国外居住の日本国民(在外国民)の国政選挙における投票は可能になっています。
公職選挙法 平成10年改正によって、衆議院比例代表選出議員の選挙、参議院比例代表選出議員の選挙が可能に。
同法 平成18年改正によって、衆議院小選挙区選出議員の選挙、参議院選挙区選出議員の選挙が可能に。
その一方で、最高裁判所裁判官国民審査は、在外国民は、未だその審査の投票を行うことができません。
そろそろ、立法により、この問題も解決すべき時かもしれません。
以下は、最高裁判所裁判官国民審査が在外国民に認められないのは、憲法15条、79条2項及び3項に違反するとして提起された裁判です。
平成23年4月26日東京地方裁判所で判決が出されました。
却下及び棄却ではありました。
重要な問題提起であったと考えます。
その裁判の事案の概要と関係法令をまずは、掲載します。
【事案の概要】
国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民(以下「在外国民」という。)であるXらが,最高裁判所裁判官国民審査法(以下「国民審査法」という。)8条等の規定は,在外選挙人名簿に登録されている在外国民に審査の投票(審査権の行使)を認めていない点において,憲法15条並びに79条2項及び3項に違反するものであるなどと主張して,
①Xらが「次回の国民審査において在外選挙人名簿に登録されていることに基づいて投票をすることができる地位」にあることの確認を求めるとともに,
②国会が在外国民にも審査の投票を認める旨の立法をすべき義務を怠ったため,Xらは,平成21年8月30日に行われた国民審査(以下「本件国民審査」という。)において審査の投票をすることができず,精神的苦痛を被ったなどとして,国Yに対し,国家賠償法1条1項に基づき各5000円ずつの慰謝料及びこれに対する遅延損害金の支払を求める事案である。
(以下,上記①の各確認請求を総称して「本件各確認請求」といい,上記②の各国家賠償請求を総称して「本件各国賠請求」という。)
ア 甲事件X1は,平成17年8月18日,X1の肩書住所地に居住する在外国民として,東京都町田市の在外選挙人名簿に登録された。
イ 乙事件X2は,平成21年1月9日,X2の肩書住所地に居住する在外国民として,東京都港区の在外選挙人名簿に登録された。
ウ 丙事件X3は,平成12年8月4日,X3の肩書住所地に居住する在外国民として,東京都目黒区の在外選挙人名簿に登録された。
在外国民であるXらは,平成21年8月30日に行われた本件国民審査において,審査の投票を行うことができなかった。
【関係法令】(その条項のすべてではなく、関係部分のみ掲載)
1 憲法の定め
(1) 憲法15条1項は,公務員を選定し,及びこれを罷免することは,国民固有の権利である旨を定めている。
第十五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
(2) ①憲法79条1項は,最高裁判所は,その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し,その長たる裁判官以外の裁判官は,内閣でこれを任命する旨を,②同条2項は,最高裁判所の裁判官の任命は,その任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し,その後10年を経過した後初めて行われる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し,その後も同様とする旨を,③同条3項は,上記②の場合において,投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは,その裁判官は罷免される旨を,④同条4項は,審査に関する事項は,法律でこれを定める旨を,それぞれ定めている。
第七十九条 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
○2 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
○3 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。
○4 審査に関する事項は、法律でこれを定める。
○5 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
○6 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。
2 国民審査法の定め
(1) ①国民審査法2条1項は,審査は,各裁判官につき,その任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の期日に,これを行う旨を定めており,②同条2項は,各裁判官については,最初の審査の期日から10年を経過した後初めて行われる衆議院議員総選挙の期日に,更に審査を行い,その後も,また同様とする旨を定めている。
第二条 (審査の期日) 審査は、各裁判官につき、その任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の期日に、これを行う。
○2 各裁判官については、最初の審査の期日から十年を経過した後初めて行われる衆議院議員総選挙の期日に、更に審査を行い、その後も、また同様とする。
(2) 国民審査法3条は,審査は,全都道府県の区域を通じて,これを行う旨を定めている。
第三条 (審査を行う区域) 審査は、全都道府県の区域を通じて、これを行う。
(3) 国民審査法4条は,衆議院議員の選挙権を有する者は,審査権を有する旨を定めている。
第四条 (審査権) 衆議院議員の選挙権を有する者は、審査権を有する。
(4) 国民審査法5条は,中央選挙管理会は,審査の期日前12日までに,審査の期日及び審査に付される裁判官の氏名を官報で告示しなければならない旨を定めている。
第五条 (審査の期日及び裁判官の氏名の告示) 中央選挙管理会は、審査の期日前十二日までに、審査の期日及び審査に付される裁判官の氏名を官報で告示しなければならない。
(5) 国民審査法6条1項は,審査は,投票によりこれを行う旨を定めている。
第六条 (審査の方法) 審査は、投票によりこれを行う。
(6) 国民審査法8条は,審査には,公職選挙法に規定する選挙人名簿で衆議院議員選挙について用いられるものを用いる旨を定めている。
第八条 (審査人の名簿) 審査には、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)に規定する選挙人名簿で衆議院議員総選挙について用いられるものを用いる。
(7) ①国民審査法14条1項は,投票用紙には,審査に付される裁判官の氏名を,中央選挙管理会がくじで定めた順序により,印刷しなければならない旨を定めており,②同条2項は,投票用紙には,審査に付される各裁判官に対する×の記号を記載する欄を設けなければならない旨を定めており,③同条3項は,投票用紙は,別記様式に準じて都道府県の選挙管理委員会がこれを調製しなければならない旨を定めている。
第十四条 (投票用紙の様式) 投票用紙には、審査に付される裁判官の氏名を、中央選挙管理会がくじで定めた順序により、印刷しなければならない。
○2 投票用紙には、審査に付される各裁判官に対する×の記号を記載する欄を設けなければならない。
○3 投票用紙は、別記様式に準じて都道府県の選挙管理委員会がこれを調製しなければならない。
(8) 国民審査法15条1項は,審査人は,投票所において,罷免を可とする裁判官については,投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に自ら×の記号を記載し,罷免を可としない裁判官については,投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に何等の記載をしないで,これを投票箱に入れなければならない旨を定めている。
第十五条 (投票の方式) 審査人は、投票所において、罷免を可とする裁判官については、投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に自ら×の記号を記載し、罷免を可としない裁判官については、投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に何等の記載をしないで、これを投票箱に入れなければならない。
○2 投票用紙には、審査人の氏名を記載することができない。
(9) 国民審査法32条は,罷免を可とする投票の数が罷免を可としない投票の数より多い裁判官は,罷免を可とされたものとするが(同条本文),投票の総数が公職選挙法22条1項又は2項の規定による選挙人名簿の登録が行われた日のうち審査の日の直前の日現在において国民審査法8条の選挙人名簿に登録されている者の総数の100分の1に達しないときは,この限りでない(同法32条ただし書)旨を定めている。
第三十二条 (罷免を可とされた裁判官) 罷免を可とする投票の数が罷免を可としない投票の数より多い裁判官は、罷免を可とされたものとする。但し、投票の総数が、公職選挙法第二十二条第一項又は第二項の規定による選挙人名簿の登録が行なわれた日のうち審査の日の直前の日現在において第八条の選挙人名簿に登録されている者の総数の百分の一に達しないときは、この限りでない。
3 公職選挙法等の定め
(1) 公職選挙法2条は,同法は,衆議院議員,参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長の選挙について適用する旨を定めている。
第三十二条 (罷免を可とされた裁判官) 罷免を可とする投票の数が罷免を可としない投票の数より多い裁判官は、罷免を可とされたものとする。但し、投票の総数が、公職選挙法第二十二条第一項又は第二項の規定による選挙人名簿の登録が行なわれた日のうち審査の日の直前の日現在において第八条の選挙人名簿に登録されている者の総数の百分の一に達しないときは、この限りでない。
(2) 公職選挙法9条1項は,日本国民で年齢満20年以上の者は,衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する旨を定めている。
(選挙権)
第九条 日本国民で年齢満二十年以上の者は、衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する。
(3)ア ①公職選挙法19条1項は,選挙人名簿は,各選挙を通じて一の名簿とする旨などを,②同条2項は,市町村の選挙管理委員会は,選挙人名簿の調製及び保管の任に当たる旨などを定めている。
(永久選挙人名簿)
第十九条 選挙人名簿は、永久に据え置くものとし、かつ、各選挙を通じて一の名簿とする。
2 市町村の選挙管理委員会は、選挙人名簿の調製及び保管の任に当たるものとし、毎年三月、六月、九月及び十二月(第二十二条第一項及び第二十三条第一項において「登録月」という。)並びに選挙を行う場合に、選挙人名簿の登録を行うものとする。
イ 公職選挙法21条1項は,選挙人名簿の登録は,当該市町村の区域内に住所を有する年齢満20年以上の日本国民(同法11条1項若しくは252条又は政治資金規正法28条の規定により選挙権を有しない者を除く。)で,その者に係る登録市町村等(当該市町村及びその区域の全部又は一部が廃置分合により当該市町村の区域の全部又は一部となった市町村であって,当該廃置分合により消滅した市町村をいう。)の住民票が作成された日(他の市町村から登録市町村等の区域内に住所を移した者で住民基本台帳法22条の規定により届出をしたものについては,当該届出をした日)から引き続き3か月以上登録市町村等の住民基本台帳に記録されている者について行う旨を,それぞれ定めている。
ウ 公職選挙法22条1項は,市町村の選挙管理委員会は,①登録月の1日現在により,当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有する者を当該登録月の2日に選挙人名簿に登録しなければならないが,②登録月の1日から7日までの間に選挙の期日がある選挙を行う場合その他特別の事情がある場合には,政令で定めるところにより,登録の日を変更することができる旨を定めている。
(被登録資格等)
第二十一条 選挙人名簿の登録は、当該市町村の区域内に住所を有する年齢満二十年以上の日本国民(第十一条第一項若しくは第二百五十二条又は政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第二十八条の規定により選挙権を有しない者を除く。)で、その者に係る登録市町村等(当該市町村及び消滅市町村(その区域の全部又は一部が廃置分合により当該市町村の区域の全部又は一部となつた市町村であつて、当該廃置分合により消滅した市町村をいう。次項において同じ。)をいう。以下この項において同じ。)の住民票が作成された日(他の市町村から登録市町村等の区域内に住所を移した者で住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第二十二条の規定により届出をしたものについては、当該届出をした日)から引き続き三箇月以上登録市町村等の住民基本台帳に記録されている者について行う。
エ 公職選挙法22条2項は,市町村の選挙管理委員会は,選挙を行う場合においては,当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については,中央選挙管理会)が定めるところにより,当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有する者を選挙人名簿に登録しなければならない旨を定めている。
(4)ア ①公職選挙法30条の2第1項は,市町村の選挙管理委員会は,選挙人名簿のほか,在外選挙人名簿の調製及び保管を行う旨を,②同条2項は,在外選挙人名簿は,衆議院議員及び参議院議員の選挙を通じて一の名簿とする旨などを,③同条3項は,市町村の選挙管理委員会は,同法30条の5第1項の規定による申請に基づき,在外選挙人名簿の登録を行うものとする旨を,それぞれ定めている。
(登録)
第二十二条 市町村の選挙管理委員会は、登録月の一日現在により、当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有する者を当該登録月の二日に選挙人名簿に登録しなければならない。ただし、市町村の選挙管理委員会は、登録月の一日から七日までの間に選挙の期日がある選挙を行う場合その他特別の事情がある場合には、政令で定めるところにより、登録の日を変更することができる。
2 市町村の選挙管理委員会は、選挙を行う場合においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については、中央選挙管理会)が定めるところにより、当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有する者を選挙人名簿に登録しなければならない。
イ 公職選挙法30条の4は,在外選挙人名簿の登録は,在外選挙人名簿に登録されていない年齢満20年以上の日本国民(同法11条1項若しくは252条又は政治資金規正法28条の規定により選挙権を有しない者を除く。)で,在外選挙人名簿の登録の申請に関しその者の住所を管轄する領事官(領事官の職務を行う大使館若しくは公使館の長又はその事務を代理する者を含む。以下同じ。)の管轄区域内に引き続き3か月以上住所を有するものについて行う旨を定めている。
(在外選挙人名簿の被登録資格)
第三十条の四 在外選挙人名簿の登録は、在外選挙人名簿に登録されていない年齢満二十年以上の日本国民(第十一条第一項若しくは第二百五十二条又は政治資金規正法第二十八条の規定により選挙権を有しない者を除く。次条第一項において同じ。)で、在外選挙人名簿の登録の申請に関しその者の住所を管轄する領事官(領事官の職務を行う大使館若しくは公使館の長又はその事務を代理する者を含む。以下同じ。)の管轄区域(在外選挙人名簿の登録の申請に関する領事官の管轄区域として総務省令・外務省令で定める区域をいう。同条第一項及び第三項において同じ。)内に引き続き三箇月以上住所を有するものについて行う。
ウ 公職選挙法30条の5第1項は,在外選挙人名簿に登録されていない年齢満20年以上の日本国民で,在外選挙人名簿の登録の申請に関しその者の住所を管轄する領事官の管轄区域内に住所を有するものは,政令で定めるところにより,文書で,最終住所の所在地の市町村の選挙管理委員会(その者が,いずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがない者である場合には,申請の時におけるその者の本籍地の市町村の選挙管理委員会)に在外選挙人名簿の登録の申請をすることができる。
(在外選挙人名簿の登録の申請)
第三十条の五 在外選挙人名簿に登録されていない年齢満二十年以上の日本国民で、在外選挙人名簿の登録の申請に関しその者の住所を管轄する領事官の管轄区域内に住所を有するものは、政令で定めるところにより、文書で、最終住所の所在地の市町村の選挙管理委員会(その者が、いずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがない者である場合には、申請の時におけるその者の本籍地の市町村の選挙管理委員会)に在外選挙人名簿の登録の申請をすることができる。
(5) 公職選挙法31条4項は,衆議院議員の総選挙の期日は,少なくとも12日前に公示しなければならない旨を定めている。
(総選挙)
第三十一条
4 総選挙の期日は、少なくとも十二日前に公示しなければならない。
(6) 公職選挙法42条1項本文は,選挙人名簿又は在外選挙人名簿に登録されていない者は,投票をすることができない旨を定めている。
(選挙人名簿又は在外選挙人名簿の登録と投票)
第四十二条 選挙人名簿又は在外選挙人名簿に登録されていない者は、投票をすることができない。ただし、選挙人名簿に登録されるべき旨の決定書又は確定判決書を所持し、選挙の当日投票所に至る者があるときは、投票管理者は、その者に投票をさせなければならない。
(7) 公職選挙法49条の2第1項は,在外選挙人名簿に登録されている選挙人(当該選挙人のうち選挙人名簿に登録されているもので政令で定めるものを除く。以下同条において同じ。)で,衆議院議員又は参議院議員の選挙において投票をしようとするものの投票については,同法48条の2第1項(期日前投票)及び同法49条1項(不在者投票)の規定によるほか,政令で定めるところにより,後記ア及びイに掲げるいずれかの方法により行わせることができる旨を定めている。
ア 1号
衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙にあっては後記(ア)に掲げる期間,衆議院議員又は参議院議員の再選挙又は補欠選挙にあっては後記(イ)に掲げる日に,自ら在外公館の長(各選挙ごとに総務大臣が外務大臣と協議して指定する在外公館の長を除く。以下1号において同じ。)の管理する投票を記載する場所に行き,在外選挙人証及び旅券その他の政令で定める文書を提示して,投票用紙に投票の記載をし,これを封筒に入れて在外公館の長に提出する方法
(ア) 当該選挙の期日の公示の日の翌日から選挙の期日前6日(投票の送致に日数を要する地の在外公館であることその他特別の事情があると認められる場合には,あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日)までの間(あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日を除く。)
(イ) 当該選挙の期日の告示の日の翌日から選挙の期日前6日までの間で,あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日
イ 2号
当該選挙人の現在する場所において投票用紙に投票の記載をし,これを郵便等により送付する方法
(在外投票等)
第四十九条の二 在外選挙人名簿に登録されている選挙人(当該選挙人のうち選挙人名簿に登録されているもので政令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)で、衆議院議員又は参議院議員の選挙において投票をしようとするものの投票については、第四十八条の二第一項及び前条第一項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第四十四条、第四十五条第一項、第四十六条第一項から第三項まで、第四十八条及び次条の規定にかかわらず、次の各号に掲げるいずれかの方法により行わせることができる。
一 衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙にあつてはイに掲げる期間、衆議院議員又は参議院議員の再選挙又は補欠選挙にあつてはロに掲げる日に、自ら在外公館の長(各選挙ごとに総務大臣が外務大臣と協議して指定する在外公館の長を除く。以下この号において同じ。)の管理する投票を記載する場所に行き、在外選挙人証及び旅券その他の政令で定める文書を提示して、投票用紙に投票の記載をし、これを封筒に入れて在外公館の長に提出する方法イ 当該選挙の期日の公示の日の翌日から選挙の期日前六日(投票の送致に日数を要する地の在外公館であることその他特別の事情があると認められる場合には、あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日)までの間(あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日を除く。)ロ 当該選挙の期日の告示の日の翌日から選挙の期日前六日までの間で、あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日
二 当該選挙人の現在する場所において投票用紙に投票の記載をし、これを郵便等により送付する方法
(8)ア 公職選挙法施行令65条の11第1項は,選挙人は,公職選挙法49条の2第1項2号の規定により投票をしようとする場合においては,選挙の期日前4日までに,その登録されている在外選挙人名簿の属する市町村の選挙管理委員会の委員長に対して,当該選挙人が署名をした文書により,直接に,又は郵便等をもって,かつ,在外選挙人証を提示して,投票用紙及び投票用封筒の交付を請求することができる旨を定めている。
(郵便等による在外投票の投票用紙及び投票用封筒の請求及び交付)
第六十五条の十一 選挙人は、法第四十九条の二第一項第二号の規定により投票をしようとする場合においては、選挙の期日前四日までに、その登録されている在外選挙人名簿の属する市町村の選挙管理委員会の委員長に対して、当該選挙人が署名をした文書により、直接に、又は郵便等をもつて、かつ、在外選挙人証を提示して、投票用紙及び投票用封筒の交付を請求することができる。
イ 公職選挙法施行令65条の12第1項は,投票用紙及び投票用封筒の交付を受けた選挙人は,選挙の期日の公示又は告示があった日の翌日以後,その現在する場所において,投票用紙に自ら当該選挙の公職の候補者1人の氏名(衆議院比例代表選出議員の選挙にあっては一の衆議院名簿届出政党等の公職選挙法86条の2第1項の規定による届出に係る名称又は略称,参議院比例代表選出議員の選挙にあっては公職の候補者たる参議院名簿登載者1人の氏名又は一の参議院名簿届出政党等の同法86条の3第1項の規定による届出に係る名称若しくは略称)を記載し,これを投票用封筒に入れて封をし,投票用封筒の表面に投票の記載の年月日及び場所を記載し,並びに投票用封筒の表面に署名をし,更にこれを他の適当な封筒に入れて封をし,その表面に投票が在中する旨を明記して,当該選挙人が登録されている在外選挙人名簿の属する市町村の選挙管理委員会の委員長に対し,当該選挙人が属する指定在外選挙投票区の投票所を閉じる時刻までに同令65条の12第2項の規定による投票の送致ができるように,郵便等をもって送付しなければならない旨を定めている。
(郵便等による在外投票の方法及び送致)
第六十五条の十二 前条第二項の規定により投票用紙及び投票用封筒の交付を受けた選挙人は、選挙の期日の公示又は告示があつた日の翌日以後、その現在する場所において、投票用紙に自ら当該選挙の公職の候補者一人の氏名(衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては一の衆議院名簿届出政党等の法第八十六条の二第一項の規定による届出に係る名称又は略称、参議院比例代表選出議員の選挙にあつては公職の候補者たる参議院名簿登載者一人の氏名又は一の参議院名簿届出政党等の法第八十六条の三第一項の規定による届出に係る名称若しくは略称)を記載し、これを投票用封筒に入れて封をし、投票用封筒の表面に投票の記載の年月日及び場所を記載し、並びに投票用封筒の表面に署名をし、更にこれを他の適当な封筒に入れて封をし、その表面に投票が在中する旨を明記して、当該選挙人が登録されている在外選挙人名簿の属する市町村の選挙管理委員会の委員長に対し、当該選挙人が属する指定在外選挙投票区の投票所を閉じる時刻までに次項の規定による投票の送致ができるように、郵便等をもつて送付しなければならない。
4 住民基本台帳法の定め
住民基本台帳法15条1項は,選挙人名簿の登録は,住民基本台帳に記録されている者で選挙権を有するものについて行なうものとする旨を定めている。
(選挙人名簿との関係)
第十五条 選挙人名簿の登録は、住民基本台帳に記録されている者で選挙権を有するものについて行なうものとする。
公職選挙法 平成10年改正によって、衆議院比例代表選出議員の選挙、参議院比例代表選出議員の選挙が可能に。
同法 平成18年改正によって、衆議院小選挙区選出議員の選挙、参議院選挙区選出議員の選挙が可能に。
その一方で、最高裁判所裁判官国民審査は、在外国民は、未だその審査の投票を行うことができません。
そろそろ、立法により、この問題も解決すべき時かもしれません。
以下は、最高裁判所裁判官国民審査が在外国民に認められないのは、憲法15条、79条2項及び3項に違反するとして提起された裁判です。
平成23年4月26日東京地方裁判所で判決が出されました。
却下及び棄却ではありました。
重要な問題提起であったと考えます。
その裁判の事案の概要と関係法令をまずは、掲載します。
【事案の概要】
国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民(以下「在外国民」という。)であるXらが,最高裁判所裁判官国民審査法(以下「国民審査法」という。)8条等の規定は,在外選挙人名簿に登録されている在外国民に審査の投票(審査権の行使)を認めていない点において,憲法15条並びに79条2項及び3項に違反するものであるなどと主張して,
①Xらが「次回の国民審査において在外選挙人名簿に登録されていることに基づいて投票をすることができる地位」にあることの確認を求めるとともに,
②国会が在外国民にも審査の投票を認める旨の立法をすべき義務を怠ったため,Xらは,平成21年8月30日に行われた国民審査(以下「本件国民審査」という。)において審査の投票をすることができず,精神的苦痛を被ったなどとして,国Yに対し,国家賠償法1条1項に基づき各5000円ずつの慰謝料及びこれに対する遅延損害金の支払を求める事案である。
(以下,上記①の各確認請求を総称して「本件各確認請求」といい,上記②の各国家賠償請求を総称して「本件各国賠請求」という。)
ア 甲事件X1は,平成17年8月18日,X1の肩書住所地に居住する在外国民として,東京都町田市の在外選挙人名簿に登録された。
イ 乙事件X2は,平成21年1月9日,X2の肩書住所地に居住する在外国民として,東京都港区の在外選挙人名簿に登録された。
ウ 丙事件X3は,平成12年8月4日,X3の肩書住所地に居住する在外国民として,東京都目黒区の在外選挙人名簿に登録された。
在外国民であるXらは,平成21年8月30日に行われた本件国民審査において,審査の投票を行うことができなかった。
【関係法令】(その条項のすべてではなく、関係部分のみ掲載)
1 憲法の定め
(1) 憲法15条1項は,公務員を選定し,及びこれを罷免することは,国民固有の権利である旨を定めている。
第十五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
(2) ①憲法79条1項は,最高裁判所は,その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し,その長たる裁判官以外の裁判官は,内閣でこれを任命する旨を,②同条2項は,最高裁判所の裁判官の任命は,その任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し,その後10年を経過した後初めて行われる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し,その後も同様とする旨を,③同条3項は,上記②の場合において,投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは,その裁判官は罷免される旨を,④同条4項は,審査に関する事項は,法律でこれを定める旨を,それぞれ定めている。
第七十九条 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
○2 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
○3 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。
○4 審査に関する事項は、法律でこれを定める。
○5 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
○6 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。
2 国民審査法の定め
(1) ①国民審査法2条1項は,審査は,各裁判官につき,その任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の期日に,これを行う旨を定めており,②同条2項は,各裁判官については,最初の審査の期日から10年を経過した後初めて行われる衆議院議員総選挙の期日に,更に審査を行い,その後も,また同様とする旨を定めている。
第二条 (審査の期日) 審査は、各裁判官につき、その任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の期日に、これを行う。
○2 各裁判官については、最初の審査の期日から十年を経過した後初めて行われる衆議院議員総選挙の期日に、更に審査を行い、その後も、また同様とする。
(2) 国民審査法3条は,審査は,全都道府県の区域を通じて,これを行う旨を定めている。
第三条 (審査を行う区域) 審査は、全都道府県の区域を通じて、これを行う。
(3) 国民審査法4条は,衆議院議員の選挙権を有する者は,審査権を有する旨を定めている。
第四条 (審査権) 衆議院議員の選挙権を有する者は、審査権を有する。
(4) 国民審査法5条は,中央選挙管理会は,審査の期日前12日までに,審査の期日及び審査に付される裁判官の氏名を官報で告示しなければならない旨を定めている。
第五条 (審査の期日及び裁判官の氏名の告示) 中央選挙管理会は、審査の期日前十二日までに、審査の期日及び審査に付される裁判官の氏名を官報で告示しなければならない。
(5) 国民審査法6条1項は,審査は,投票によりこれを行う旨を定めている。
第六条 (審査の方法) 審査は、投票によりこれを行う。
(6) 国民審査法8条は,審査には,公職選挙法に規定する選挙人名簿で衆議院議員選挙について用いられるものを用いる旨を定めている。
第八条 (審査人の名簿) 審査には、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)に規定する選挙人名簿で衆議院議員総選挙について用いられるものを用いる。
(7) ①国民審査法14条1項は,投票用紙には,審査に付される裁判官の氏名を,中央選挙管理会がくじで定めた順序により,印刷しなければならない旨を定めており,②同条2項は,投票用紙には,審査に付される各裁判官に対する×の記号を記載する欄を設けなければならない旨を定めており,③同条3項は,投票用紙は,別記様式に準じて都道府県の選挙管理委員会がこれを調製しなければならない旨を定めている。
第十四条 (投票用紙の様式) 投票用紙には、審査に付される裁判官の氏名を、中央選挙管理会がくじで定めた順序により、印刷しなければならない。
○2 投票用紙には、審査に付される各裁判官に対する×の記号を記載する欄を設けなければならない。
○3 投票用紙は、別記様式に準じて都道府県の選挙管理委員会がこれを調製しなければならない。
(8) 国民審査法15条1項は,審査人は,投票所において,罷免を可とする裁判官については,投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に自ら×の記号を記載し,罷免を可としない裁判官については,投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に何等の記載をしないで,これを投票箱に入れなければならない旨を定めている。
第十五条 (投票の方式) 審査人は、投票所において、罷免を可とする裁判官については、投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に自ら×の記号を記載し、罷免を可としない裁判官については、投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に何等の記載をしないで、これを投票箱に入れなければならない。
○2 投票用紙には、審査人の氏名を記載することができない。
(9) 国民審査法32条は,罷免を可とする投票の数が罷免を可としない投票の数より多い裁判官は,罷免を可とされたものとするが(同条本文),投票の総数が公職選挙法22条1項又は2項の規定による選挙人名簿の登録が行われた日のうち審査の日の直前の日現在において国民審査法8条の選挙人名簿に登録されている者の総数の100分の1に達しないときは,この限りでない(同法32条ただし書)旨を定めている。
第三十二条 (罷免を可とされた裁判官) 罷免を可とする投票の数が罷免を可としない投票の数より多い裁判官は、罷免を可とされたものとする。但し、投票の総数が、公職選挙法第二十二条第一項又は第二項の規定による選挙人名簿の登録が行なわれた日のうち審査の日の直前の日現在において第八条の選挙人名簿に登録されている者の総数の百分の一に達しないときは、この限りでない。
3 公職選挙法等の定め
(1) 公職選挙法2条は,同法は,衆議院議員,参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長の選挙について適用する旨を定めている。
第三十二条 (罷免を可とされた裁判官) 罷免を可とする投票の数が罷免を可としない投票の数より多い裁判官は、罷免を可とされたものとする。但し、投票の総数が、公職選挙法第二十二条第一項又は第二項の規定による選挙人名簿の登録が行なわれた日のうち審査の日の直前の日現在において第八条の選挙人名簿に登録されている者の総数の百分の一に達しないときは、この限りでない。
(2) 公職選挙法9条1項は,日本国民で年齢満20年以上の者は,衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する旨を定めている。
(選挙権)
第九条 日本国民で年齢満二十年以上の者は、衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する。
(3)ア ①公職選挙法19条1項は,選挙人名簿は,各選挙を通じて一の名簿とする旨などを,②同条2項は,市町村の選挙管理委員会は,選挙人名簿の調製及び保管の任に当たる旨などを定めている。
(永久選挙人名簿)
第十九条 選挙人名簿は、永久に据え置くものとし、かつ、各選挙を通じて一の名簿とする。
2 市町村の選挙管理委員会は、選挙人名簿の調製及び保管の任に当たるものとし、毎年三月、六月、九月及び十二月(第二十二条第一項及び第二十三条第一項において「登録月」という。)並びに選挙を行う場合に、選挙人名簿の登録を行うものとする。
イ 公職選挙法21条1項は,選挙人名簿の登録は,当該市町村の区域内に住所を有する年齢満20年以上の日本国民(同法11条1項若しくは252条又は政治資金規正法28条の規定により選挙権を有しない者を除く。)で,その者に係る登録市町村等(当該市町村及びその区域の全部又は一部が廃置分合により当該市町村の区域の全部又は一部となった市町村であって,当該廃置分合により消滅した市町村をいう。)の住民票が作成された日(他の市町村から登録市町村等の区域内に住所を移した者で住民基本台帳法22条の規定により届出をしたものについては,当該届出をした日)から引き続き3か月以上登録市町村等の住民基本台帳に記録されている者について行う旨を,それぞれ定めている。
ウ 公職選挙法22条1項は,市町村の選挙管理委員会は,①登録月の1日現在により,当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有する者を当該登録月の2日に選挙人名簿に登録しなければならないが,②登録月の1日から7日までの間に選挙の期日がある選挙を行う場合その他特別の事情がある場合には,政令で定めるところにより,登録の日を変更することができる旨を定めている。
(被登録資格等)
第二十一条 選挙人名簿の登録は、当該市町村の区域内に住所を有する年齢満二十年以上の日本国民(第十一条第一項若しくは第二百五十二条又は政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第二十八条の規定により選挙権を有しない者を除く。)で、その者に係る登録市町村等(当該市町村及び消滅市町村(その区域の全部又は一部が廃置分合により当該市町村の区域の全部又は一部となつた市町村であつて、当該廃置分合により消滅した市町村をいう。次項において同じ。)をいう。以下この項において同じ。)の住民票が作成された日(他の市町村から登録市町村等の区域内に住所を移した者で住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第二十二条の規定により届出をしたものについては、当該届出をした日)から引き続き三箇月以上登録市町村等の住民基本台帳に記録されている者について行う。
エ 公職選挙法22条2項は,市町村の選挙管理委員会は,選挙を行う場合においては,当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については,中央選挙管理会)が定めるところにより,当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有する者を選挙人名簿に登録しなければならない旨を定めている。
(4)ア ①公職選挙法30条の2第1項は,市町村の選挙管理委員会は,選挙人名簿のほか,在外選挙人名簿の調製及び保管を行う旨を,②同条2項は,在外選挙人名簿は,衆議院議員及び参議院議員の選挙を通じて一の名簿とする旨などを,③同条3項は,市町村の選挙管理委員会は,同法30条の5第1項の規定による申請に基づき,在外選挙人名簿の登録を行うものとする旨を,それぞれ定めている。
(登録)
第二十二条 市町村の選挙管理委員会は、登録月の一日現在により、当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有する者を当該登録月の二日に選挙人名簿に登録しなければならない。ただし、市町村の選挙管理委員会は、登録月の一日から七日までの間に選挙の期日がある選挙を行う場合その他特別の事情がある場合には、政令で定めるところにより、登録の日を変更することができる。
2 市町村の選挙管理委員会は、選挙を行う場合においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については、中央選挙管理会)が定めるところにより、当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有する者を選挙人名簿に登録しなければならない。
イ 公職選挙法30条の4は,在外選挙人名簿の登録は,在外選挙人名簿に登録されていない年齢満20年以上の日本国民(同法11条1項若しくは252条又は政治資金規正法28条の規定により選挙権を有しない者を除く。)で,在外選挙人名簿の登録の申請に関しその者の住所を管轄する領事官(領事官の職務を行う大使館若しくは公使館の長又はその事務を代理する者を含む。以下同じ。)の管轄区域内に引き続き3か月以上住所を有するものについて行う旨を定めている。
(在外選挙人名簿の被登録資格)
第三十条の四 在外選挙人名簿の登録は、在外選挙人名簿に登録されていない年齢満二十年以上の日本国民(第十一条第一項若しくは第二百五十二条又は政治資金規正法第二十八条の規定により選挙権を有しない者を除く。次条第一項において同じ。)で、在外選挙人名簿の登録の申請に関しその者の住所を管轄する領事官(領事官の職務を行う大使館若しくは公使館の長又はその事務を代理する者を含む。以下同じ。)の管轄区域(在外選挙人名簿の登録の申請に関する領事官の管轄区域として総務省令・外務省令で定める区域をいう。同条第一項及び第三項において同じ。)内に引き続き三箇月以上住所を有するものについて行う。
ウ 公職選挙法30条の5第1項は,在外選挙人名簿に登録されていない年齢満20年以上の日本国民で,在外選挙人名簿の登録の申請に関しその者の住所を管轄する領事官の管轄区域内に住所を有するものは,政令で定めるところにより,文書で,最終住所の所在地の市町村の選挙管理委員会(その者が,いずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがない者である場合には,申請の時におけるその者の本籍地の市町村の選挙管理委員会)に在外選挙人名簿の登録の申請をすることができる。
(在外選挙人名簿の登録の申請)
第三十条の五 在外選挙人名簿に登録されていない年齢満二十年以上の日本国民で、在外選挙人名簿の登録の申請に関しその者の住所を管轄する領事官の管轄区域内に住所を有するものは、政令で定めるところにより、文書で、最終住所の所在地の市町村の選挙管理委員会(その者が、いずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがない者である場合には、申請の時におけるその者の本籍地の市町村の選挙管理委員会)に在外選挙人名簿の登録の申請をすることができる。
(5) 公職選挙法31条4項は,衆議院議員の総選挙の期日は,少なくとも12日前に公示しなければならない旨を定めている。
(総選挙)
第三十一条
4 総選挙の期日は、少なくとも十二日前に公示しなければならない。
(6) 公職選挙法42条1項本文は,選挙人名簿又は在外選挙人名簿に登録されていない者は,投票をすることができない旨を定めている。
(選挙人名簿又は在外選挙人名簿の登録と投票)
第四十二条 選挙人名簿又は在外選挙人名簿に登録されていない者は、投票をすることができない。ただし、選挙人名簿に登録されるべき旨の決定書又は確定判決書を所持し、選挙の当日投票所に至る者があるときは、投票管理者は、その者に投票をさせなければならない。
(7) 公職選挙法49条の2第1項は,在外選挙人名簿に登録されている選挙人(当該選挙人のうち選挙人名簿に登録されているもので政令で定めるものを除く。以下同条において同じ。)で,衆議院議員又は参議院議員の選挙において投票をしようとするものの投票については,同法48条の2第1項(期日前投票)及び同法49条1項(不在者投票)の規定によるほか,政令で定めるところにより,後記ア及びイに掲げるいずれかの方法により行わせることができる旨を定めている。
ア 1号
衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙にあっては後記(ア)に掲げる期間,衆議院議員又は参議院議員の再選挙又は補欠選挙にあっては後記(イ)に掲げる日に,自ら在外公館の長(各選挙ごとに総務大臣が外務大臣と協議して指定する在外公館の長を除く。以下1号において同じ。)の管理する投票を記載する場所に行き,在外選挙人証及び旅券その他の政令で定める文書を提示して,投票用紙に投票の記載をし,これを封筒に入れて在外公館の長に提出する方法
(ア) 当該選挙の期日の公示の日の翌日から選挙の期日前6日(投票の送致に日数を要する地の在外公館であることその他特別の事情があると認められる場合には,あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日)までの間(あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日を除く。)
(イ) 当該選挙の期日の告示の日の翌日から選挙の期日前6日までの間で,あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日
イ 2号
当該選挙人の現在する場所において投票用紙に投票の記載をし,これを郵便等により送付する方法
(在外投票等)
第四十九条の二 在外選挙人名簿に登録されている選挙人(当該選挙人のうち選挙人名簿に登録されているもので政令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)で、衆議院議員又は参議院議員の選挙において投票をしようとするものの投票については、第四十八条の二第一項及び前条第一項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第四十四条、第四十五条第一項、第四十六条第一項から第三項まで、第四十八条及び次条の規定にかかわらず、次の各号に掲げるいずれかの方法により行わせることができる。
一 衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙にあつてはイに掲げる期間、衆議院議員又は参議院議員の再選挙又は補欠選挙にあつてはロに掲げる日に、自ら在外公館の長(各選挙ごとに総務大臣が外務大臣と協議して指定する在外公館の長を除く。以下この号において同じ。)の管理する投票を記載する場所に行き、在外選挙人証及び旅券その他の政令で定める文書を提示して、投票用紙に投票の記載をし、これを封筒に入れて在外公館の長に提出する方法イ 当該選挙の期日の公示の日の翌日から選挙の期日前六日(投票の送致に日数を要する地の在外公館であることその他特別の事情があると認められる場合には、あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日)までの間(あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日を除く。)ロ 当該選挙の期日の告示の日の翌日から選挙の期日前六日までの間で、あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日
二 当該選挙人の現在する場所において投票用紙に投票の記載をし、これを郵便等により送付する方法
(8)ア 公職選挙法施行令65条の11第1項は,選挙人は,公職選挙法49条の2第1項2号の規定により投票をしようとする場合においては,選挙の期日前4日までに,その登録されている在外選挙人名簿の属する市町村の選挙管理委員会の委員長に対して,当該選挙人が署名をした文書により,直接に,又は郵便等をもって,かつ,在外選挙人証を提示して,投票用紙及び投票用封筒の交付を請求することができる旨を定めている。
(郵便等による在外投票の投票用紙及び投票用封筒の請求及び交付)
第六十五条の十一 選挙人は、法第四十九条の二第一項第二号の規定により投票をしようとする場合においては、選挙の期日前四日までに、その登録されている在外選挙人名簿の属する市町村の選挙管理委員会の委員長に対して、当該選挙人が署名をした文書により、直接に、又は郵便等をもつて、かつ、在外選挙人証を提示して、投票用紙及び投票用封筒の交付を請求することができる。
イ 公職選挙法施行令65条の12第1項は,投票用紙及び投票用封筒の交付を受けた選挙人は,選挙の期日の公示又は告示があった日の翌日以後,その現在する場所において,投票用紙に自ら当該選挙の公職の候補者1人の氏名(衆議院比例代表選出議員の選挙にあっては一の衆議院名簿届出政党等の公職選挙法86条の2第1項の規定による届出に係る名称又は略称,参議院比例代表選出議員の選挙にあっては公職の候補者たる参議院名簿登載者1人の氏名又は一の参議院名簿届出政党等の同法86条の3第1項の規定による届出に係る名称若しくは略称)を記載し,これを投票用封筒に入れて封をし,投票用封筒の表面に投票の記載の年月日及び場所を記載し,並びに投票用封筒の表面に署名をし,更にこれを他の適当な封筒に入れて封をし,その表面に投票が在中する旨を明記して,当該選挙人が登録されている在外選挙人名簿の属する市町村の選挙管理委員会の委員長に対し,当該選挙人が属する指定在外選挙投票区の投票所を閉じる時刻までに同令65条の12第2項の規定による投票の送致ができるように,郵便等をもって送付しなければならない旨を定めている。
(郵便等による在外投票の方法及び送致)
第六十五条の十二 前条第二項の規定により投票用紙及び投票用封筒の交付を受けた選挙人は、選挙の期日の公示又は告示があつた日の翌日以後、その現在する場所において、投票用紙に自ら当該選挙の公職の候補者一人の氏名(衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては一の衆議院名簿届出政党等の法第八十六条の二第一項の規定による届出に係る名称又は略称、参議院比例代表選出議員の選挙にあつては公職の候補者たる参議院名簿登載者一人の氏名又は一の参議院名簿届出政党等の法第八十六条の三第一項の規定による届出に係る名称若しくは略称)を記載し、これを投票用封筒に入れて封をし、投票用封筒の表面に投票の記載の年月日及び場所を記載し、並びに投票用封筒の表面に署名をし、更にこれを他の適当な封筒に入れて封をし、その表面に投票が在中する旨を明記して、当該選挙人が登録されている在外選挙人名簿の属する市町村の選挙管理委員会の委員長に対し、当該選挙人が属する指定在外選挙投票区の投票所を閉じる時刻までに次項の規定による投票の送致ができるように、郵便等をもつて送付しなければならない。
4 住民基本台帳法の定め
住民基本台帳法15条1項は,選挙人名簿の登録は,住民基本台帳に記録されている者で選挙権を有するものについて行なうものとする旨を定めている。
(選挙人名簿との関係)
第十五条 選挙人名簿の登録は、住民基本台帳に記録されている者で選挙権を有するものについて行なうものとする。