教育の部分では、重要なキーワードとして、「グローバル化」が出されました。
そのグローバル化に対峙した子ども達を育てるにあたって、重要な方向性を、佐伯氏は、指摘されていると考えます。すなわち、「私たち自身の哲学」
中央区の子ども達が、自らの哲学を見出す力を養うことも、中央区の基本構想(教育分野)で落としてはならない視点であると考えます。
***********朝日新聞20160603 オピニオン 抜粋**********
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12390175.html
(異論のススメ)西田幾多郎の哲学 西洋と異なる思想、今こそ 佐伯啓思
今日、西洋の思想や科学が作り出したこのグローバルな世界は、ほとんど絶望的なまでに限界へ向けて突き進んでいる。新たな技術を次々と開発し、経済成長に結び付けることで人間の幸福を増大できる、という西洋発の近代主義は極限まできている。しかし、日本は今日、丸ごとこの近代主義にのみこまれ、漱石ではないが、その先端でグローバル化に遅れまいと上滑りを続けているように見える。国際化やグローバル化の掛け声よりも、われわれが今日必要としているのは、われわれ自身の哲学であり、それはまた西洋思想の深みにも突きささるであろう。西田は、一度も留学体験もなく、ほとんど日常生活の空間をはみ出すことなく思索を続け、それが、成功したかどうかは別として、「日本の哲学」を構想した。戦後70年以上過ぎ、今日、改めて西田のような志が求められているのではないだろうか。
さえきけいし 1949年生まれ。京都大学名誉教授。保守の立場から様々な事象を論じる。著書に「反・幸福論」など