子連れ出勤も、ありだと思います。それが、よく見る風景となればよいと。
ただ、安易に始められない。もう一つの選択肢になれるはずであって、そのための行政の補助・支援のあり方を考えて行きたいと思います。
******朝日新聞20190122******
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13858958.html
「子連れ出勤」応援されても… 政府方針が波紋
2019年1月22日05時00分
「子連れ出勤」を後押しするという政府の方針が波紋を広げている。子育てに理解のある社会を目指す取り組みだというが、賛否の声があがっている。
■「片手間で面倒見るより保育園」「働くか辞める以外の選択肢も」
「あくまでも選択肢の一つ」。18日の閣議後会見で、「子連れ出勤」への批判について問われた宮腰光寛・少子化担当相は弁明した。
15日に子連れ出勤を認める授乳服メーカー「モーハウス」(茨城県つくば市)を視察した際、政府として後押しする方針を表明。自治体のモデル事業などの補助率を引き上げ、2018年度2次補正予算で16億円、新年度9・5億円計上した少子化対策の交付金の一部をあてる。
経験者はどう感じたのか。
長女(5)が生後7カ月の時から1年間、子連れで毎日6~8時間働いた新潟県三条市の石本史子さん(39)は「二度とできないと思う」。商店街の事務方で、人手不足のため急きょ復職。授乳しながら片手でパソコンのキーボードをたたいて腱鞘(けんしょう)炎に。オムツを替えるたびに電話も中断した。「片手間の大人が面倒をみるより、安全で幅広い経験のできる保育園の方が子どもにもいいのでは」
一方、フリーランスの広報、平田麻莉さん(36)は「仕事もしたいが子どもと離れたくない人の選択の幅が広がる。歩き始めるまでなら賛成」。長女(2)が保育園に入れるまでの1年間、毎日のように打ち合わせに連れて行った。満員電車で「子どもが潰されるかも」と思ったこともあったため、「導入する場合は時差通勤を」と提案する。「子連れの親たちが授乳しながら仕事できる会議室を社内に設けるなどもした方がいい」
「モーハウス」も、子連れ出勤は「歩けるようになるまで」が目安。出勤は週2~3回、1日4時間程度。光畑由佳代表は「動き回るようになった子をオフィスに閉じ込めるのはよくないし、仕事の効率も悪くなる。保育園の代わりにはならない」ときっぱり。「ただ、子どもが生まれたら預けて働くか、仕事を辞めるかの二択以外に、選択肢が増えれば可能性も広がる」
定行まり子・日本女子大教授(住居学)は「子どもに必要な環境は年齢によっても違う。導入するなら、子どもの発達に適した環境を整えると共に、親が仕事に集中できる環境も確保する必要がある」と指摘する。
山田陽子・広島国際学院大准教授(社会学)は「必要に迫られた時は男女問わず職場に連れてきてもいいという機運を高めるために、政府が後押しすることに意味はある」とした上で、「近代社会では職場と家庭の機能が分離しており、大半の職場では、子どもが来ると混乱してしまう」と指摘。「批判の背景には、母親に負担が偏っている現状が理解されていない、という思いもあるのでは」(田渕紫織、仲村和代)
ただ、安易に始められない。もう一つの選択肢になれるはずであって、そのための行政の補助・支援のあり方を考えて行きたいと思います。
******朝日新聞20190122******
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13858958.html
「子連れ出勤」応援されても… 政府方針が波紋
2019年1月22日05時00分
「子連れ出勤」を後押しするという政府の方針が波紋を広げている。子育てに理解のある社会を目指す取り組みだというが、賛否の声があがっている。
■「片手間で面倒見るより保育園」「働くか辞める以外の選択肢も」
「あくまでも選択肢の一つ」。18日の閣議後会見で、「子連れ出勤」への批判について問われた宮腰光寛・少子化担当相は弁明した。
15日に子連れ出勤を認める授乳服メーカー「モーハウス」(茨城県つくば市)を視察した際、政府として後押しする方針を表明。自治体のモデル事業などの補助率を引き上げ、2018年度2次補正予算で16億円、新年度9・5億円計上した少子化対策の交付金の一部をあてる。
経験者はどう感じたのか。
長女(5)が生後7カ月の時から1年間、子連れで毎日6~8時間働いた新潟県三条市の石本史子さん(39)は「二度とできないと思う」。商店街の事務方で、人手不足のため急きょ復職。授乳しながら片手でパソコンのキーボードをたたいて腱鞘(けんしょう)炎に。オムツを替えるたびに電話も中断した。「片手間の大人が面倒をみるより、安全で幅広い経験のできる保育園の方が子どもにもいいのでは」
一方、フリーランスの広報、平田麻莉さん(36)は「仕事もしたいが子どもと離れたくない人の選択の幅が広がる。歩き始めるまでなら賛成」。長女(2)が保育園に入れるまでの1年間、毎日のように打ち合わせに連れて行った。満員電車で「子どもが潰されるかも」と思ったこともあったため、「導入する場合は時差通勤を」と提案する。「子連れの親たちが授乳しながら仕事できる会議室を社内に設けるなどもした方がいい」
「モーハウス」も、子連れ出勤は「歩けるようになるまで」が目安。出勤は週2~3回、1日4時間程度。光畑由佳代表は「動き回るようになった子をオフィスに閉じ込めるのはよくないし、仕事の効率も悪くなる。保育園の代わりにはならない」ときっぱり。「ただ、子どもが生まれたら預けて働くか、仕事を辞めるかの二択以外に、選択肢が増えれば可能性も広がる」
定行まり子・日本女子大教授(住居学)は「子どもに必要な環境は年齢によっても違う。導入するなら、子どもの発達に適した環境を整えると共に、親が仕事に集中できる環境も確保する必要がある」と指摘する。
山田陽子・広島国際学院大准教授(社会学)は「必要に迫られた時は男女問わず職場に連れてきてもいいという機運を高めるために、政府が後押しすることに意味はある」とした上で、「近代社会では職場と家庭の機能が分離しており、大半の職場では、子どもが来ると混乱してしまう」と指摘。「批判の背景には、母親に負担が偏っている現状が理解されていない、という思いもあるのでは」(田渕紫織、仲村和代)