試さないといけません


グリスはサラッと感が有り、余り吸着力が強く無い
Super Lube を選びました フリー内部に粘度の強い
グリスを使うと爪の開閉がし難くなり 歯切れの悪い
フリーになってしまいます


正常な爪をハブ本体にセットします



修理した方の爪も収め 外周にスプリングを嵌めます
このスプリングのわずかな力で爪が開きます

小ギアを被せてみます 爪も開き上手くボスに噛んでいます
逆に回すと空転もします この状態なら行けますね

ではベアリングも入れて組立てて行きましょう


ベアリングを使う場所は 2ヶ所です まずハブ本体側の
裏側から始めています ボールレースにスチールボールを
並べて行きます

表側に使う 25個は別に置いています 実はフリーを分解する時に
私の不注意でこちら側のボールをぶちまけています その時に幾つか
紛失しているので数が足りません


買い置きのボールを使います 仁丹と呼ばれる 1分玉です


この様な小さな玉を使う時は 玉受けに一杯入れて
1 個抜くのがお約束です

この状態が正解です ボールを一杯入れるとボールが
使っている間に割れる事が良く有ります



表のボールレースにも玉を並べます 普段はボールの数は
数えませんが今回はたまたま数えていました 分解前の
状態に復元すると この様にボール 1個分の隙間が有ります


ハブ本体にもグリスを塗布します


本体にギアを被せますが 爪が開いているので少しコツが要ります
爪が閉じる方向にギアを回しながら入れて行くと、まず大丈夫です
それでも入らない奴もたまに有りますが その時は工夫すれば
良いですね


ギアを奥まで入れてから 薄いワッシャーをハブ本体に
入れます これはきっと爪の抜け止めですね


これは最終的にフリーを止める部品ですが 裏の外側はフリーの
玉押しになっています この内側はハブの玉受けになっています
上手く考えられた構造です グリスを塗っています


フリーの固定用部品をねじ込みます これは逆ネジです
ここはウォーターポンププライヤーで強く締め込めば良いでしょう
後にハブの玉押しで押えるので緩む構造では有りません

フリーの調子を試しています 充分使える手応えです

なんとか使える状態にする事が出来ました 内部構造を見ると割れた爪でも
余程細かい物以外は外周へ回らないと思います それで今迄割れたままで
使えていたのですね 今回の修理は上手く行きましたが運が良かったのでしょう
私自身の整備の巾が拡がったのは良い勉強でした
前回の作業 【 ローラーブレーキの取り外しと フリーホイールの分解 】
次の作業 【 リアホイール グリスアップ 】