「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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舛添都知事辞職の一方で、中央区長の理由のなきロンドン・パリ視察は許されるのか?地方財政法に抵触?

2016-06-23 16:32:09 | 財務分析(予算・決算)

 さて、明日6/24、いよいよ、中央区議会本会議で、問題の中央区長のロンドン・パリ視察(区長他6人パリロンドン1週間1118万6千円)が含まれた補正予算案の採決がなされます。

 私は、先日、このロンドン・パリ海外視察は、理由がないと、書きましたが、その点について、詳述します。

 すなわち、3月の予算特別委員会において、来るべき東京五輪について予算審議したばかりにも関わらず、降ってわいたような東京五輪準備のための海外視察の補正予算は、ある意味、地方財政法上、違法ではないかとさえ考えています。

 以下、違法と考える理由を述べます。

 まず、補正予算は、どのような場合に出せるのか?

 地方財政法は、予算編成について3条1項で、「地方公共団体は、法令の定めるところに従い、かつ、合理的な基準によりその経費を算出し、予算に計上すること」を、地方公共団体に義務づけています。

 補正予算の場合の法令の定めは、地方自治法218条1項に該当し、その内容は、「予算の調整後に生じた事由」に基づき、当初予算に追加等の変更をする必要が生じたときに、首長によって調整され、議会に提出される予算であることとなっています。すると、「予算の調整後に生じた事由」がなく補正予算が議会に提出された場合は、その補正予算は、法令の定めに反することになり、地方財政法上違法な予算編成となります。


 この海外視察費について、「予算の調整後に生じた事由」があるかについて検討してみるに、6月21日22日の本会議において、他会派からの質問に対し、区長答弁では、予算の調整後に生じた事由として、1)平成28年3月開催のオリンピック・パラリンピック区民協議会の分科会での意見が出されたことと、2)平成28年3月末に東京都による晴海のまちづくりビジョンが公開されたことの二つを挙げられていました。

 一つ目の事由、オリンピック・パラリンピック区民協議会の分科会での意見は、地域の文化芸能団体など各種団体がオリンピック・パラリンピックの開催に当たってどのように係わっていくとよいのかという主旨のものであり、同様の問題提起は、すでに第一回のオリンピック・パラリンピック区民協議会でも出されていました。


 二つ目の事由、東京都による晴海のまちづくりビジョンの公開についても、その公開された内容は、すでに都市計画審議会で決定したまちづくりの方向性の域を超える内容ではありませんでした。


 加えて、各種団体の五輪への関わりについてや晴海のまちづくりビジョンを含め東京五輪に関連したテーマについても、3月の予算特別委員会で十分討議がなされた結果、同委員会では、海外視察の必要性にまで言及された議論は出されなかったところであります。


 よって、本会議で区長が述べた二つの事由は、補正予算を組む事由としての「予算の調整後に生じた事由」にはあたらないと考えられるので、海外視察費には、提出に当たって必要な「予算の調整後に生じた事由」を欠いており地方自治法218条1項に反した形での補正予算案であって、そのこと、すなわち、地方財政法上違法な予算編成となる可能性があるのではないかと考えます。(違法となるかどうかの判断は、最終的には裁判官であり、断定まではいたしません。)
 

 海外視察により、観光施策、多言語対応、大会後のまちづくり、まちの安全・安心の取り組み、受動喫煙防止の取り組みなどを視察し、関係者と意見交換を行い、区政に生かすその目的は理解するところでありますが、今この時期のパリ・ロンドンでなければならないのか再検討することや、ロンドン・パリの行政幹部と会談などの「都市外交」をするのであれば、補正を組んだ急な訪問ではなく、書状のやりとりなど手順を踏んでしっかりとした形での外交をすることを求めるところです。

 違法な(可能性のある)予算を含んでいる以上、私は、明日は、6月補正予算案に反対の態度を表明する所存です。

 もちろん、6月補正予算案は、海外視察費含め全部で4件セットで出されていますが、他の3件の予算につきましては、賛成だけれども、違法な1件のため、やむを得ず予算案には反対します。
 次回の9月第3回定例会で、他の3件は、再提出されることを区に求めます。


********地方財政法*******

(予算の編成)
第三条  地方公共団体は、法令の定めるところに従い、且つ、合理的な基準によりその経費を算定し、これを予算に計上しなければならない
 地方公共団体は、あらゆる資料に基いて正確にその財源を捕そくし、且つ、経済の現実に即応してその収入を算定し、これを予算に計上しなければならない。


********地方自治法*******
(補正予算、暫定予算等)
第二百十八条  普通地方公共団体の長は、予算の調製後に生じた事由に基づいて、既定の予算に追加その他の変更を加える必要が生じたときは、補正予算を調製し、これを議会に提出することができる
 普通地方公共団体の長は、必要に応じて、一会計年度のうちの一定期間に係る暫定予算を調製し、これを議会に提出することができる。
 前項の暫定予算は、当該会計年度の予算が成立したときは、その効力を失うものとし、その暫定予算に基づく支出又は債務の負担があるときは、その支出又は債務の負担は、これを当該会計年度の予算に基づく支出又は債務の負担とみなす。
 普通地方公共団体の長は、特別会計のうちその事業の経費を主として当該事業の経営に伴う収入をもつて充てるもので条例で定めるものについて、業務量の増加により業務のため直接必要な経費に不足を生じたときは、当該業務量の増加により増加する収入に相当する金額を当該経費(政令で定める経費を除く。)に使用することができる。この場合においては、普通地方公共団体の長は、次の会議においてその旨を議会に報告しなければならない。



6月補正予算案⇒ https://www.city.chuo.lg.jp/kusei/kohokotyo/press/puresuheisei28/20160603press.files/2806hoseiyosan.pdf



***************産経新聞**********************************
http://www.sankei.com/region/news/160603/rgn1606030046-n1.html 

2016.6.3 07:02

中央区長ら来月欧州視察、1週間で経費1118万円


 ■ビジネスクラス使用「正当な支出」

 中央区は、平成28年度一般会計6月補正予算に、矢田美英区長、押田満理子区議会議長ら計6人が7月に1週間、パリ、ロンドンを視察する経費約1118万6千円を計上した。舛添要一知事の高額海外出張費が問題となったばかりだが、区は正当な支出としている。

 「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた海外視察」は、7月3日から9日までの日程。区長、区議会議長のほかは区議1人、区職員3人が同行する。

 2020年東京五輪・パラリンピックでは、区内に選手村が設置される予定で、区は視察の目的を「ロンドンでは五輪の選手村跡地の活用」と説明。パリについては、「築地市場の豊洲移転をかかえるため、舟運の状況について視察する」としている。

 視察費用のうち、旅費は約460万円で、区長、区議会議長、区議と議会事務局の職員が羽田-パリ、ロンドン-羽田でいずれもビジネスクラスを利用。五輪関連部署の区職員2人はエコノミークラスを使う。

 区の規則では「飛行機旅費に関して8時間以上かかる場合には最上級の直近下」とされ、ファーストクラスは区長も利用できない。五輪関連部署の職員2人はビジネスクラスの利用が可能だが、「諸般の事情を鑑み、節減に努めた」という。

 宿泊費は約150万円を見込んでいる。スイートルームなどは使わないが、視察期間はテニスのウィンブルドン選手権、サッカーの欧州選手権の開催時期が重なるため、割高になるとしている。他の費用はレンタカー代や、通訳への費用などと説明している。

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28.7.10参院選 立憲主義を語れない者、語らない候補者は、論外です。

2016-06-23 08:57:23 | 国政レベルでなすべきこと

 日本の行く末を決する、最も重要な選挙のひとつが、昨日平成28年6月22日公示されました。

 その初日の様子を、各主要紙は、どうとらえているか。

 
 参院選挙後に来るのは、改憲議論であるから、少なくとも立憲主義を守る意思のある候補者を是非、選んでください。
 立憲主義を語れない者は、語らない者は、論外。

 憲法や法律は、私たちの生命、健康、財産、学問そして自由を守るために存在しています。
 その大前提として、立憲主義があります。
 国が暴れだし、私たちのそれら大切なものが壊されぬように、国を縛るのが、立憲主義。

 残念ながら、昨年平成27年9月19日、国が暴れ出し立憲主義の枠組みが一部壊されたことを、私たちは経験しました。



 

******朝日新聞*************
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12422641.html


憲法、避けずに議論を 参院選公示 政治部長・立松朗

2016年6月23日05時00分


 これまでの選挙に比べて安倍晋三首相の演説に勢いがない。気のせいか聴衆も冷めているように感じる。

 なぜだろうか。

 問うべきこと、問いたいことを避けているからだと思う。

 首相が「問うべきこと」とは約束をたがえたことへの評価だ。2014年衆院選で、首相は「消費増税延期の是非」を問うとし、引き上げ時期も約束して圧勝し、信認された。再び増税先送りの「新しい判断」で信を問うという。もとより税をめぐる政策変更は重く、真剣に論じるべきではある。だが、国民にまず語るべきは公約違反の責任ではないか。

 辞任しないのであれば、まず判断を誤ったとわび、「アベノミクス」の限界も認める。それを抜きに「最大限ふかす」と言っても、説得力を欠く。

 そして、首相が本来、国民に「問いたいこと」は憲法だろう。なのになぜ、避けるのだろうか。

 首相は在任中の憲法改正をめざすとしている。同調する議員が衆参そろって改憲を発議できる3分の2を超える――。かつてない政治状況が生まれるかもしれない重い選挙である。そもそも国論を二分し、違憲だという批判が根強い安保法制を成立させてから初の選挙でもある。

 改憲の「是非」を問うべきだというのではない。改憲したいのはなぜか、どう変えたいか、国民に問いかけ、論議を喚起しない理由はないではないか。

 選挙後に議論するから選挙では問わない、というのは理解できない。国民投票までは意見を聞く必要はない、黙ってみていろということだろうか。憲法を見つめ直し、国のありようをともに考える機会にするべきだ。

 候補者も問うてほしい。政権を決める衆院とは違い、再考の府ともされる参院は政党の枠組みにとらわれず、議論を深めることが期待されている。語らず、問わず、ただ発議に加わればいいと思っているとしたら、寂しい話である。

 首相の「新しい判断」に、与党の政治家はほとんど黙って従った。政治家一人ひとりの判断の集積でなければ、「3分の2」の改憲発議に意味はない。

 一人の政治家として意思を持ち、思考し、主張する人を選ぶ。そんな選挙であってほしいと思う。


*********毎日新聞******
http://mainichi.jp/senkyo/articles/20160623/ddm/001/010/166000c

参院選

公示 これまでとは違う=政治部長・末次省三
 
 

毎日新聞2016年6月23日 東京朝刊
 
 参院選は「政権選択の選挙」ではない。このため、衆院選に比べて軽くみられがちな傾向にあり、それが時に有権者の「冒険」を誘発してきた。


 「政権交代までは望んでいないが、政権党にお灸(きゅう)をすえたい」。こうした投票意識が衆参両院の多数派が異なる「ねじれ」を生んだことなどから、参院選は衆院選よりもむしろ政局を左右する選挙と位置づけられてきた。

 衆院選の時期はほとんど、時の首相が「解散権」を行使して決める。これに対し、参院選は3年ごとに半数ずつが改選されることが確定しており、時期は政権与党の思惑や都合に左右されない。つまり、参院選は衆院選よりも「首相の恣意(しい)が働かない任意の民意」が示される。

 参院選を語る場合、従前ならばここまでで済んだと思う。だが、今回は明らかに違う。ただの参院選ではない。より重要性が増している。「憲法改正」という戦後日本で長きにわたって封印されてきた政治テーマが、具体性を持つ初の機会となるからだ。

 最大の焦点は、与野党の勝ち負けではない。すでに衆院で憲法改正の発議に必要な3分の2以上の議席を確保している改憲勢力が、参院でも3分の2に届くのかどうかだ。

 毎日新聞が今月18、19両日に実施した世論調査では、参院選で最も重視する争点として「憲法改正」を挙げた人は10%で、「年金・医療」24%、「子育て支援」13%に続く3位にとどまったが、選挙結果は個別政策を超える大きな動きをもたらす可能性がある。

 安倍晋三首相の言う「決めるのは国民投票」はその通りで、3分の2以上による発議はあくまで前段にすぎない。ただ、3分の2以上が現実となれば、土壌が整うことは間違いない。しかも、憲法改正を宿願としている安倍首相の下でのことだ。

 ある意味、今回の参院選は政権選択より重い審判となる。「国のかたち」をじっくり考える機会にしなければならない。


 

 

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