平成31年1月17日
水とみどりの推進課
緑化推進係 御中
いつも御世話様になり、ありがとうございます。
『中央区緑の基本計画』(中間のまとめ)に対するパブリックコメントを提出させていただきます。
よろしくご検討のほど、お願い申し上げます。
氏名 小坂和輝(51歳)
住所 中央区月島3丁目30番3号2階
電話 03−5547−1191
第1、総論
1、前の『緑の基本計画』の総括
あらたな基本構想、基本計画が出来たわけであり、その実現に向けて、緑の基本計画を更新することは、理解できます。
ただ、今回の緑の基本計画は、前回の計画をバージョンアップするという考え方が、不足していると感じました。
前回の計画との差異を明らかにするように、表形式で、違いを整理するとともに、前回の目標とそれが達成できなかった要因の分析も記載を入れて下さい。
2、地域の分割の考え方について(5 地域別の方針と取組)
前回の計画では、第8章で、地域を11に分割をしていました。まちづくりにおける地区計画とほぼ連動させていたように感じます。その上で、詳細にその地域での方針を明らかにしていました。比較をするとわかりますが、今回の計画は、その記述があいまいすぎて、地域別の方針が後退しています。
緑の基本計画は、まちづくりや都市計画と連動をするものであるので、地域の分け方は、大雑把な月島地域、日本橋地域、京橋地域の3つの分け方だけではなく(三つの地域わりも残す、参照 後述の総論11)、現在16ある地区計画と同じ範囲で細分化した地域分けをし、かつ、その地域の緑の計画の詳細なる方針を記載してください。そのためには、一度、各まちづくり協議会の場で、緑の基本計画の方針のその地域での実現の仕方についてそれぞれに意見聴取をした上で、計画を作ってください。
なお、地区計画のないところの地域区分は、例えば、「晴海地区」などと大きなくくりで良いし、あるいは、築地地区のところには、築地市場跡地と浜離宮を加えるなどして小修正を行えばよいと考えます。
3、都市整備部との連携・連動
上述しましたとおり、緑の基本計画の実現と、まちづくりや都市計画のありかたは、密接不可分に連動をしています。
その点からすると、都市整備部(地域整備課)と環境土木部(水とみどりの課)との連携は欠かせません。
まちづくり協議会と緑の連携会議・緑の連絡会議との連携も欠かせないと考えます。
行政の縦割りの仕組みをもう一歩踏み込み、区の内部の連携体制についての記述も記載願います。
4、前回の『緑の基本計画』のホームページ上の閲覧について
現在の中央区の緑は、前回の計画の延長上にもあるわけであり、新たな計画が今回策定したからといって、区のホームページ上では、このまま、前回の緑の基本計画も閲覧をできる状態にしておいてください。
第8章をはじめ前回の計画がたいへんよくできていることもあり、両方を参照したく考えます。
5、緑の連携会議(62ページ)と緑の連絡会議(4−16)
おそらく、どちらかが誤記載だと考えます。
別物というのであれば、その違いの明記をお願いします。
ただ、働きが似ているため、別物にするよりは、ひとつにしていただけますようにお願いします。会議がいくつもあると、参加する区民の負担になります。
どちらかの名称を選ぶ場合は、「連絡」は、単なる報告のやりとりのように感じるため、それら報告と意見交換、共同、協働などより広い概念を含む「連携」のほうをとるとよいのではないかと考えます。緑の連携会議でよいのではないでしょうか。
6、『中央区環境行動計画2018』との差異
中央区環境行動計画と計画の内容が重なるところがあります。
例えば、環境行動計画での、基本目標3で、公園等の整備、水辺環境の整備、緑化の推進など、基本目標5で、環境情報センターの運営など。
両者の計画における根本的な違いを区民にわかりやすく明示してください。その上で、重なる取り組みをするわけであるので、有機的な連携ができるように記載をお願いします。重複していることの明示を緑の基本計画においては、記載をしてください。例えば、『中央区環境行動計画2018』の何ページ参照など、重複した内容が記載されている部分を緑の基本計画のほうに記載し、相互閲覧をしやすくしてください。
また、環境行動計画における「中央区環境行動計画推進委員会」と緑の基本計画における「中央区グリーンインフラ推進委員会」の連携のありかたも具体的に記述ください。両者の委員長は、他方の委員を兼ねることや、委員会を開催する場合に、他方の委員会の進捗状況の報告をし、二つの計画が合間って、環境政策における区民福祉の向上を目指さすようにしてください。
7、区民の主体的な参画
緑の基本計画では、区民の主体的な参画を目指すところの記載がいくつかあります。
しかし、各主体の主な役割(図6.1)では、区民の【主な役割】に、その主体性を発揮するべき取り組みが落ちていて書かれていません。すなわち、「都市の緑や環境問題などに関心を持つ」だけではなく、「区の環境政策への提言・参画・評価」も追記願います。区民は、実際に、緑の連携会議で環境政策の提言も行い、プロアクティブ区民として、アダプト制度や中央区の森間伐作業などで実際に参画しますし、行政評価において、実際に環境政策を評価しています。それこそが、重要な役割ではないでしょうか。傍観者的に、「関心を持つ」にとどめないでください。
8、関連計画(表11、図11)
関連計画が、たとえば晴海将来ビジョン、築地地区のありかた検討、日本橋首都高地下化などがあります。
関連計画、会議など全庁挙げて総ざらいし、主なものはもれなく記載するようにお願いします。
そのうえで、それぞれの関連計画と整合をどのように図るのかもう一歩踏み込んで記載をお願いします。
9、予算の明示
予算の裏づけなく、計画は成り立ちません。
中央区は、公会計制度を導入し、行政評価でもその連動が図られるようになりましたので、予算の記述ができるところは、記載をお願いいたします。
街路樹管理計画の策定(4−20)、中央区グリーンインフラガイドライン策定(4−22)、緑の実態調査(4−28)にいくら予算をかけるお考えでしょうか?
10、期限の明示
タイムテーブルなしの計画は、計画とは言えません。
タイムテーブルを記載すべきところは、きちんと記載を願います。例えば、計画期間10年を前期と後期にわけ、前期重点項目としての明示ができると思います。また、緑の連携会議の設置や、中央区グリーンインフラ推進委員会の設置をいつするのか、明示願います。特に、来年度にすぐに具体的に委員募集に入り、夏頃から会議を開催するということでよろしいでしょうか?
街路樹管理計画の策定(4−20)、中央区グリーンインフラガイドライン策定(4−22)、緑の実態調査(4−28)をいつにするのかについても明示願います。
11、区全体の目標数値と3つの地域別の目標数値の記載
区全体の数値目標とともに、地域別に目標数値の設定をお願いします。この場合は、月島・日本橋・京橋の3つの地域で出してください。
例えば、今回の重要な目標の一つ緑被率の13%(3−10)は、月島地域では、すでに13.2%(5−8)で達成しているため、独自の目標が必要です。
12、中間の見直しの明記
この計画期間において、東京五輪の開催があります。
その前後で状況が大きく変わってくると考えられるため(例えば、レガシーとしてのボランティアマインドの向上、築地や晴海などでのまちづくりの進捗など)、その状況変化にあわせた中間の見直しが必要になると考えます。
中間の見直しがなされると考えてよいでしょうか。必ず、中間の見直しを行うことをお願いします。
13、今回策定の経緯などの記載
今回策定の経緯などの記載、例えば、委員会開催日程、出されたパブリックコメントとそれに対する中央区の考え方一覧、委員名と役職などの記載を、おそらく最終報告書では書かれるとは思いますが、記載をお願いすることを、念のため、申し述べます。
14、環境教育の項目を割いての位置付け
環境教育の視点を、教育委員会と連携のもと、大きく打ち出すべきであると考えます。
第2、各論
1、中央区の森の記載の充実(4−28)
中央区の森の記載が不十分です。
①現在、どれだけの広がりがあり(地図を入れてください。)、②今後どのように広げていくのか、③そこではどのような活動が定期的になされているのか、④その際、主として活動をしてくれているNPOはどの方々なのか、など、記載の充実をお願いします。
2、月島地域の地域別主要な緑の配置図(5−10)
月島地域においては、将来の緑の創出エリアが、月島三丁目のみになっていますが、月島一〜四丁目及び佃を大きく緑の創出エリアとしてください。佃・月島は、路地空間があり、緑が溢れる場所です。路地の緑を生かし、緑の創出を行うことができるためです。
逆に言えば、このような細かな記載ができていない点で、月島地域という大きなくくりの地域別の方針の記載は、無理があることがわかります。だからこそ、総論2で述べたように、3地域ではなく、地区計画の範囲レベルに細分化して、課題の創出と方針の記載をお願いいたします。
3、街路樹管理計画の策定(4−20)
2017年8月には、日本橋の銀杏並木が、電線の地中化を口実に伐採されました。電線の地中化と街路樹の保存は、両立ができたケースであり、残念でなりません。
大いに反省材料として、今後、電線の地中化があったとしても、街路樹の保存との両立策がないかの十分な検討をお願いいたします。
また、日本橋の銀杏並木の伐採では、地域の合意形成が不十分なまま、あるいは行政の説明責任が不十分なまま、なされてしまいました。街路樹管理計画策定においては、きちんと緑の連携会議、まちづくり協議会、中央区グリーンインフラ推進委員会、中央区議会環境建設委員会などで合意形成を図りながら策定されるようにお願いいたします。
4、緑のボランティア(2−9)
どのような企業・団体が参加されているか、ホームページ上で見られるようにしてください。
5、緑化重点地区(3−3)
中央区全域を緑化重点地区に指定することは、すばらしいことと考えます。この指定により補助金がつきやすくなるのか、補助金との関係を追記願います。
6、水と緑のネットワーク(3−4)
まちの緑は、ビル風による風害対策にもなります。風の通り道だけではなく、風害の防止対策についても追記願います。
7、街路樹・植樹帯・街角広場の整備における多層的な緑化(4−4)
月島川沿いの緑化整備では、残念ながら、銀杏の大木が何本か伐採撤去されてしまいました。前回の計画でも記載のあった多層的な緑化に逆行をいたしております。
この点は、大いに反省材料とし、多層的な緑化を目指してください。
また、街路樹の伐採計画は、事前にその計画を、まちづくり協議会や緑の連携会議において議題にあげ、地域との合意形成を十分に図るようにお願いいたします。
8、誰もが使いやすい公園等施設整備(4—9)
(3)として、受動喫煙の防止の項目の追記をお願いします。
(4)として、ヘイトスピーチ・デモの排除の項目の追記をお願いいたします。
9、災害に強いまちづくりに資する公園整備(4−10)
各地域の防災拠点運営委員会との連携についての追記をお願いいたします。
10、緑の連携会議(4−16)
小中学校の構内の緑化のこともあり、小中学校関係者も、参加者だと考えます。広くお声掛けをして、参加者を幅広く集められるようにお願いします。
11、個人でのアダプト制度への参加(4−18)
町会・自治会などに参加していないかたも増えています。個人でもアダプト制度に参加できる仕組みの構築をお願いいたします。
12、公園や児童遊園の整備・拡充
わたし児童遊園においては、「月島三丁目北地区第1種市街地再開発事業」に伴い、縮小と二階移設が、住民の合意形成を図ることなく実施されようとしています。
大いに反省材料とし、今後は、事前に、緑の連携会議、まちづくり協議会、中央区グリーンインフラ推進委員会で協議をし、地域住民の意見聴取や合意形成を得ながら、公園や児童遊園の整備・拡充を図るように切にお願い申し上げます。
13、花と緑の名所づくり(4−8)
佃・月島の路地も花と緑の名所です。
路地空間を、花と緑の名所づくりとして整備していく旨の追記をお願いいたします。
14、区内の大木・古木の全事例の列挙(4−21)
区内の大木・古木は、全事例の列挙が可能だと思われますので、列挙をお願いいたします。また、種類別の全樹木数の把握を区はされていますので、その内容の記載もお願いいたします。
15、環境教育の取組方針としての位置付け
総論14で述べましたが、その具体的な対応として、「基本方針4 緑の普及・啓発」(4−22)の柱のひとつとして、取組方針のひとつに「環境教育の推進」を付け加えることをお願いいたします。
教育分野で、環境教育は様々になされており、教育委員会と連携し、その取組を一度整理して記載し、その充実を図るべきと考えます。
いずれの分野にも言えることでありますが、この環境教育の強化こそ、緑の普及・啓発の発展の根本にあるものであると考えます。
以上