最近、「ネウボラ」という言葉が子育て支援において語られるようになっています。
フィンランドで1920年頃に始まった子育て支援の拠点のことで、フィンランド語で「助言する場所」を意味するといいます。
同国では、人口7000~8000人に1カ所設置され、約800カ所存在。
支援の中心的役割を担うのが妊娠中から育児期まで継続して相談できる「かかりつけ保健師(助産師)」
家族全体の支援を目的としていて、母親だけでなく子どもや父親にも寄り添って話を聞くそうです。
このネウボラの考え方は、小児科専門医ももちえていると考えます。
予防接種や健診、風邪を見る際に、保育・学校環境や家族環境をみる視点を常に持ちつつお話をお伺いいたしております。
私自身も、小児科専門医として、トータルな医療を心がけ、
病児保育や子育て支援施設あすなろの木をクリニックに併設し、病気の際~健康な時までも含めた、総合的な子どもの発育への関わりを行おうと、他の小児科の先生の事例も参考に努力をしているところです。
うまく、保健所や子ども家庭支援センター、保健師や助産師との連携がとれるようにするところがひとつの課題です。
なお、受診したクリニック・医院が「小児科専門医」かどうかは、一番確かなのは、小児科学会認定の「小児科専門医」の掲示を出していることです。また、クリニックの入口看板には、小児科をまず最初に記載しています。一番目に内科や外科があり、二番目に小児科が書かれている場合は、内科や外科が専門の先生です。
子どもは大人のミニチュアでは決してありません。発達、発育という視点が肝要であり、早期発見早期対策が、求められます。安易な抗生剤投与も小児の体に百害あって一利なしです。抗生剤は、適正使用されねばなりません。
日常的な風邪、子ども特有のアレルギー疾患はもとより、予防接種、健診は、ぜひとも、“ネウボラの精神”をもって子どもを診ている小児科専門医でなされることを、お勧め致します。
******小児科学会認定の「小児科専門医」の掲示********
******ネウボラについて(毎日新聞2015/05/03)********